■問題PDF
令和7年度_学力検査問題過去問【滋賀】- 社会
令和7年度_学力検査問題過去問【滋賀】- 社会 解答
■目次
大問1
大問2
大問3
■大問1
自動車の生産について、資料や略地図をみて、後の1から5までの各問いに答えなさい。



1-1:資料1,資料2,略地図1から読み取れることとして正しいものを、次のアから工までの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア 2000年と比べて2022年の自動車の生産台数が増加している国は、すべてアジア州に位置している。
イ 日本における自動車のアメリカ合衆国への輸出額は、日本の自動車の輸入額の合計の2倍より多い。
ウ 日本における自動車の輸出先上位5か国のうち、輸出額が1兆円を超える国はすべて北半球に位置している。
工 日本における自動車の輸入先上位5か国のうち、ヨーロッパ州に位置している国は2か国のみである。
解答 : イ
解説 : ア: 資料1を見ると、2000年から2022年にかけて自動車生産台数が増加している国は、中国、アメリカ合衆国、日本、インド、ドイツ、メキシコです。このうち、アメリカ合衆国とメキシコは北アメリカ州、ドイツはヨーロッパ州に位置しており、すべてがアジア州に位置しているわけではないため、この選択肢は誤りです。
イ: 資料2によると、日本の自動車の輸出額の合計は13.0兆円で、そのうちアメリカ合衆国への輸出額は33.1%を占めています。
・アメリカ合衆国への輸出額: 13.0兆円×0.331≈4.303兆円
・日本の自動車の輸入額の合計: 1.5兆円
・輸入額合計の2倍: 1.5兆円×2=3.0兆円
アメリカ合衆国への輸出額(約4.303兆円)は、日本の輸入額合計の2倍(3.0兆円)よりも多いため、この選択肢は正しいです。
ウ: 資料2の輸出先上位5か国は、アメリカ合衆国、オーストラリア、中国、サウジアラビア、カナダです。
・輸出額が1兆円を超える国を計算すると、アメリカ合衆国(13.0兆円 × 0.331 ≈ 4.3兆円)、オーストラリア(13.0兆円 × 0.085 ≈ 1.1兆円)、中国(13.0兆円 × 0.077 ≈ 1.0兆円)の3か国です。
略地図1でこれらの国の位置を確認すると、アメリカ合衆国と中国は北半球に位置しますが、オーストラリアは南半球に位置するため、すべてが北半球に位置しているわけではないので、この選択肢は誤りです。
エ: 資料2の輸入先上位5か国は、ドイツ、アメリカ合衆国、イタリア、イギリス、タイです。
このうち、ドイツ、イタリア、イギリスはヨーロッパ州に位置しているため、3か国がヨーロッパ州に位置しています。したがって、この選択肢は誤りです。
1-2: 略地図1のAからDの都市のうち、日本が2025年3月1日午後3時のとき2025年3月1日午前1時であった都市はどれか。資料3を参考にして、AからDまでの中から1つ選び、記号で答えなさい。

解答 : D
解説 : 日本の標準時はGMTより9時間進んでいます。日本の時刻が2025年3月1日午後3時のとき、GMTの時刻は次のようになります。
15時−9時間=6時
したがって、GMTは2025年3月1日午前6時です。
次に、このGMT午前6時から、目的の都市の午前1時になるための時差を計算します。
1時−6時=−5時間
つまり、GMTより5時間遅い都市が求める答えです。資料3を見ると、時差が-5時間の都市はDなので、正解はDとなります。
1-3:次の文は略地図2について説明したものです。文中の(X)から(Z)にあてはまる語句の組み合わせとして正しいものを、次のアから工までの中から1つ選び、記号で答えなさい。
[五大湖周辺は鉱産資源に恵まれています。略地図2の◇は(X)の産地を、△は(Y)の産地を示しています。19世紀以降,五大湖の周辺では大量の鉄鋼が造られるようになり、水運を生かして輸出されました。20世紀には、自動車の生産が略地図2の☆に位置している都市(Z)で始まり、大量生産方式による自動車工業が成長しました。]
ア X:鉄鉱石 Y:石炭 Z:デトロイト
イ X:鉄鉱石 Y:石炭 Z:ピッツバーグ
ウ X:石炭 Y:鉄鉱石 Z:デトロイト
エ X:石炭 Y:鉄鉱石 Z:ピッツバーグ
解答 : ア
解説 : (X)と(Y)について: 五大湖周辺は、鉄鋼業が発展した地域として知られています。この産業には、鉄鉱石と石炭という2つの主要な鉱産資源が不可欠です。伝統的に、五大湖の北側に位置するメサビ鉄山などで鉄鉱石が産出され、アパラチア山脈周辺で石炭が産出されました。略地図2の◇は五大湖の北側に、△は南側に位置しているため、◇が鉄鉱石、△が石炭の産地を示しています。
(Z)について: 略地図2の☆は、五大湖に面するデトロイトを示しています。デトロイトは、19世紀末から20世紀にかけて、フォード社などの大手自動車メーカーが拠点を置き、「モーターシティ」として世界的な自動車産業の中心地として栄えました。もう一方の選択肢であるピッツバーグは、鉄鋼業の中心地として有名ですが、自動車工業の中心地ではありません。
資料1,資料2のアメリカ合衆国、メキシコ、カナダについて、次の(1), (2)の各問いに答えなさい。
1-4(1):アメリカ合衆国、メキシコ、カナダや日本を含む21の国と地域からなる経済協力(経済協力会議)を何と言いますか。アルファベットで書きなさい。
解答 : APEC
解説 : APECは「Asia-Pacific Economic Cooperation」の頭文字をとった略称で、「アジア太平洋経済協力」と訳されます。アジア太平洋地域の経済的繁栄と統合を目的とした、21の国と地域が参加する経済協力の枠組みです。
1-4(2):次の資料4と資料5のアからウは、アメリカ合衆国,メキシコ、カナダのいずれかです。アメリカ合衆国とメキシコにあたるものを、アからウまでの中から、それぞれ1つずつ選び、記号で答えなさい。ただし、資料4と資料5のアからウには、それぞれ同じ国名があてはまるものとします。


解答 : アメリカ合衆国:イ
メキシコ:ウ
解説 : 資料5で「1人あたりの国民総所得」を見ると、ウが8,611ドルと、他の2つ(43,146ドルと64,714ドル)に比べて圧倒的に低いです。これは、経済水準が異なるメキシコであると判断できます。
次に、資料4でウ(メキシコ)の輸出先を見ると、イへの輸出が81.2%と非常に高い割合を占めています。メキシコにとって最大の貿易相手国はアメリカ合衆国なので、このイがアメリカ合衆国であることがわかります。
最後に残ったアがカナダとなります。
・イがアメリカ合衆国:メキシコ(ウ)の輸出先の8割以上を占める。
・ウがメキシコ:1人あたりの国民総所得が最も低い。
・アがカナダ:1人あたりの国民総所得が3か国の中で最も高い。
日本の輸送用機械器具の生産に関連して、資料6をみて、後の(1), (2)の各問いに答えなさい。

【資料6のメモ】
輸送用機械器具とは、自動車、オートバイ、鉄道車両,航空機などです。その出荷額割合は愛知県,静岡県,神奈川県の上位3県で全国計の50%以上を占めています。
自動車は約3万点もの部品からなり、組み立て工場の周辺には部品を造る関連工場が集まっています。愛知県では瀬戸市などの工場でファインセラミックスを用いた自動車部品が生産されています。
1-5(1):資料7は、資料6の愛知県、静岡県、神奈川県における農業産出額,漁業生産量,産業別人口割合を示したものです。資料7のaからcは、愛知県、静岡県、神奈川県のいずれかです。3県の組み合わせとして正しいものを、次のアからカまでの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア a:愛知県 b:静岡県 c:神奈川県
イ a:愛知県 b:神奈川県 c:静岡県
ウ a:静岡県 b:愛知県 c:神奈川県
エ a:静岡県 b:神奈川県 c:愛知県
オ a:神奈川県 b:愛知県 c:静岡県
カ a:神奈川県 b:静岡県 c:愛知県
解答 : エ
解説 : 神奈川県 (b): 首都圏に位置する神奈川県は、サービス業が発達しているため、第3次産業の人口割合が79.0%と最も高いです。この特徴は「b」のデータと一致します。
静岡県 (a): 太平洋に面し、温暖な気候の静岡県は、漁業生産量が多いことに加えて、野菜や果実の産出額も非常に高いです。これらの特徴は「c」のデータと一致します。
愛知県 (c): 自動車産業の中心地である愛知県は、製造業が盛んなため、第2次産業の人口割合が32.4%と高いです。この特徴は「a」のデータと一致します
1-5(2):資料6のメモの下線部に関連して、瀬戸市でファインセラミックスを用いた自動車部品の生産が盛んな理由を、資料8,資料9をもとにして考えられることを、「地場産業」,「自動車工業」という語句を用いて45字以上,60字以内で書きなさい。

【資料9】瀬戸市の陶磁器産業
瀬戸は、長い歴史を有するやきものの産地で、やきものの代名詞である「せともの」の語源となっています。この背景には、原料となる良質な粘土などの豊かな自然に恵まれたことや先人が新しい技術を取り入れてきたことが挙げられ、瀬戸焼は瀬戸市の発展の礎を築いた郷土の産業です。
解答 : 瀬戸市の地上産業である陶磁器生産の技術を、自動車工業に必要なファインセラミックス製造に応用することができたから。
解説 : 瀬戸市の伝統的な地場産業である陶磁器の生産技術が、自動車工業に必要なファインセラミックスの製造に応用されたからです。これにより、硬く熱に強い部品が生産可能になりました。
■大問2
日本における学問や教育についてまとめた表をみて、後の1から8までの各問いに答えなさい。

2-1:表の下線部①に関連して 遣隋使が派遣されたころの世界のできごととして正しいものを、次のアから工までの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア 高麗が朝鮮半島を統一した。
イ ローマ帝国がキリスト教を認め、国教とした。
ウ アレクサンドロス大王が東方遠征をおこなった。
エ ムハンマドがイスラム教をおこした。
解答 : エ
解説 : 遣隋使が派遣されたのは飛鳥時代(6世紀末〜7世紀初め)です。
ア:これは10世紀初めのできごとで、日本は平安時代にあたります。
イ:これは4世紀のできごとで、日本は古墳時代にあたります。
ウ:これは紀元前4世紀のできごとで、日本は弥生時代にあたります。
エ:これは7世紀前半のできごとで、遣隋使が派遣された時期とほぼ同じです。
2-2:表の下線部②に関連して、次の資料1,資料2の(A)から(C)にあてはまる適当な語句の正しい組み合わせを、次のアからカまでの中から1つ選び、記号で答えなさい。

ア A:奈良 B:唐 C:平安
イ A:奈良 B:宋 C:鎌倉
ウ A:平安 B:唐 C:奈良
エ A:平安 B:宋 C:鎌倉
オ A:鎌倉 B:唐 C:奈良
カ A:鎌倉 B:宋 C:平安
解答 : ウ
解説 : 空海:空海は平安時代に、仏教を学ぶために中国の唐に渡りました。そこで密教を学び、日本に持ち帰りました。
(A) → 平安
(B) → 唐
鑑真:鑑真は奈良時代に、仏教の戒律を伝えるために、日本の僧の招きに応じて唐から来日しました。
2-3:次の文は、表の下線部③について説明したものです。文には、誤っている語句が1つあります。誤っている語句を下線部アからウまでの中から1つ選び、記号と正しい語句を答えなさい。
[奈良時代の貴族は、都であるア平城京内に住宅をかまえ、朝廷の役人として働きました。平安時代になると、庭や池をもち、建物と建物を廊下で結ぶイ書院造とよばれる様式の住宅をかまえる者もあらわれ、室内のふすまなどには日本の風景を題材としたウ大和絵とよばれる絵画がえがかれることもありました。]
解答 : 記号:イ
語句:寝殿造
解説 : ・書院造:
室町時代に成立した、武家住宅から発展した様式です。
特徴:床の間、違い棚、付書院などがあります。
・寝殿造:
平安時代の貴族の住宅様式です。
特徴:中央に寝殿、左右に対屋を配置し、廊下で結ぶ構造です。池や庭園をもち、自然と一体となった造りです。
したがって、平安時代の住宅様式として述べられている「書院造」は誤りであり、正しくは「寝殿造」となります。
2-4:次の資料3は、表の下線部④について、宣教師フランシスコ=ザビエルが残した書簡の一部です。下の略地図のうち、足利学校の史跡がある現在の県の場所と、ザビエルの来航地がある現在の県の場所の組み合わせとして正しいものを、後のアから工までの中から1つ選び、記号で答えなさい。
【資料3】 宣教師フランシスコ=ザビエルの書簡(一部要約)
都から遠く離れた坂東とよばれる地方には、日本で最も大きく、最も有名な大学があって、たくさんの学生が行きます。
※ 坂東…武蔵・相模・安房・上総・下総・常陸・上野・下野の8国をさす。

ア 足利学校-a 来航地-c
イ 足利学校-a 来航地-d
ウ 足利学校-b 来航地-c
エ 足利学校-b 来航地-d
解答 : ウ
解説 : 足利学校の場所:資料3の「坂東とよばれる地方」というヒントから、関東地方にあることがわかります。足利学校は、現在の栃木県足利市にありました。略地図で栃木県の位置は b です。
ザビエルの来航地の場所:フランシスコ・ザビエルは、1549年に日本の鹿児島に上陸し、キリスト教を伝え始めました。略地図で鹿児島県の位置は c です。
2-5:表の下線部⑤について、江戸時代にこの学問を大成した人物が書いた書物として正しいものを、次のアからエまでの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア『古事記伝』
イ『解体新書』
ウ『社会契約論』
エ『学問のすすめ』
解答 : ア
解説 : 表の下線部⑤は、「儒教や仏教が伝わる前の日本人の考え方を明らかにしようとする学問」を指しており、これは国学のことです。国学を大成した人物は本居宣長であり、本居宣長は、『古事記』を研究し、その成果をまとめた書物『古事記伝』を著しました。
ア 『古事記伝』: 本居宣長が著した国学の書物です。
イ 『解体新書』: 杉田玄白らが翻訳した、蘭学(オランダ経由で入った西洋の学問)の医学書です。
ウ 『社会契約論』: フランスの思想家ジャン=ジャック・ルソーが著した政治哲学の書物です。
エ 『学問のすすめ』: 明治時代の思想家福沢諭吉が著した、学問の重要性を説く書物です。
2-6:表の下線部⑥の理由について、資料4から資料6をもとにして考えられることを50字以上,60字以内で書きなさい。

解答 : 農民が農業に関する書物を読んだり、商人と取引したりする機会が増えたため、読む力や計算する力が必要になったから。
解説 : ・資料4は、農業に関する書物が出版され、農民に読まれていたことを示しています。これは、農業技術が発展し、知識を得るための教育が求められていたことを意味します。
・資料5は、農民が商人と取引する様子を描いています。商業活動が活発になるにつれて、取引を正確に行うために読み書きや計算の能力が不可欠になりました。
・資料6は、『庭訓往来』のような読み書きの教科書や、『塵劫記』のような計算方法が書かれた書物が寺子屋で使われていたことを示しています。これは、当時の教育が実用的な知識を教えることに重点を置いていたことの証拠です。
これらの資料から、江戸時代の農民や町人は、農業や商業の発展によって、自立した生活を送るために読み書きや計算の能力を身につける必要が生じ、その需要に応える形で寺子屋が増えたことがわかります。
表の下線部⑦に関連して、資料7,略年表をみて、後の(1), (2)の各問いに答えなさい。
2-7(1):資料7から読み取れることとして正しいものを、略年表を参考にして、次のアから工までの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア 教育勅語が発布されたあと、女子の就学率は一時的に低下した。
イ 伊藤博文が初代内閣総理大臣に就任したころ、男子の就学率は80%を超えた。
ウ 立憲改進党が結成されたころ、男子の就学率は一時的に低下した。
エ 日清戦争が終結したころ、女子の就学率は40%を超えた。
解答 : エ
解説 : ア:教育勅語が発布されたのは1890年です。グラフを見ると、1890年以降、女子の就学率は上昇しており、一時的に低下したという記述は誤りです。
イ:伊藤博文が初代内閣総理大臣に就任したのは1885年です。この頃、男子の就学率は約65%であり、80%を超えていません。80%を超えるのは1900年以降なので、この記述は誤りです。
ウ:立憲改進党が結成されたのは1882年です。グラフを見ると、この頃男子の就学率は約60%で、一時的に低下したという記述は誤りです。
エ:日清戦争が終結したのは1895年です。グラフを見ると、この時期に女子の就学率は40%を超えているため、この記述は正しいです。
2-7(2):(2) 資料7のXにあてはまるグラフの一部として正しいものを、略年表を参考にして、次のアから工までの中から1つ選び、記号で答えなさい。

解答 : イ
解説 : 資料7のグラフを見ると、1895年以降、男女ともに就学率が急激に上昇しています。特に女子の就学率の伸びが著しいです。
この背景には、略年表にある1907年の「義務教育が4年から6年に延長」があります。この制度改正に向けて、教育への関心が高まり、就学率が大幅に増加しました。
選択肢のうち、この急激な上昇傾向を最もよく表しているのがイのグラフです。男子・女子ともに、右肩上がりの急カーブを描いているため、資料7のX部分に当てはまります。
2-8: 表の下線部⑧に関連して、民主化に関する次のアからウまでのできごとを、資料8を参考にして、年代の古い順に、記号でならべかえなさい。
資料8 教育基本法の前文の一部
われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。
ア 帝国議会での審議をへて、日本国憲法が公布された。
イ 選挙法が改正され、満20歳以上の男女に選挙権が認められた。
ウ 教育基本法が公布され、教育の機会均等や男女共学が定められた。
解答 : イ→ア→ウ
解説 : イ:選挙法改正(1945年): 戦後間もない1945年、女性にも選挙権が与えられ、満20歳以上の男女が選挙に参加できるようになりました。これは日本の民主化の第一歩でした。
ア:日本国憲法の公布(1946年): 選挙法改正の翌年、民主主義を基本理念とする日本国憲法が公布されました。これにより、天皇主権から国民主権へ、また基本的人権の尊重などが定められました。
ウ:教育基本法の公布(1947年): 日本国憲法の理念に基づき、戦後の新しい教育のあり方を示す教育基本法が公布されました。教育の機会均等や男女共学などが定められ、民主的な社会を支える国民を育てるための基礎が築かれました。
■大問3
私たちの生活と経済について、次の1から3までの各問いに答えなさい。
資料1,資料2をみて、後の(1)から(3)までの各問いに答えなさい。

3-1(1):次の文は、政府が行う景気の安定化に向けた方策について説明したものです。文には、誤っている語句が1つあります。誤っている語句を下線部アからウまでの中から1つ選び、記号と正しい語句を答えなさい。
資料1の①の時期において、政府は公共事業への支出をア減らすと共に、イ減税を行い、消費活動や生産活動をウ抑制していくことで、景気の安定化を目指す。
解答 : 記号:イ
語句:増税
解説 : 資料1の①の時期は、好景気の時期です。好景気のとき、政府が行う景気安定化策は、景気の過熱を抑制することです。景気が過熱すると、物価が上がりすぎたり、バブル経済につながる恐れがあるからです。
ア :正しい。好景気のときは、公共事業への支出を減らすことで、景気の過熱を抑えます。
イ :誤り。好景気のときは、増税することで、国民や企業からお金を回収し、市場に出回るお金の量を減らします。
ウ :正しい。これらの政策は、消費活動や生産活動を抑制することを目的としています。
3-1(2):資料1を参考にして、資料2の(A)から(C)にあてはまる適切な内容を、次のアから工までの中から、それぞれ1つずつ選び、記号で答えなさい。
ア 企業の利益が増える
イ 賃金や雇用が減る
ウ 物価が上がる
エ 家計の消費が増える
解答 : A:エ
B:ウ
C:ア
解説 : 家計の所得が増える: 景気が良くなると、企業はたくさんもうかるので、従業員に支払う賃金が増え、雇用も安定します。
(A) : 収入が増えた家計は、使えるお金が増えるため、買い物やサービスへの消費が増えます。
(B) : みんながたくさん買い物をするようになると、物の需要が高まり、品不足になって商品の値段が上がります。これがインフレの状態です。
(C) : 商品の値段が上がると、企業はより多くの売上を得られるため、利益が増えます。
このように、家計の所得増→消費増→物価上昇→企業の利益増という流れが循環し、景気が過熱していきます。
3-1(3):資料1の②の時期に、日本銀行が行う金融政策の説明として正しいものを、次のアから工までの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア 公開市場を通して国債などの債権を民間の銀行から買うことで、景気の回復を目指す。
イ 一般の金融機関への貸出金利を上げることでお金を借りやすくし、景気の回復を目指す。
ウ 新たな国債の発行を減少させて財政赤字を減らすことで、景気の回復を目指す。
工 一般会計予算を組む際に社会保障関連の予算を増額することで、景気の回復を目指す。
解答 : ア
解説 : 資料1の②の時期は、景気が不景気(不況)から回復に向かう時期です。日本銀行は、このような不景気時に景気を上向かせるために「金融緩和」という政策を行います。
金融緩和の主な手段は、市場に出回るお金の量を増やすことです。
ア:正しい。日本銀行が民間銀行から国債などを買い取る(買いオペレーション)ことで、民間銀行の手元にお金が供給されます。これにより、銀行は企業や個人にお金を貸しやすくなり、消費や投資が活発化し、景気の回復につながります。
イ:誤り。貸出金利を下げることで、企業や個人がお金を借りやすくなり、景気の回復が促されます。
ウ:誤り。国債の発行は政府の「財政政策」であり、日本銀行の「金融政策」ではありません。
工:誤り。予算を増やすことは政府の「財政政策」であり、日本銀行の「金融政策」ではありません。
資料3,資料4,略年表をみて、後の(1)から(3)までの各問いに答えなさい。


3-2(1):日本では第2次世界大戦後に、地価や株価が経済の実力以上に高くなるバブル経済が発生しました。このバブル経済が崩壊した時期を含む期間を、資料3,資料4を参考にして、略年表のDからGまでの中から1つ選び、記号で答えなさい。
解答 : F
解説 : 資料3は有効求人倍率の推移を示しており、景気が良いときは倍率が上がり、景気が悪いときは下がります。グラフを見ると、1990年頃をピークとして、その後急激に倍率が低下しているのがわかります。特に1990年から1995年にかけては、それまでの高い水準から大きく落ち込んでいます。この急落は、バブル経済の崩壊による急激な景気後退を明確に示しています。
3-2(2):次のアからウまでのできごとを、略年表を参考にして、年代の古い順に、記号でならべかえなさい。
ア 京都議定書が採択される
イ 環境基本法が制定される
ウ 公害対策基本法が制定される
解答 : ウ→イ→ア
解説 : ウ 公害対策基本法が制定される(1967年)
イ 環境基本法が制定される(1993年)
ア 京都議定書が採択される(1997年)
略年表のD(1964年〜1973年)の期間には「1973年 第4次中東戦争がおこったことで、石油危機が発生する」とあります。この頃は日本の高度経済成長期であり、公害問題が深刻化していた時期です。公害対策基本法はこれに対処するために1967年に制定されました。
略年表のF(1992年〜2000年)の期間には「1992年 国連環境開発会議(地球サミット)が開催される」とあります。この会議をきっかけに、地球規模の環境問題への意識が高まり、翌1993年に環境基本法が制定されました。また、1997年には地球温暖化対策の国際的な枠組みである京都議定書が採択されました。
3-2(3):資料3,資料4から読み取れることとして正しいものを、次のアから工までの中から1つ選び、記号で答えなさい。
ア 1955年から1970年にかけて租税収入が増加すると共に有効求人倍率も上がり続けており、国債発行額は10兆円以下にとどまっている。
イ 1975年と1985年を比較すると、租税収入は2倍以上に増加しているが、1985年の国債発行額は10兆円を超えており、有効求人倍率はいずれも1.0倍以下にとどまっている。
ウ 1990年と1995年を比較すると、有効求人倍率が半分以下に下がり、租税収入も減少しており、国債発行額は4倍以上に増加している。
エ 2010年から2019年にかけて有効求人倍率は上がり、租税収入も増加しているが、国債発行額は租税収入の60%以上が続いている。
解答 : イ
解説 : ア:誤り。 1955年から1970年の有効求人倍率は、1965年に一時的に下落しており、「上がり続けている」という記述は間違っています。
イ:正しい。 1985年の国債発行額は約10兆円であり、「10兆円を超えている」は資料と一致しています。また、1975年の有効求人倍率も1.0倍以下にとどまっています。
ウ:誤り。 1990年の国債発行額は約5兆円、1995年は約25兆円で、5倍に増加しています。「4倍以上」という記述は正しいですが、他の選択肢に明確な間違いがあるため、この選択肢は正解ではありません。
エ:誤り。 2010年から2019年にかけて、有効求人倍率は上昇しており、租税収入も増加しています。しかし、「国債発行額は租税収入の60%以上が続いている」という記述は間違っています。
3-3:滋賀県では、2023年11月から2024年3月にかけて「新・しが割キャンペーン(第3弾)」が実施されました。このキャンペーンの利点と課題について、資料5から資料7をもとにして考えられることを、利点は「効率」,課題は「公正」の観点から、解答用紙に合わせて、それぞれ40字以上,55字以内で書きなさい。
資料5 「新・しが割キャンペーン(第3弾)」の目的と仕組み
・目的: 物価高騰の影響を受けている滋賀県内の小売、サービス,飲食業の店舗を運営する中小規模事業者,小規模事業者を支援する。
・仕組み:スマートフォンやタブレットの無料通話アプリを通して、滋賀県内の店舗や施設で使える電子割引券を発行する。利用者は、無料通話アプリに登録し、抽選に当選することで、手軽に割引券を取得することができる。電子割引券の総額は3,000円で1,000円の買い物につき,300円ずつ利用することが可能である。[滋賀県資料より作成]
資料6 「新・しが割キャンペーン(第3弾)」の結果概要
滋賀県が負担する電子割引券の利用額は、約20億円であった。電子割引券を利用して購入された財やサービスの総額は、約96.7億円に上る。この結果から、電子割引券の利用額に対して、約4.8倍の経済効果が得られたと考えられる。[滋賀県資料より作成]

解答 : 利点:無料通話アプリを通して電子割引券を利用する手軽な方法によって、割引利用額を上回る経済効果が得られた
課題:高齢者の中には電子アプリを使えない環境の人も多く、全ての年代にとって恩恵があるわけではない
解説 : 利点に関して:資料6に、滋賀県が負担した電子割引券の利用額(約20億円)に対し、その5倍近くにあたる約96.7億円もの経済効果が得られたとあります。これは、少ない公的資金で大きな経済波及効果を生み出しており、非常に効率的であると判断できます。
課題に関して:資料5の仕組みにあるように、この割引券はスマートフォンやタブレットの無料通話アプリを通して利用されます。一方で、資料7(年齢別のスマートフォンやタブレットの利用状況)を見ると、年齢が上がるにつれて「ほとんど利用していない」「利用していない」と答える人の割合が増加しているのがわかります。特に70歳以上では、これらの機器を「よく利用している」人の割合が低いことが読み取れます。このことから、デジタル機器を使いこなせない高齢者などがキャンペーンの恩恵を受けにくく、利用機会に不公平が生じるという課題があると考えられます。
