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■目次
大問1
大問2
大問3
大問4
大問5
■大問1
問題1-1:次の各問に答えなさい。問1 貝やサンゴなどの死がいが堆積してできた、炭酸カルシウムが主成分である岩石を、次のア~エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
ア 石灰岩
イチャート
ウ 花こう岩
エ 凝灰岩
解答 :ア
解説 :
イチャート:放散虫などの殻が堆積してできる、二酸化ケイ素が主成分の堆積岩。
ウ 花こう岩:マグマが地下でゆっくり冷えて固まってできた火成岩。
エ 凝灰岩:火山灰が堆積して固まってできた火成岩。
問題1-2:図1は、ある植物の茎から葉にかけての断面を模式的に表したものです。葉の表側を通る管Xの名称と、管Xを通る物質が運ばれる向きの組み合わせとして正しいものを、次のア~エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
ア X…師管 向き…A
イ X…道管 向き…A
ウ X…師管 向き…B
エ X…道管 向き…B

解答 :エ
解説 :Xは道管であり、道管は水や養分が通る。水や養分は、根から吸収され茎を通り、葉まで運ばれる。
〈道管と師管〉
道管:葉の上、茎では内側、水が通る、太い
師管:葉の下、茎では外側、養分が通る
問題1-3:こまごめピペットで溶液をはかりとるときの持ち方として正しいものを、次のア~エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。

解答 :ウ
解説 :正しい持ち方:ピペットのゴム部分を人差し指と親指で支え、ガラス部分は中指、薬指、小指で支え、垂直に持つ
問題1-4:図2のように、水で満たした円柱状の透明なコップを腕をのばして持ち、じゅうぶん離れた壁に貼ってある文字「は」を、コップを通して見るとどのように見えますか。最も適切なものを、次のア~エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。


解答 :イ
解説 :水の屈折によって、左右が逆になって見えるため。(上下逆にはならない。)
問題1-5:日本列島付近では、夏には主に南東の風、冬には主に北西の風がふきます。このような、季節によって風向の異なる特徴的な風を何といいますか。その名称を書きなさい。
解答 :季節風(モンスーン)
解説 :水(海)は温まりにくく冷えにくい。地面(陸)は温まりやすく冷えやすい。という性質が関係する。夏は、陸が暖かくなり(上昇気流が発生)海は冷たい(下降気流が発生)という状態となり、海から陸に風が吹く。冬はその逆。このように季節で風の向きが変わる。

問題1-6:図3のミカヅキモなどの単細胞生物や、図4のジャガイモが行う、受精によらない個体のふえ方の総称を何というか、書きなさい。

解答 :無性生殖
解説 :無性生殖とは、一つの親だけで子供を作る方法である。
問題1-7:図5は、火力発電において、石油のもつYエネルギーがボイラーで熱エネルギーに、その熱エネルギーがタービン・発電機で電気エネルギーに変換されていくようすを模式的に表したものです。図5のYにあてはまる語を書きなさい。

解答 :化学 エネルギー
解説 :石油は化学エネルギーをもっており、燃焼することで化学エネルギーを熱エネルギーに変える。
問題1-8:ケイ素(シリコン)やゲルマニウムのように、電流が流れやすい物質とほとんど流れない物質の中間の性質をもつ物質を何といいますか。その名称を書きなさい。
解答 :半導体
解説 :半導体とは、導体と絶縁体の中間的な性質を持つ物質のこと。その特徴は、電気抵抗が導体よりも大きく、絶縁体よりも小さい。
■大問2
問題2-1:Wさんは、月について、探究的に学習しました。問1~問5に答えなさい。
[場面1]
先生:月のように惑星のまわりを公転する天体を[M]といういます。月が地球のまわりを公転することによって、月の見え方は図1の写真A~Iのように少しずつ変化します。

Wさん: 図1のC, D, Eに見られる月の表面のKの部分に着目すると、位置に変化がないことがわかりますね。太陽では黒点の位置の変化から自転している事実がわかったことを考えると、①月は自転していないということでしょうか。
先生:いい着眼点ですね。それについては、図2の太陽-地球-月の位置関係と図1の月の見え方を合わせて考えてみるといいですよ。

問1 Mにあてはまる語を書きなさい。
解答 :衛星
解説 :衛星とは、惑星などの周りを回る星のこと。月や人工衛星などが衛星である。
問題2-2:問2 Wさんは、下線部①について仮説を立て、次のようにまとめました。[P]にあてはまることばを、Kの部分という語を使って書きなさい。
『仮説として、月が自転していないとする。図3のように、月が「Eで地球に向けている面」を太陽に向けて固定したまま地球のまわりを回ると考えると、図3のCでは[P]ことになり、図1の見え方と矛盾する。よって、この仮説は正しくない。改めて、図2の月が「地球に向けている面」をA~Iの順にみていくと、月は約30日かけて1回自転していることがわかる。

解答 :(例)Kの部分が見えない
解説 :月が自転していないと仮定した時、Cの位置の地球からの見え方は図のようになり、Kの部分は見えない。
しかし、問題文の図1では、Kの部分が見えているので月は自転していると考えられる。
問題2-3:[場面2]
Wさん:図2について、前から不思議に思っていたことがあります。新月と満月を比べると新月は月に当たった太陽の光が地球に届かないので見えないことはわかります。でも、満月のときは月に太陽の光が当たる前に地球に当たるので、月にはそもそも光が当たらなくなってしまうのではないでしょうか。 先生:いいことに気づきましたね。図2のように平面的に考えるとわかりづらいのですが、月の公転面は、図4のように、地球の公転面に対して約5°傾いています。
Wさん:それで満月のときも太陽の光がちゃんと当たっているんですね。
先生:ただし、月と地球の位置関係によっては、太陽の光が月に当たりにくくなることはあります。
Wさん:それが、月が地球の影に入る[N]という現象なんですね。

問3 [N]にあてはまる語を書きなさい。また、この現象が見られるのはいつですか。図4のX~Zの中から一つ選んでその記号を書き、解答欄の図に、この現象が見られるときの月の位置を・でかき入れなさい。

解答 :N 月食
記号 X
月の位置
解説 :月が地球の影に入ることを「月食」という。似た言葉に「日食」があるが、これは太陽の一部や全体が月の後ろに隠れて見えなくなることである。 月と地球の位置関係によっては、太陽の光が月に当たりにくくなることあり、図のようになる。

問題2-4:[場面3]
Wさん:もう一つ気になることがあります。②今日の満月は、普段の満月より大きくて明るく見えるなと思うときがあるんですが、見かけの大きさって変わるんですか。
先生:よく観察していますね。確かに、月が大きく見えることはあります。その理由は、図5のように、地球と月の距離が、最も近いときで35.6万km、最も遠いときで40.7万kmと変化するためです。
Wさん:そうだったんですね。
先生:なお、月の平均的な見かけの大きさは太陽の見かけの大きさとほぼ同じです。③もし日食が起こったときに、月の見かけの大きさが大きかったり小さかったりするとどうなるか、考えてみるとおもしろいですよ。

問4 下線部②について、図5では、満月が最も大きく見えるときの見かけの直径は、最も小さく見えるときを基準にすると、14%長く見えます。月の明るさが月の見かけの面積に比例するとしたとき、満月が最も大きく見えるときの明るさは、最も小さく見えるときの明るさの何倍ですか。小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めなさい。ただし、満月の見え方は完全な円であるものとします。

解答 :1.3倍
解説 :問題文より、満月が最も大きく見えるときの見かけの直径は、最も小さく見えるときを基準にすると、14%長く見えるとあるので、最も小さく見える月の直径を1とすると最も大きく見える月の直径は1×(1+ 0.14)=1.14となる。それぞれの半径は、最も大きく見える月の方が0.5、最も小さく見える月の方が0.57となる。
月の明るさが月の見かけの面積に比例するとしたときとあるので、求める式は
(最も大きく見える月の面積)÷(最も小さく見える月の面積)=(0.57×0.57×π)÷(0.5×0.5×π)=1.2996≒1.3
問題2-5:問5 Wさんは、下線部③について考え、次のようにまとめました。Pにあてはまる語の組み合わせとして正しいものを、次のア~エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
『月が地球から[Q]距離にあるときには、月は大きく見える。このとき、日食が起こると、[R]日食となる。一方、月が地球から[S]距離にあるときには、月は小さく見える。このとき、日食が起こると、[T]日食となる。』
ア Q…遠い R…金環 S…近い T…皆既
イ Q…遠い R…皆既 S…近い T…金環
ウ Q…近い R…金環 S…遠い T…皆既
エ Q…近い R…皆既 S…遠い T…金環
解答 :エ
解説 :皆既日食とは、太陽がすべて隠されて見えなくなるもので、月と地球の距離が小さいときに見える。
金環日食とは、月が太陽を隠しきれず、太陽が輪のようにみえるもので、月と地球の距離が大きいときに見える。
■大問3
問題3-1:Yさんたちは、動物の分類について、探究的に学習しました。問1~問5に答えなさい。
[観察]課題:学校周辺にはどのような動物がいるのだろうか。
【方法】
[1] 学校周辺で動物をさがし、見つけた動物を記録した。
[2] 見つけた動物の一部を①ルーペで観察し、それらの特徴を生物カードにまとめた。
【結果】学校周辺で見つけた動物
バッタ、カエル、ヘビ、ヤモリ、タヌキ、ザリガニ、イモリ、フナ、メダカ、コウモリ、スズメ、ハト
[生物カード1]

問1 下線部①について、図のように、バッタを入れた透明な容器を手にとって、ルーペで観察します。このときのルーペの使い方として正しいものを、次のア~エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。

ア ルーペを目に近づけて固定し、容器を前後に動かして、ピントを合わせる。
イ ルーペを容器に近づけて固定し、顔を前後に動かして、ピントを合わせる。
ウ ルーペを目から遠ざけて固定し、容器を前後に動かして、ピントを合わせる。
エ 容器を目から遠ざけて固定し、ルーペを前後に動かして、ピントを合わせる。


解答 :ア
解説 :ルーペは目に近づけて使うものであり、観察するものが動かせるときは、観察するものを前後に動かしてピントを合わせ、観察するものが動かせないときは自分が観察するものに近づいたり離れたりしてピントを合わせる。
問題3-2:問2 [生物カード1]について、バッタとザリガニの共通点を次のようにまとめました。
[I]、[II]にあてはまる語をそれぞれ書きなさい。
「バッタとザリガニのからだは丈夫な殻のようなつくりである[I]で覆われており、からだとあしに節がある。[I]は、からだを支えるとともに、内部を[II]はたらきをしている。」
解答 :Ⅰ 外骨格 、Ⅱ (例)保護する
解説 :外骨格とは、貝類や甲殻類、昆虫類、多足類などの動物の体の表面を覆う硬い構造物で、体を支え、内部を保護し、筋肉の付着点となるもの。
問題3-3:Yさんたちは、学校周辺で見つけた動物を、脊椎動物の5つのなかまと無脊椎動物に分類するため、基準を考えてノートにまとめました。
[ノート]

問3 カエル、イモリ、フナ、メダカを、ノートのように分類するための基準Eにあてはまるものを、次のア~エの中からすべて選び、その記号を書きなさい。
ア からだの表面がうろこでおおわれている
イ 陸上で生活する時期がある
ウ 卵の殻がかたい
エ 皮ふでも呼吸を行う

解答 :イ、エ
解説 :両生類と魚類の特徴にあてはまるものを選ぶ。(イとエ)
ア 爬虫類の特徴
ウ 鳥類や爬虫類の特徴
問題3-4:[場面1]
Yさん: 学校周辺で見つけた動物をすべて分類できたね。同じ分類の動物どうしは、多くの共通点をもっていて、からだのつくりも似ているんだね。
Nさん: そうだね。でも、コウモリは哺乳類なのに鳥類と同じように翼をもつよ。
Yさん: 確かに、考えてみると、クジラも哺乳類だけど魚類と同じようにひれをもつね。分類が異なっていても、からだのつくりが似ている例はたくさんありそうだね。
Nさん: 生物は、長い年月を経て、からだのつくりが[X]ように進化した結果、さまざまな形質をもつようになったと考えられるよ。だから、分類が異なっていても、からだのつくりが似ることがあるんだね。
問4 [X]に、生物のからだのつくりがどのように進化したのかを書きなさい。
解答 :(例)生息している環境に適する
解説 :問題文より異なる分類の生物でも、コウモリと鳥類、クジラと魚類のようにからだの作りが似ている生物がいることから、生息している環境に適するように進化していったと考える。
問題3-5:Yさんたちは、[ノート]に示した分類のしかたで、カモノハシを分類するために、その特徴を調べて生物カードにまとめました。
[生物カード2]

[場面2] Yさん:[生物カード2]をもとに、[ノート]に示した分類のしかたでカモノハシを分類すると鳥類になるね。
Nさん:でも、調べてみると、カモノハシは哺乳類に分類されるみたいだよ。この分類のしかたではカモノハシを哺乳類に分類できないね。

表は、脊椎動物の5つのなかまとカモノハシについて、共通点と相違点がわかるようにまとめたものだよ。②[ノート]を見直してカモノハシを哺乳類に分類できるようにするにはどうすればいいか、考えてみよう。
問5 下線部②について、Yさんたちはカモノハシを、タヌキ、コウモリが属する哺乳類に分類できるようにするため、次のように考えをまとめました。[Ⅲ]にあてはまる基準を書きなさい。また、[Ⅳ]にあてはまる特徴を表(※図18)のP~Tの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
『[ノート]の基準A~基準Dのうち、基準[Ⅲ]を[Ⅳ]と変更すればカモノハシを哺乳類に分類できるようになる。』


解答 :Ⅲ B 、Ⅳ S
解説 :問題文の表より、哺乳類のみの特徴が’S’の「乳の出るしくみがあること」であり、ノートでも哺乳類だけに分岐するのは基準Bである。基準Bを’S’に変更することで、’S’の特徴をもつカモノハシを哺乳類に分類できるようになる。
■大問4
問題4-1 Aさんたちは、炭酸水素ナトリウムの反応について、探究的に学習しました。問1~問5に答えなさい。
[場面1]
先生: 試験管に入れた炭酸水素ナトリウムNaHCO₃をじゅうぶんに加熱すると、二酸化炭素CO₂や水H₂Oが失われ、炭酸ナトリウムNa₂CO₃にみが残ります。では、炭酸水素ナトリウムの質量の何%が二酸化炭素や水として失われているか、実験で確かめてみましょう。まず、先生が実験してみせますね。
[1]図1のように電源を入れた電子てんびんの上に薬包紙を置いて、ゼロ点調整をします。
[2]試薬びんから薬包紙に約2gの炭酸水素ナトリウムをとり出し、その値を記録します。先生がはかりとった値は(X)2.00gちょうどでした。
[3]乾いた試験管に、はかりとった炭酸水素ナトリウムを入れます。
[4]試験管ばさみを使って、試験管に入れた試料をじゅうぶんに加熱します。①このとき試験管の口は図2のように少し下に傾けます。
[5]生じた水を完全に蒸発させるために、図3のように別の試験管ばさみに持ちかえて、試験管の口を加熱したり、再び試料を加熱したりしながら、試験管全体をじゅうぶんに加熱します。
[6]試験管をよく冷まし、薬包紙を置いてからゼロ点調整をした電子てんびんで、試験管の中の試料をすべて薬包紙にとり出して質量をはかり、その値を記録します。先生が実験で得られた値(Y)1.26g(※)でした。
では、みなさんもやってみましょう。
Aさん:([2]のとき)あ、多くとり出しすぎちゃった。まあ、大丈夫かな。
Bさん:([3]のとき)あとで試験管の中の試料をとり出さなくても、先に試験管の質量をはかっておけば、実験後に試験管ごと質量をはかれるな。
Cさん:([6]のとき)よし、先生が実験で得られた値と同じ値だ。
※波線部の部分は紫色で表しています。



問1 下線部①の操作をする理由を、水という語を使って書きなさい。
解答 :(例)生じた水が加熱部分に流れて、試験管が割れないようにするため。
解説 :実験で発生した水の逆流を防ぎ、試験管が割れるのを防いでいる。
問題4-2:問2 [場面1]の炭酸水素ナトリウムの反応で波線部(X)、(Y)の値を用いたとき、二酸化炭素や水として失われた質量は、もとの炭酸水素ナトリウムの質量の何%か、求めなさい。
解答 :37%
解説 :失われた質量=2-1.26=0.74g
よって、求める式は、0.74÷2×100=0.37×100=37%
問題4-3:Aさんたちは、[場面1]の実験で得られた値を、表1にまとめました。先生の結果が正しいものとするとき、誰の結果が正しく得られなかったか、一つ書きなさい。また、結果が正しく得られなかった理由として最も適切なものを、下のア~エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
[表1]

ア [1]で、ゼロ点調整をした後に薬包紙を電子てんびんに置いてしまったから。
イ [3]で、試験管に炭酸水素ナトリウムを多く入れすぎたから。
ウ [5]で、水を完全に蒸発しきれなかったから。
エ [6]で、試験管の中の試料をとり出さなかったから。
解答 :結果Cさんの結果
理由 ウ
解説 :問2で行ったように、AさんとBさん、Cさんの実験で得られたで割合を出す。AさんとBさんは37%と正しい割合が出ているが、Cさんは約34%と異なる。これより、Cさんの結果は正しくないといえる。
また、Cさんの結果では実験前の質量が先生の値より少ないので、実験後の質量が先生の値より小さくなるはずなのに先生の値と同じという事は、実験後の質量の中に余計なものが混入していると考えられる。選択肢より相応しいのは、ウの水を完全に蒸発しきれなかったことにより、実験後の質量の中に余計な水が含まれてしまっていると考えられる。
問題4-4:A[場面2]
先生:では、炭酸水素ナトリウムと、炭酸ナトリウムの性質を比較してみましょう。2本の試験管に水を5cm³ずつとり、一方には炭酸水素ナトリウム、もう一方には炭酸ナトリウムを1.00gずつ入れ、溶かします。次にそれぞれの水溶液に、フェノールフタレイン溶液を1滴ずつ加えます。
Bさん: やってみると、炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムでは明らかに性質が違いますね。
先生: そうですね。さて、②この炭酸ナトリウム水溶液が入った試験管に、二酸化炭素を入れて振り混ぜ、どんな化学変化が起こったのか、考えてみましょう。
問4 Bさんたちは、[場面2]の実験結果を表2にまとめて比較したところ、下線部②の操作で、炭酸ナトリウムは炭酸水素ナトリウムに化学変化したのだと考えました。この化学変化を化学反応式で表しなさい。
表2

解答 :Na₂CO₃+H₂O+CO₂→2NaHCO₃
解説 :この化学式は基本は覚える。
左のNaHCO₃の前に”2”を書くのを忘れないように注意する。
問題4-5:[場面3]
Aさん:身のまわりでは、炭酸水素ナトリウムも炭酸ナトリウムも、掃除用洗剤として使われているんですね。
先生:はい。炭酸水素ナトリウムは重曹という名称で販売されています。また、炭酸ナトリウムは、セスキ炭酸ソーダという、炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムが半量ずつ入ったものとして販売されています。
Cさん:それぞれの③洗浄効果の違いについて調べてみます。
問5 Cさんたちは、下線部③についてインターネットで調べて表3を作成し、重曹とセスキ炭酸ソーダで洗浄効果に違いが生じる理由を、次のようにまとめました。[M],[N]にあてはまることばの組み合わせとして最も適切なものを、下のア~エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
表3

『調べていくうちに、油はアルカリによって分解されることがわかった。このことから、皮脂汚れや油汚れに対しては、油が分解されることで汚れが落ちるのだと考えられる。このとき、pHの[M]セスキ炭酸ソーダの方が、効果があることがわかる。一方、鍋の焦げに対して、重曹の方が効果があるのは、重曹が比較的水に[N]、研磨剤の効果も期待できることが要因の一つと考えられる。』
ア M…より大きい N…溶けにくく
イ M…より大きい N…溶けやすく
ウ M…より小さい N…溶けにくく
エ M…より小さい N…溶けやすく
解答 :ア
解説 :[M]にはアルカリ度合が高い内容のものを選ぶ。(アルカリはpHの数の値が大きい) 炭酸水素ナトリウム(重曹)は水に溶けにくい。
■大問5
問題5-1:Kさんたちは、斜面を下る鉄球の運動について、探究的に学習しました。問1~問4に答えなさい。ただし、レールどうしはなめらかにつながっており、鉄球にはたらく摩擦や空気の抵抗は考えないものとします。
[実験1]
〈課題1〉鉄球の速さは、レール上で鉄球をはなす高さとどのような関係があるのだろうか。
【方法1】
[1]図1のように、長さ15cmのレールを7本用いてコースを組み立てた。
[2]10gの鉄球を、5cmの高さから静かに手をはなし、速さ測定器で速さを1回測定した。高さを10cm,15cmと変えて、同様の操作を行った。図1

問1 図2は、斜面上の鉄球にはたらく重力を矢印で表したものです。この重力について、斜面に垂直な方向と斜面に平行な方向に分解した2つの力を、定規を用いて矢印で表しなさい。
図2

解答 :
解説 :斜面に垂直な矢印と斜面に平行な矢印を書く。
図

問題5-2:[実験1]で鉄球が斜面を下っているとき、鉄球にはたらく斜面に平行な方向の分力の大きさは、時間の経過とともにどうなりますか。最も適切なものを、次のア~エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
ア 小さくなる。
イ 変化しない。
ウ 大きくなる。
エ 大きくなったあと一定になる。
解答 :イ
解説 :斜面自体は変化していないので、「変化しない」。
問題5-3:[実験1の続き]
【結果1】

[会話]
Kさん:わたしは、【結果1】から測定値を記入し、図3のように、原点を通って、上下に測定値の点が同程度に散らばるように、直線のグラフをかいたよ。
Mさん:ぼくは、図4のように、原点を通って、なるべく測定値の点の近くを通るように、曲線のグラフをかいたよ。
Kさん:(①グラフが直線になるか曲線になるかを判断するには、追加で実験を行う必要があるね。)
図3

こまごめピペットの使い方

問3 下線部①のために、[実験1]に追加すべき実験内容として最も適切なものを、次のア~エの中から一つ選び、その記号を書きなさい。
ア 【方法1】の[2]を3回切り返し、平均を求める。
イ 鉄球の質量を20gにかえて、【方法1】の[2]を行う。
ウ 鉄球をはなす高さを2.5cm,7.5cm,12.5cm,17.5cmにして、【方法1】の[2]を行う。
エ 斜面の傾きを大きくして、鉄球をはなす高さは、5.0cm,10.0cm,15.0cmとしたまま、【方法1】の[2]を行う。
解答 :ウ
解説 :
ア 同じ方法で実験を繰り返しても実験の結果は変わらない。
イ 重さを変えても、鉄球をはなす高さが変わらない限り結果は変わらない。
ウ 鉄球をはなす高さを変えれば、位置エネルギーから変換される運動エネルギーが増えるため実験結果は変わる。
エ 斜面の傾きを大きくしても結果は変わらない。
問題5-4①:Kさんたちは、コースの形を変えることで鉄球の運動にどのような違いが生じるかに興味をもち、2つのコースで実験を行いました。
[実験2]
〈課題2〉コースの形を変えることで、鉄球の速さに違いが生じるのだろうか。
【方法2】
[1]図5のように、[実験1]で用意したコース1とし、コース1の点C、点Dの高さを変えて、それぞれを点C’、点D’としたコース2の2つのコースを用意した。
[2]10gの鉄球を、コース1、コース2それぞれの点Aから同時に静かに手をはなし、速さ測定器で速さを測定した。
水の屈折による文字の見え方

【結果2】
・コース1、コース2の②速さ測定器を通過したときのそれぞれの鉄球の速さは同じであった。
・コース2の鉄球より、③コース1の鉄球の方が先に速測定器を通過した。
問4 [実験2]について、次の⑴、⑵に答えなさい。ただし、点Fを含む水平面を高さの基準とします。
⑴下線部②の理由を、位置エネルギー、点Fという語を使って説明しなさい。
解答 :(例)両コースの点Aにある鉄球がもっている位置エネルギーの大きさは同じで、コースは違っても点Fでは、すべての位置エネルギーが運動エネルギーに移り変わり、運動エネルギーの大きさが同じになるから。
解説 :位置エネルギーは高さに関係している。位置エネルギーから変換される運動エネルギーはFの位置では高さが両コースとも0cmなので同じになる。
問題5-4②:⑵Kさんたちは、下線部③の理由を、次のようにまとめました。[Ⅰ]にあてはまる区間を書きなさい。また、[Ⅱ]にあてはまることばを、運動エネルギー、速さという語を使って書きなさい。
『水平面では鉄球の速さが変化しないとすると、速さの変化のしかたが同じ区間は、両コースのAB間、EF間、コース1のBD間とコース2のC’E間である。そのため、比較すべき区間はコース1のDE間とコース2の[Ⅰ]間となる。コース1の鉄球の方が先に速さ測定器を通過したのは、コース2の[Ⅰ]間よりコース1のDE間の鉄球の方が、[Ⅱ]ためだと考えられる。これは、[Ⅰ]間の速さを測定することで確かめることができる。
解答 :Ⅰ BC’ 間 Ⅱ (例)運動エネルギーが大きくなり、速さが大きくなる
解説 :[Ⅰ]問題文にあるコース2の中のAB間、EF間、C’E間以外の部分となる。→BC’間 [Ⅱ]コース1のDE間とコース2のBC’間の時のそれぞれの運動エネルギーが異なり、コース1のDE間の方が大きい。