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令和7年度_学力検査問題過去問【北海道】- 社会
■目次
大問1
大問2
大問3
大問4
■大問1
問1(1):次の問いに答えなさい。
略地図1を見て、次の(1)、(2)に答えなさい。

略地図1のA~Dの線は4つの経線を示しており、そのうちの1つは、本初子午線と呼ばれる経度0度の経線です。経度0度の経線をA~Dから選びなさい。
解答 : A
解説 : 経度0度である本初子午線は、イギリスのグリニッジ天文台跡を通るので、選択肢Aが適当である。
Bの経線は日本の兵庫県のあたりを通っているので、東経135度だと考えられる。また、Cは経度180度の経線だとみてとれる。

問1(2):グラフは、略地図1の①~④のいずれかの国の輸出総額の内訳を示したものであり、モノカルチャー経済の特徴が読み取れます。このグラフに当てはまる国を、略地図1の①~④から選びなさい。また、モノカルチャー経済とはどのような経済ですか、簡単に書きなさい。

解答 : 記号 ②
説明 特定の鉱産資源や農産物に頼った経済。
解説 : まず①~④のそれぞれの国を確認すると、①がドイツ、②は韓国、③はボツワナ、④はメキシコである。
モノカルチャー経済とは、国の経済が小麦、石油、鉄鉱石など単一の一次産品や資源の生産、輸出に大きく依存している状態、経済のことである。これは発展途上国に多い。代表的な国と生産品の組み合わせとして、スリランカのお茶、キューバの砂糖、サウジアラビアの石油などがある。
グラフを見ると、ダイヤモンドの輸出総額で80%を超えている状態である。①~④の国でダイヤモンドで有名なのは選択肢③のボツワナである。
よって、③が適当である。
問2(1):次の(1)~(3)に答えなさい。
資料1は、ある新聞記事の見出しと本文の一部です。次の[ ]に当てはまる語句を答えなさい。

※写真は載っていませんでした。
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ユネスコは27日、国の特別史跡「三内丸山遺跡」(青森市)をはじめとした「北海道・北東北の[ ]遺跡群」を世界文化遺産に登録することを決めた。
[ ]時代は日本独自の時代区分。「農耕・牧畜」と定住がほぼ同時に始まった世界の他地域とは異なり、[ ]時代の人々は獣や魚、果物などをとって食べる「狩猟・採集・漁労」の生活をしながら、1カ所に定住するようになった。
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解答 : 縄文
解説 : 三内丸山遺跡は、青森県にある重要な縄文時代の遺跡である。竪穴住居やお墓など、人々が定住していた証拠がたくさん残されている。また、今の北海道や新潟県など、別の地域の人たちと交易していた証拠も見つかっている。
よって、[ ]に当てはまるのは縄文が適当である。
縄文時代とは、日本列島における時代区分の一つである。縄文土器に代表される土器文化が始まり、狩猟、漁労、植物採集を中心とした定住生活を行っていた。
問2(2):次の文の{ }に当てはまる語句を、ア、イから選びなさい。また、[ ]に当てはまる語句を書きなさい。
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16世紀の初め、ヨーロッパでは、{ ア キリスト教 イ イスラム教 }のカトリック教会においてローマ教皇が資金を集めるための免罪符の販売を認めると、ドイツのルターがローマ教皇やカトリック教会を批判し、[ ]が始まった。こうした[ ]とよばれる動きは、スイスでも起こった。
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解答 : 記号 ア 語句 宗教改革
解説 : { }について。
16世紀のヨーロッパで、カトリック教会の宗教なので、選択肢アのキリスト教が適当である。
因みにイスラム教徒が多い地域は、中東、北アフリカ、南アジア、東南アジア、中央アジアなどである。
[ ]について。
「カトリック教会においてローマ教皇が資金を集めるための免罪符の販売を認めると、ドイツのルターがローマ教皇やカトリック教会を批判し」たことを、宗教改革という。そのため、[ ]には宗教改革が適当である。
宗教改革は、免罪符販売や教会の腐敗を攻撃したことが発端で、スイスのカルヴァン、イギリスのヘンリー8世などによって、ヨーロッパ各地で改革が展開された。
問2(3):次の文の[ ]に当てはまる人の名を書きなさい。また、{ }に当てはまるものを、ア、イから選びなさい。

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明智光秀を倒して織田信長の後継者となった[ ]は、略地図2の{ ア X イ Y }の場所に城を築き、全国統一の拠点とした。
また、[ ]は、太閤検地や刀狩りなどの政策を行った。
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解答 : 人の名 豊臣秀吉 記号 ア
解説 : [ ]について。
「明智光秀を倒して織田信長の後継者となった」人物は、豊臣秀吉である。よって、[ ]には豊臣秀吉が適当である。
また、明智光秀によって織田信長が襲撃された事件を本能寺の変という。
{ }について。
略地図2のXは現在の大阪府の辺り、Yは東京都のあたりである。豊臣秀吉が築いたのは大坂城で、現在の大阪府なので、選択肢Xが適当である。
〇豊臣秀吉の政策
・太閤検地:日本初の全国規模の土地調査政策で、土地の面積と生産量を測り、年貢を徴収する基礎となる石高を統一した。
・刀狩り:百姓や寺社から武器を取り上げた政策のことである。農民の一揆を防止し、農業に集中させ、兵農分離を進めた。
問3(1):次の(1)~(3)に答えなさい。
次の文の[ ]に当てはまる語句を書きなさい。
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写真は、天皇が最高裁判所長官を任命する親任式の様子である。最高裁判所長官の任命は、天皇が行う[ ]の一つである。
天皇が[ ]を行うときは、内閣の助言と承認が必要である。

※写真は載っていませんでした。
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解答 : 国事行為
解説 : 最高裁判所長官の任命は、天皇の国事行為の1つである。よって、[ ]には、国事行為が適当である。
国事行為とは、天皇が内閣の助言と承認に基づき、国民のために行う憲法に定められた行為のことである。具体的には、以下のようなものがある。

問3(2):次の文の[ ]に当てはまる語句を書きなさい。
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日本国憲法は、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」と定めている。
このことに関して、例えば、2019年に、[ ]の人々が日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族であることを明記し、[ ]の人々が民族としての誇りをもって生活することができ、その誇りが尊重される社会の実現を目指して[ ]施策推進法([ ]民族支援法)が制定された。
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解答 : アイヌ
解説 : 「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」とは、日本国憲法第14条第1項の条文である。基本的人権の一つで、平等権と呼ばれるものである。
「とりわけ北海道の先住民族」という部分から、アイヌ民族の人々について書かれた文章だと考えられる。
問3(3):わが国の裁判所の権限の一つである違憲審査権とは、どのような権限ですか。「法律」という語句を使い、簡単に書きなさい。
解答 : 法律などが憲法に違反していないか判断する権限。
解説 : 違憲審査権とは、漢字の通り、憲法に違反していないか審査する権利のことである。具体的には、国会で審議され成立した法律が、憲法に違反していないかチェックするもので、全ての裁判所が持っている権限である。
問4(1):スライドの[ ]に当てはまる県の名を書きなさい。また、その県を、略地図3のA~Eから選びなさい。


解答 : 県の名前 大分県 記号 C
解説 : [ ]県は、スライドによると、九州地方の東にあって瀬戸内海に面しており、火山のめぐみを活かした温泉や地熱発電などがあることがわかる。よって、大分県で、選択肢Cだとわかる。
問4(2):スライドは、どのような問いから考察されたものだと考えられますか、最も適当なものをア~エから選びなさい。

ア 九州地方の伝統文化は、人々にどのように受け継がれているのだろうか。
イ 九州地方の都市や農村は、人口の変化からどのような影響を受けているのだろうか。
ウ 九州地方の自然環境は、人々の生活や産業にどのように生かされているのだろうか。
エ 九州地方での交通網の整備は、人々の生活をどのように変化させたのだろうか。
解答 : ウ
解説 : スライドのタイトルは、「火山のめぐみを利用する」と書かれている。また、立地の特徴や火山について書かれている。ここから、自然環境とその活用についてまとめたスライドだと考えられ、最も適当なものは選択肢ウだとわかる。
問5:日本固有の領土である北方領土のうち、略地図4のX、Yの島の名の組み合わせとして正しいものを、ア~エから選びなさい。

ア X-国後島 Y-色丹島
イ X-国後島 Y-歯舞群島
ウ X-択捉島 Y-色丹島
エ X-択捉島 Y-歯舞群島
解答 : ウ
解説 : 略地図4のXは択捉島、Yは色丹島である。よって、選択肢ウが適当である。

問6(1):次の(1)、(2)に答えなさい。
資料2、3は、ある中学生が、明治時代初期の文化について調べた際に収集したものです。次の文の[ ]に当てはまる、この時期の風潮を表す語句を書きなさい。

※写真は載っていませんでした。
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2つの資料からは、近代化の政策をきっかけとして、西洋(欧米)の文化や生活様式が取り入れられて、伝統的な生活様式が変化し始めた頃の[ ]と呼ばれる風潮が共通して読み取れる。
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解答 : 文明開化
解説 : 明治時代において、西洋の文化や生活様式が取り入れられて、伝統的な生活様式が変化し始めた風潮のことを文明開化という。牛鍋はその代表的なものである。よって、[ ]には文明開化と入れるのが適当である。
文明開化の他の例としては、洋装、ざんぎり頭、西洋料理、ガス灯、ランプ、馬車、人力車、洋風建築、太陽暦の採用などが挙げられる。
明治維新が政治的な改革とそれによる社会の変化のことであるのに対し、文明開化はおもに都市において伝統的な生活が変化していったことである。
問6(2):資料4、5は、1951年のサンフランシスコ平和条約の締結からある年までの沖縄の状況を示したものです。資料4、5から共通して読みとれる、この期間の沖縄の状況を簡単に書きなさい。

解答 : アメリカの統治下に置かれていた。
解説 : サンフランシスコ平和条約は、第二次世界大戦後の日本と連合国48カ国との間で結ばれた平和条約である。この条約によって連合国による占領が終了し、日本は主権を回復して国際社会に復帰した。
沖縄は第二次世界大戦後、アメリカ軍の統治下におかれていて、その状況は日本本土の主権回復後も続いていた。1950年の朝鮮戦争のころから軍事施設が拡大され、本土に行くためにパスポートが必要になるなど、引き続き支配下に置かれた。沖縄が日本に返還されたのは、1960年代の祖国復帰運動を経て1972年になってからである。
問7(1):次の(1)、(2)に答えなさい。
図は、ある中学生が、株式会社のしくみについて調べ、まとめたものです。図の[ ① ]、[ ② ]に当てはまる語句を、ア~オからそれぞれ選びなさい。

ア 金利 イ 株主 ウ 株価 エ 配当 オ 取締役
解答 : ① イ ② エ
解説 : [ ① ]について。

問題の図より、[ ① ]は「株式を買って持っている人」のことなので、選択肢イの株主が適当である。
[ ② ]について。
この矢印は、出た利潤の一部を、株式会社が株主に配ることなので、選択肢エの配当が適当である。
他の選択肢についても整理する。
ア 金利 お金を貸し借りするときに生じる、利息の元本に対する割合のこと。
ウ 株価 会社が発行する株式の値段のこと。
オ 取締役 業務執行に関する会社の意思を決定する機関、取締役会の会員のことである。 取締役は、すべての株式会社に必ず置かなければならない。
問7(2):資料6、7は、ある中学生が、日本の国際貢献について調べた際に収集したものです。日本政府による、このような技術や資金の協力のことを何といいますか、書きなさい。
解答 : 政府開発援助(ODA)
解説 : 日本政府による、技術や資金の協力というかたちの国際貢献のことを、政府開発援助という。これは、開発途上国の経済や社会の発展、国民の福祉向上を目的としたものである。
■大問2
問1:次のカードA~Eは、ある中学生が、わが国の歴史と関わりの深い船についてまとめたものです。これらのカードを見て、問いに答えなさい。

※写真は載っていませんでした。
表は、中学生が、カードA~Eを、わが国における歴史の時代区分とカードにまとめた内容によって分類するために作成したものです。カードA~Dは、表のア~ケのどこに当てはまりますか、それぞれ選びなさい。

解答 : A エ B ク C イ D カ
解説 : まずはそれぞれのカードの出来事について整理する。
カードAは、日露戦争で活躍した戦艦であり、これは明治時代のことである。
カードBについては、「鎖国政策」や「長崎に来航した中国の船」といった記述から、江戸時代の出島に関する説明だとわかる。
カードCは、「蒙古襲来絵詞」や「元軍」などの部分から、鎌倉時代の蒙古襲来についての記述だとわかる。
カードDに関しては、「遣唐使」や「鑑真」という言葉に着目する。ここから、奈良~平安時代の説明だと考えられる。
カードEは、「高度経済成長期」とあるので、昭和時代の第二次世界大戦後の記述だとわかる。
上に整理したことを踏まえて、カードAは近代の戦争のため選択肢エ、カードBは近世の交流・交易なので選択肢クだと判断できる。また、カードCは中世の戦争なので選択肢イ、カードDについては古代の交易・交流のため選択肢カとわかる。
問2:資料1~3は、カードAに関して中学生が収集したりまとめたりしたものです。資料1~3から読み取れることをふまえ、次の文の[[ ]]に当てはまる内容を書きなさい。

※写真は載っていませんでした。

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講和条約締結後、日比谷焼き打ち事件と呼ばれる暴動が起こったのは、[[ ]]ためと考えられる。
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解答 : 税負担が増え、戦費や死傷者が日清戦争に比べて多かったにもかかわらず、賠償金が得られなかった。
解説 : カードAは、明治時代に、日露戦争で活躍した戦艦についての写真と説明である。
日比谷焼き打ち事件は、この戦争後のポーツマス条約を受けて起こったものである。この条約で日本は、①韓国に対する日本の指導権、②旅順・大連の租借権と長春以南の東清鉄道、③北緯50度以南の樺太領有、の3つを得ている。しかし、期待していた賠償金を得ることができず、日本国民の間に不満が広がり、一部で暴動が発生した。この一つが日比谷焼き打ち事件である。
[[ ]]には、この暴動の理由が入るので、「税負担が増え、戦費や死傷者が日清戦争に比べて多かったにもかかわらず、賠償金が得られなかった」といった内容を書ければよい。
問3:グラフと資料4、5は、カードBに関して中学生が収集したりまとめたりしたものです。グラフと資料4、5をふまえ、田沼意次の政策を、政策の背景と目的にふれて、説明しなさい。

※写真は載っていませんでした。

解答 : 幕府の年貢収納高が減少していたことを背景に、幕府の収入を増やすため、株仲間の公認や輸出を拡大する政策を行った。
解説 : カードBは、江戸時代の出島と、そこで行われていた貿易に関する説明である。
まずグラフを見ると、田沼意次が政治を行ったのは、享保の改革と寛政の改革の間の時期である。この時期、幕府の年貢収納高は減り続けていて、それの増加を目指した政策が資料4、5と考えられる。
次に資料4から、田沼意次が推奨した株仲間は、同業者組織で、一定の税と引き換えに商品の独占権を得たことがわかる。資料5は、いりこや干しあわびなどを中国に輸出することを推奨した内容である。
よって、「幕府の年貢収納高が減少していたことを背景に、幕府の収入を増やすため、株仲間の公認や輸出を拡大する政策を行った。」といった内容が書けていればよい。
問4(1):カードCに関して、生徒と先生との次の会話を読んで、(1)、(2)に答えなさい。

※写真は載っていませんでした。
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生徒:元寇では、多くの船が日本に襲来したんですよね。
先生:そうですね。襲来前に、フビライは服属を求める文書を幕府に送ってきましたが、幕府がこれを拒否したため、元軍だけでなく、服属させた[ ]からも兵を送ってきました。
生徒:元軍が日本に遠征軍を送ったのは二度だけですか。
先生:フビライは、三度目の日本遠征を計画していましたが、フビライの死により中止になりました。では、元寇後の東アジアの状況について、調べてみましょう。
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[ ]に当てはまる国の名を、ア~エから選びなさい。
ア 高句麗 イ 新羅 ウ 高麗 エ 朝鮮
解答 : ウ
解説 : カードCは、鎌倉時代の蒙古襲来についての記述である。
[ ]に当てはまるのは、元が服従させた国の人々で構成された軍である。よって、選択肢ウが適当である。
他の選択肢についても整理する。

ア 高句麗…紀元前1世紀から7世紀にかけて、現在の中国東北部から朝鮮北部に存在した国家。
イ 新羅…4世紀半ば、朝鮮の三国時代に朝鮮半島の東南部を支配した国。
エ 朝鮮…1392年に李成桂が高麗を滅ぼし、建国した国である。
問4(2):下線部 について、資料6を参考にし、元寇後の東アジアの状況を説明した分として適当なものをa~eから2つ選んだとき、組み合わせとして正しいものを、ア~カから選びなさい。

※写真は載っていませんでした。
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生徒:元寇では、多くの船が日本に襲来したんですよね。
先生:そうですね。襲来前に、フビライは服属を求める文書を幕府に送ってきましたが、幕府がこれを拒否したため、元軍だけでなく、服属させた[ ]からも兵を送ってきました。
生徒:元軍が日本に遠征軍を送ったのは二度だけですか。
先生:フビライは、三度目の日本遠征を計画していましたが、フビライの死により中止になりました。では、元寇後の東アジアの状況について、調べてみましょう。
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資料6
1976年早春、韓国南西部の新安沖で沈没船が確認された。海底からは、14世紀の青磁や白磁といった中国の陶磁器類2万点、銅銭800万枚、金属製品700点などに加え、日本のげたや刀、木簡なども見つかっている。
発見された木簡は、船荷の所有者や商品名などを表す荷札だった。京都の「東福寺」や博多の「筥崎(宮)」と記された木簡とともに、「八郎」「道阿弥」といった名もあった。中世東アジア諸地域の交流は、海商や僧侶だちが主導した。この船は神社仏閣のほか多くの商人が資本を出し合って仕立てた船でもあるようだ。荷札などから、この船は14世紀初めの中国元代の貿易船であることがわかった。 (新聞記事より作成)
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a 陶磁器類は、日本の主要な輸出品となっていた。
b 日本は、中国から輸入した銅銭を使用していた。
c 日本の神社仏閣は、交易には関わらなかった。
d 幕府が主導する交易が行われていた。
e 商人らによる民間の交易が行われていた。
ア a, c イ a, d ウ a, e
エ b, c オ b, d カ b, e
解答 : カ
解説 : 資料6より、14世紀は日本では鎌倉時代末から室町時代初期である。加えて、「八郎」「道阿弥」といった言葉から、これは室町時代のことだとわかる。
室町時代、中国では明王朝が栄えており、勘合符を使った勘合貿易が行われていた。この貿易のは室町幕府3代将軍の足利義満が開めたもので、日本からの朝貢とそれに対する明からの返礼品を交換するという、朝貢貿易のかたちをとっていた。足利義満の時代は幕府が独占しようとしたが、後期には民間貿易が増加し、主に堺証人と博多商人が活躍した。
貿易品としては、日本からは刀剣、扇、漆器などを輸出し、明からは銅銭、絹織物、書画、陶磁器などを輸入していた。

選択肢aについて、陶磁器類は日本が明から輸入していたものなので不適当。選択肢cは、神社仏閣も含め民間人も交易に関わっていたので不適当。選択肢dに関しては、足利義満の時代には朝貢というかたちで幕府が交易・外交を独占しようとしたが、後期には民間貿易の方が多くなった。そのため不適当である。選択肢b、eは適当である。
以上より、選択肢カが適当である。
問5:カードDに関して、遣唐使が派遣されていた期間のできごととして正しいものを、ア~エから1つ選びなさい。

※写真は載っていませんでした。
ア 座禅によって自分でさとりをひらく禅宗が、栄西らによって伝えられた。
イ 仏教は国を守る力をもつと考えられ、東大寺の大仏がつくられた。
ウ 仏教を政治のよりどころにした聖徳太子によって、法隆寺が立てられた。
エ 極楽浄土に生まれ変わることを願う浄土信仰(浄土の教え)が広がり、平等院鳳凰堂が立てられた。
解答 : イ
解説 : 問題文の「遣唐使が派遣されていた期間」とは、630年から894年までのことである。この期間は、飛鳥時代から奈良時代、平安時代にかけてである。
それぞれの選択肢の記載について整理する。
選択肢ア…座禅、禅宗や栄西といった言葉に着目すると、これは鎌倉時代のことである。禅宗は栄西と道元によって日本に本格的に伝来し、広まった。
選択肢イ…東大寺の大仏は、奈良時代に聖武天皇の命によって造営された。また、「仏教が国を守る力をもつ」というのは、鎮護国家の考えのことである。
選択肢ウ…聖徳太子や法隆寺といった言葉から、これは飛鳥時代のことだとわかる。聖徳太子は、遣隋使の派遣も行っている。
選択肢エ…極楽浄土や浄土信仰、平等院鳳凰堂といった言葉より、平安時代についての記述だとわかる。平等院鳳凰堂は、藤原道長の息子である藤原頼通によってつくられた。
以上の内容を踏まえて、選択肢イが適当だと考えられる。
問6(1):カードEに関して、次の(1)、(2)に答えなさい。

※写真は載っていませんでした。
資料7は、内閣府が行った、1954年度の「国民生活に関する世論調査」の一部をまとめたものです。内閣府が15年後の1969年度に同様の質問で行った世論調査の結果を表しているグラフを、ア~エから選びなさい。


解答 : ア
解説 : カードEは、昭和時代の第二次世界大戦後の、高度経済成長期に関する記述である。
よって、資料7の1954年の世論調査と1969年のものを比較した場合、1969年のものには高度経済成長の影響が見て取れると考えられる。経済の成長を受けて、人々は「中流意識」を持つようになり、これは一応総中流と言われた。
ここから、グラフの「中の中」や「中の上」、「中の下」の部分が増加していると推測できる。よって、選択肢アが適当だと考えられる。
選択肢イは「下の上~下の下」が増加しており、また選択肢ウとエは、「上の上~上の下」が増加しているため、どれも「中流意識」と合わないため不適当。
問6(2):高度経済成長期のわが国でおきたできごとを示したものとして、当てはまらないものを、ア~エから1つ選びなさい。

※写真は載っていませんでした。

※写真は載っていませんでした。
解答 : エ
解説 : 高度経済成長期は、様々な面で変化が起きた時期であった。
生活面では、洗濯機・冷蔵庫・白黒テレビの「三種の神器」が一般家庭に広がり、高度経済成長後期には3Cと呼ばれるカラーテレビ・クーラー・自家用車が普及した。また、肉類や乳製品の消費が増加した。
また、都市への人口集中と農村の過疎化、公害問題の発生、自然破壊などが進んだ。家族関係も、父母と子どもという近代家族のかたちが多くなった。
よって、高度経済成長期のできごととして当てはまらないものは、選択肢エである。映画が登場したのは19世紀後半のことで、第二次世界大戦より前のことである。
選択肢ウの東海道新幹線の開通は、東京オリンピックと同じ1964年のことであり、これは高度経済成長期のことである。
■大問3
[A]問1:次の[A]、[B]に答えなさい。
略地図を見て、次の問いに答えなさい。

先生と生徒との次の会話を読んで、[ ① ]に当てはまる地域を略地図のA~Cから[ ③ ]に当てはまる地域を略地図のⅠ~Ⅲから、それぞれ選びなさい。また、②、④から{ }に当てはまる語句を、それぞれア、イから選びなさい。
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先生:写真1を見てください。
生徒:アメリカで見られるセンターピボット方式の円形のうちですね。
先生:そのとおりです。しかし、この写真はアメリカで撮られたものではありません。どの地域で撮られたものだと思いますか。
生徒:略地図の[ ① ]の地域ではないでしょうか。この方式は、②{ ア 乾燥している イ 湿度が高い }地域で行われることから判断しました。
先生:そのとおりです。それでは、写真2はどうでしょうか。
生徒:アメリカのフィードロットですね。
先生:確かにフィードロットですが、実はこの写真もアメリカで撮られたものではありません。どの地域で撮られたものだと思いますか。
生徒:[ ③ ]の地域ではないでしょうか。アメリカも[ ③ ]の地域も、④{ ア 混合農業 イ 畜産 }が盛んであり、多くの国々へ牛肉を輸出していることから判断しました。
先生:そのとおりです。世界の様々な場所で同じような特徴の農業が営まれていることがわかりましたね。

※写真は載っていませんでした。
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解答 : [ ① ] B {②} ア [ ③ ] Ⅲ {④} イ
解説 : 〇センターピボット方式
…地下水をポンプでくみ上げ、スプリンクラーで自動的に散水する灌漑方法のこと。降水量が少なく乾燥した地域で、大規模な農業を可能にするシステムで、特にアメリカのグレートプレーンズなどの広大な乾燥地帯で発達した。
[ ① ]について。
まずは、A~Cそれぞれの地域について確認すると、Aはフランス、Bはサウジアラビア、Cはブラジルと見て取れる。センターピボット方式は、降水量が少なく乾燥した地域で大規模な農業を行うための灌漑なので、選択肢Bが適当である。
{②}について。
選択肢を見ると、センターピボット方式は乾燥した地域で行われるものなので、選択肢アが適当である。
〇フィードロット
…狭い敷地内に肉牛を閉じ込めて、トウモロコシや大豆、フィッシュミールのような栄養価の高いものを与えて、短期間で成長させる方法である。これは、肉牛の生産が盛んな、アメリカやオーストラリアなどでよく行われている。また、牛の供給地と穀物供給地が近接していることが多い。
[ ③ ]について。
Ⅰ~Ⅲのそれぞれの地域について確認すると、Ⅰはデンマーク、Ⅱはモンゴル、Ⅲはオーストラリアと見て取れる。
このうち肉牛の生産の盛んな地域は、選択肢Ⅲのオーストラリアが適当である。
{④}について。
フィードロットは畜産の方法の一つなので、選択肢イが適当である。
選択肢アの混合農業は、小麦などの作物を栽培すると同時に、豚や牛などの家畜を飼育する農業のことである。これは、主にヨーロッパ中緯度地域で広く見られるものである。
[A]問2:資料1は、略地図のモルディブに関する新聞記事をまとめたものです。モルディブがこのような政策を行っている理由を、グラフから読み取れる情報を使い、この国の抱える地球規模の環境課題にふれて説明しなさい。


※写真は載っていませんでした。
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インド南端から南西に約600㎞の地点にある小さな島国であるモルディブを訪ねた。首都マレの北東、フェリーで約15分のところにある人工島「フルマーレ」(写真3)は、広さが約4㎞²で、環礁の内側に海底から浚渫した砂を積み上げて建設されており、平均標高は首都マレよりも1m高い約2mである。現在、人工島の広さを2倍にし、2050年ごろまでに集合住宅や商業施設を整備して、総人口の約3分の2にあたる最大24万人が住めるようにする大プロジェクトが進んでいる。(新聞記事より作成)
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解答 : 地球温暖化の影響による海面上昇にともなう浸水などの被害を防ぐため。
解説 : 略地図より、モルディブはインド洋にある島国だとわかる。資料1からわかることは、島を人工的に建設していること、その島の面積を広げる計画があることである。世界の年平均気温の推移のグラフからは、徐々に平均気温が上がっていることが見て取れ、問題文の「地球規模の環境問題」という点から考えると、地球温暖化による海面上昇という課題だと考えられる。
よって、モルディブがこのような政策を行っている理由は、「地球温暖化の影響による海面上昇にともなう浸水などの被害を防ぐため。」といった内容が書けていればよい。
[A]問3:写真4は、略地図のイタリアで見られる家の写真です。また、資料2は、こうした家が見られる地域の気候や農業の特徴をまとめた文です。写真4に見られる家の工夫とその効果を、資料2をふまえて説明しなさい。

※写真は載っていませんでした。
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資料2
この地域では、夏に乾燥し日ざしが強いという気候から、オリーブや、オレンジなどのかんきつ類が栽培されている。
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解答 : 窓を小さくすることで、夏の暑い日差しをさえぎり、家の中を涼しく保つことができる。
解説 : まず、イタリアは地中海性気候で、夏は高温乾燥、冬は温暖で雨が降るという特徴がある。そのため、家は日差しを入れないために窓が小さいという特徴がある。
よって、「窓を小さくすることで、夏の暑い日差しをさえぎり、家の中を涼しく保つことができる。」といった内容が書ければよい。
[B]問1:略地図を見て、次の問いに答えなさい。

表のa~dには、略地図の(あ)~(え)の府県のいすれかが当てはまります。(う)と(え)が当てはまるものを、a~dからそれぞれ選びなさい。

解答 : (う) c (え) a
解説 : まず、(あ)から(え)のそれぞれの県から整理する。(あ)は宮城県、(い)は神奈川県、(う)は長野県、(え)は大阪府である。
表を見ると、aとdの2県の人口が多いと見て取れる。これは、4県のうちの大阪府と神奈川県だと考えられる。この2つのうち、外国人延べ宿泊者数の項目の差が大きく、大阪府の方が観光客が多いと考えられるので、aは大阪府、dは神奈川県だと推測できる。
水力発電の電力量は長野県が最も多いので、cは長野県だとわかる。よって、残ったbは宮城県だと考えられる。
したがって、(う)の長野県はc、(え)の大阪府はaだとわかる。
[B]問2 資料1は、中学生Aさんが、略地図Xの県にある世界遺産(文化遺産)を構成するある施設についてまとめたものです。これを見て、(1)、(2)に答えなさい。


※写真は載っていませんでした。
資料1の[ ]に当てはまる語句を答えなさい。
解答 : 富岡
解説 :略地図のXは、群馬県である。 群馬県の世界遺産で、製糸場の名前なので、これは富岡製糸場だとわかる。よって、[ ]には富岡と入れるのが適当である。
[B]問2 (2):地形図の地点Zは、写真の施設の場所を示しています。地形図を見ると、この施設の周囲には、現在の地形図では使われていない地図記号が多く見られます。この地図記号が示している土地で栽培されていた作物として正しいものを、ア~エから選びなさい。

※写真は載っていませんでした。
※問題文の地図記号が活字として出せなかったので、画像にしています。

ア 茶 イ 小麦 ウ 桑 エ 綿花
解答 : ウ
解説 : 地図中の地点Zにあった施設は、(1)でわかった富岡製糸場である。
富岡製糸場は、明治5年に設立された、日本初の官営製糸工場である。国内養蚕・製糸業を世界一の水準に引き上げ、生糸の大量生産が可能になり、この生糸は重要な輸出品となった。
この生糸とは蚕が作る繭から得られる天然繊維のことであり、絹織物の原料である。
資料1より、富岡製糸場の周囲では蚕の飼育を行っていたことがわかり、蚕に与える食料として桑が育てられていたと推測できる。よって、選択肢ウが適当である。
[B]問3(1):中学生Bさんは京都市の観光について調べ、レポートにまとめました。レポートを見て、(1)、(2)に答えなさい。

※写真は載っていませんでした。
考察(ウ)が、京都市内の建築物に高さやデザインなどの制限が設けらている理由となるように、[[ ]]に当てはまる内容を書きなさい。
解答 : 伝統的な景観を守る
解説 : 考察(ウ)の文章で、「建物の高さやデザインなどを制限している」と書かれているので、景観条例、政策に関する記述だとわかる。これは、地域固有の歴史的・文化的価値を保護し、美しく魅力的な街並みを守るための政策である。
よって、「伝統的な景観を守る」といった内容が書けていればよい。
[B]問3(2):資料2、3は、Bさんが下線部 について調べるために収集した資料の一部です。京都市がこのような資料を作成したねらいを、「住民」、「観光客」という語句を使い、説明しなさい。

※写真は載っていませんでした。

※写真は載っていませんでした。
解答 : 住民の生活を守りながら、観光客の利便性を保つこと。
解説 : 下線部の内容は「観光客が増えることによって生じる課題」である。レポートの[考察]の部分から、京都は観光都市として発展し、観光客が増え続けているとBさんが考えていることがわかる。このような状況において、資料2、3より、京都市は住民も観光客にも便利な交通、環境を整備しようとしていることがわかる。
よって、「住民の生活を守りながら、観光客の利便性を保つこと。」といった内容が書けていればよい。
■大問4
問1:資料1は、ある中学校の社会科の授業で、生徒たちが班ごとに設定した、探究するための課題をまとめたものです。これを見て、次の問いに答えなさい。

下線部(あ)について、グラフは、消費税と所得税の税収の推移をそれぞれ示したものであり、資料2は消費税の税率を示したものです。グラフと資料2を読み取り、次の文の①、②の{ }に当てはまる語句を、それぞれア、イから選びなさい。

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グラフで消費税を表しているのは、資料2から考えると、①{ ア X イ Y }と判断できる。また、グラフより、消費税による税収は、景気の変動に、②{ ア 左右されやい イ 左右されにくい }という特徴が読み取れる。
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解答 : ① イ ② イ
解説 : ①について。
資料2より、消費税の税率は1989年に導入され、1997年、2014年、2019年に引き上げられている。この税率の引き上げが現れているグラフは、Yの方である。よって、選択肢イが適当である。
②について。

消費税の税率がYなので、Xのグラフは所得税であることがわかる。所得税は、会社員の給料や商売の収入に応じて課される税であり、この変化は景気の変動を反映していると考えられる。所得税のXのグラフと比較して、消費税のYのグラフは変化が小さいことが見てとれる。よって、「左右されにくい」の選択肢イが適当である。
問2:下線部(い)に関して、表は、日本国憲法で保障された人権の内容と、公共の福祉によって人権が制限される例についてまとめたものです。[ ① ]~[ ④ ]に当てはまるものを、ア~エから選びなさい。


ア 公務員のストライキの禁止
イ 不備のある建築の禁止
ウ 感染症による入院措置
エ 選挙運動の制限(不当な選挙運動の禁止)
解答 : ① エ ② ウ ③ ア ④ イ
解説 : 人権について、表のように整理できる。

選択肢アの「公務員のストライキの禁止」は、労働基本権が制限される例の1つである。これは国家公務員法・地方公務員法で定められていて、公務員は、国民全体の奉仕者として勤務することが求められているためである。
選択肢イの「不備のある建築の禁止」については、財産権が制限される例の1つである。これは建築基準法によって定められている。
選択肢ウの「感染症による入院措置」は、居住・移転の自由が制限されるものである。感染症法・医療法によって定められたもので、新型コロナウイルス感染症への対応としても、この入院措置が実施された。
選択肢エの「選挙運動の制限(不当な選挙運動の禁止)」に関しては、表現の自由が制限される例の1つである。これは、公職選挙法で定められているものである。
したがって、[ ① ]は選択肢エ、[ ② ]は選択肢ウ、[ ③ ]は選択肢ア、[ ④ ]は選択肢イが適当である。
問3:下線部(う)について、先生と生徒との次の会話を読んで、[ ① ]、[ ② ]に共通して当てはまる語句をそれぞれ書きなさい。また、{ }に当てはまる語句を、ア、イから選びなさい。

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先生:資料3は刑事裁判が行われている法廷内の様子を示したものです。裁判に登場する人々について、それぞれの役割を説明できますか。
生徒:はい。[ ① ]の役割は、犯罪が起こると警察官の協力を得て操作を行い、被疑者が犯罪を犯したことが証拠上明白であり、刑罰を科すべきであると判断した場合に被疑者を裁判所に訴えることです。
先生:そうですね。被疑者を裁判所に訴えることを{ ア 控訴 イ 起訴 }といいます。では、[ ② ]の役割については説明できますか。
生徒:[ ② ]は、裁判の手続きや法律などの専門的な知識が必要な事柄について被告人の利益や権利を守る手助けをします。
先生:よく理解できていますね。

※写真は載っていませんでした。
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解答 : ① エ ② ウ ③ ア ④ イ
解説 : [ ① ]について。
「犯罪が起こると警察官の協力を得て操作を行い、被疑者が犯罪を犯したことが証拠上明白であり、刑罰を科すべきであると判断した場合に被疑者を裁判所に訴えること」を役割としてもつのは検察官である。よって、[ ① ]には検察官が適当である。
[ ② ]について。
「裁判の手続きや法律などの専門的な知識が必要な事柄について被告人の利益や権利を守る手助け」を役割としてもつのは弁護人なので、[ ② ]には弁護人が適当である。
{ }について。

控訴とは、3回まで審査を受けられる三審制の仕組みにおいて、第一審の判決に納得できない際に被告人、被告人の代理人、弁護人、検察官などによって行われるものである。起訴とは、検察官が裁判所に対して、被疑者を刑事裁判にかけることを求める手続きのことである。よって、選択肢イが適当である。
問4(1):下線部(え)に関して、次の図は、景気変動(景気循環)の様子を表したものです。好景気の時期に一般的にみられることについて説明した文として適当なものをa~fから3つ選んだとき、組み合わせとして正しいものを、ア~クから選びなさい。


a 物価が上がり続けるインフレーションが起こる。
b 物価が下がり続けるデフレーションが起こる。
c 政府は、公共事業を減らすことなどにより歳出を減らす。
d 政府は、公共事業を増やすことなどにより歳出を増やす。
e 日本銀行が銀行へ国債を売り、社会に出回っている通貨を回収する。
f 日本銀行が銀行から国債を買い、社会により多くの通貨を流出させる。
ア a、c、e イ a、c、f ウ a、d、e エ a、d、f
オ b、c、e カ b、c、f キ b、d、e ク b、d、f
解答 : ア
解説 : 好景気とは、経済活動が活発で経済全体が好調な状態である。


また、インフレーションはモノやサービスの価格(物価)が継続的に上昇し続ける状態で、デフレーションは反対に下がり続ける状態のことである。
好景気のとき、需要の増加に対し、供給が追い付かない状態が生まれるとモノの価格が上昇するので、インフレーションが起こると考えられる。よって、aが適当で、bは不適当である。
次に公共事業については、不景気のときに経済を活性化や需要の創出を目指して政府が行う政策である。よって、好景気の状態の説明としてはcは適当で、dは不適当である。
日本銀行の国債の取り扱いに関しては、好景気のとき銀行に国債を売り、銀行はお金を払うという政策をとる。 よって、eは適当で、fは不適当である。
したがって、選択肢アが適当である。
問5:下線部(お)に関して、わが国では衆議院と参議院の議決が一致しない場合、衆議院の議決が優先されることがありますが、その理由として考えられていることを、衆議院と参議院の違いに着目して、「任期」、「解散」、「国民」という語句を使い、書きなさい。

解答 : 衆議院は、参議院に比べ任期が短く、解散もあることから、国民の意見をより反映していると考えられていること。
解説 : まず、衆議院と参議院の違いについて整理する。


衆議院には解散があり、参議院に比べて任期が短くなっている分選挙を通じて国民の意思を問う機会が多くなる。そのため、参議院よりも国民の意思を反映しやすいと考えられ、両院で異なった議決が行われた場合、衆議院に強い権限が認められている。これを「衆議院の優越」という。
よって、「衆議院は、参議院に比べ任期が短く、解散もあることから、国民の意見をより反映していると考えられていること。」といった内容が書けていればよい。
問6(1):下線部(か)に関して、資料4、5は、6班の生徒が、設定した課題について探究するために収集したものです。これらを見て(1)、(2)に答えなさい。

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資料4
製造業の生産拠点の海外への移転が進み始めると、日本国内では、産業の[ ]に対する危機感が強まった。
1986年5月に、ある新聞社が行った有力企業経営者を対象としたアンケート調査によれば、「業種によっては[ ]が起こる。」と答えた経営者が全体の71%、「生産拠点の海外進出により雇用の減少が広がり、産業界全体に広く[ ]が起こる」と答えた経営者が5%であり、合計76%の経営者が産業の[ ]を予想していた。
※1980年代後半の日本の状況について述べたもの。(「バブル/デフレ期の日本経済と経済政策」より作成)
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[ ]に当てはまる語句を書きなさい。
解答 : 空洞化
解説 : 製造業の生産拠点の海外への移転が進むことを、「産業の空洞化」という。よって、[ ]には、空洞化が適当である。

問6(2):資料5の情報を使い、下線部 の状況がこの時期に見られた理由として考えられることを、「労働力」という語句を使い、書きなさい。

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資料4
製造業の生産拠点の海外への移転が進み始めると、日本国内では、産業の[ ]に対する危機感が強まった。
1986年5月に、ある新聞社が行った有力企業経営者を対象としたアンケート調査によれば、「業種によっては[ ]が起こる。」と答えた経営者が全体の71%、「生産拠点の海外進出により雇用の減少が広がり、産業界全体に広く[ ]が起こる」と答えた経営者が5%であり、合計76%の経営者が産業の[ ]を予想していた。
※1980年代後半の日本の状況について述べたもの。(「バブル/デフレ期の日本経済と経済政策」より作成)
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解答 : 円高を背景として海外で安価な労働力を求めやすくなったため。
解説 : 資料5より、1983年で日本円の価値は高く、円高の状態であった。しかしそれ以降、円の価値は下がっていったことが見て取れる。
産業の空洞化が進む原因として円高や、賃金や土地の値段の高さなどが考えられる。このような状況で、賃金や土地の価格の安い海外での生産が進み始めたと考えられる。
したがって、「円高を背景として海外で安価な労働力を求めやすくなったため。」といった内容が書けていればよい。
