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令和7年度_学力検査問題過去問【奈良】- 理科
令和7年度_学力検査問題過去問【奈良】- 理科
■目次
大問1
大問2
大問3
大問4
大問5
大問6
■大問1
真理さんは、2024年7月3日に発行が始まった日本の新しい紙幣に、偽造防止のために紙幣としては世界で初めて3Dホログラムが採用されていることに興味をもち、画像や映像を立体的に見せる技術について調べた。次の「」内は、真理さんが調べたことをまとめたものの一部である。各問いに答えよ。
「新しい紙幣では、角度を変えて見ることにより、立体的な肖像が左右に回転して見える3Dホログラムが採用されている。3Dホログラムの作製には高度な技術が必要である。一方で、劇場や展示場などでは、映像を立体的に見せたい場合、擬似ホログラムとよばれる比較的簡易な方法が利用されることがある。その例として、図1のようなハーフミラーとよばれる光の一部が通り抜ける鏡を用いて、ハーフミラーを透過した光によって見える背景と、ハーフミラーで反射した光によって見える像を重ねて見せることで、映像を立体的に見せる方法がある。 」
1-1:ヒトの目において、ひとみから入った光が像を結ぶ部分を何というか。その名称を書け。
解答 : 網膜
解説 : ヒトの目において、ひとみから入った光が像を結ぶ部分は網膜です。
図2は、真理さんが下線部をもとにしてつくった装置である。図3は、 装置を水平面に置き、真横から見た ようすを模式的に表したものであり、 真理さんは図3の点Aからハーフミラー を見ているものとする。

1-2①:真理さんがハーフミラーを見たとき、ハーフミラーに図4に示す像が映って見えるようにするには、ディスプレイにどのような映像を表示すればよいか。図3の点Aからディスプレイを見たときの映像の向きとして最も適切なものを、次のア~エから1つ選び、その記号を書け。ただし、図4は、動物のあしの部分が下になる向きで見えているものとする。


解答 : エ
解説 : 真理さんがハーフミラー越しに見る像は、ディスプレイに表示されている映像が鏡で反射してできた像です。鏡に映る像は、鏡面に対して線対称になります。
ディスプレイは水平な床にあり、ハーフミラーはディスプレイに対して斜めに立っていることから、この斜めの鏡に映った像は、元の物体と比べて、上下逆転します。つまり、元の映像を上下逆にした向きになります。
1-2②:図3の点Bから出た光が、ハーフミラーで反射して点Aに届くまでの光の道すじをかき入れよ。 ただし、作図のために用いた線は消さずに残しておくこと。
解答 :

解説 : ハーフミラーは斜めに配置されているため、点Bからハーフミラーに垂線を下ろし、その延長線上で鏡面からの距離が等しくなる点をB’と置きます。
観測点Aから虚像B’まで直線を引きます。この直線とハーフミラーが交わる点Pが、光が実際に反射する点です。点Bから反射点Pまで直線を引いて完成です。

■大問2
種類のわからない白い粉末状の物質A,Bがある。物質A,Bは、硝酸カリウム、塩化ナトリウム、ホウ酸、ミョウバン のいずれかである。花奈さんと良太さんは、物質A,Bがそ れぞれ何であるか調べるために、次の実験を行った。図1は、それぞれの物質の溶解度曲線である。また、「」内は、実 験後の二人の会話である。各問いに答えよ。

実験
80℃の水100gが入ったビーカーを2つ用意し、温度 を80℃に保ちながら、一方のビーカーには物質Aを、もう一方のビーカーには物質Bをそれぞれ50gずつ入れ、ガラス棒でよくかき混ぜて水への溶け方を調べた。その後、ビーカー をゆっくり冷やし、ビーカー内の液の温度が50℃, 20℃になっ たときに、それぞれの物質の水への溶け方を調べた。表は、その結果をまとめたものであり、すべて溶けている場合を○、溶け残りがある場合を▲として記している。
「花奈: 実験の結果から、物質Aは ( ① ) だとわかるけど、物質Bは特定できないね。一度の実験で、物質Aと物質Bがともに何であるかを特定できる方法はないかな。
良太:そうだね。図1をもとにして考えると、例えば、それぞれのピーカーに入れる水の質量を ( ② ) g、水への溶け方を調べる温度を ( ③ ) にして実験と同様の操作を行うと、物質Aと物質Bが何であったとしても一度の実験で特定できるかもしれないね。
花奈:なるほど。では、「再実験」としてその方法でもう一度はじめから実験をやり直してみよう。
-再実験後 –
良太:再実験の結果から、物質Aは ( ① ) 物質Bは塩化ナトリウムであることがわかったね。」
2-1:実験で用いた水のように、溶質を溶かす液体を何というか。その用語を書け。
解答 : 溶媒
解説 : 実験で用いた水のように、溶質を溶かす液体を溶媒といいます。
2-2:水に溶けている塩化ナトリウムは電離している。塩化ナトリウムの電離を表す式を、化学式を用いて書け。
解答 : Nacl→Na⁺+Cl⁻
解説 : 電離とは、物質が水などの溶媒に溶けて、陽イオンと陰イオンに分かれる現象のことです。塩化ナトリウムは水に溶けると、ナトリウムイオン(Na⁺) と塩化物イオン(Cl⁻) に分かれます。
2-3:「」内について、会話の内容が正しくなるように、( ① ) に適する物質名を書け。また、次のア~エのうち、( ② ) ( ③ ) に入る値および語の組み合わせとして適切なものを1つ選び、その記号を書け。
ア ② 200 ③ 60℃, 30℃, 10℃
イ ② 200 ③ 90℃, 60℃, 30℃
ウ ②500 ③ 60℃, 30℃, 10℃
エ ② 500 ③ 90℃, 60℃, 30℃
解答 : 物質名:硝酸カリウム
記号:ア
解説 : ①物質Aは、80℃と50℃では50gすべて溶けています。しかし、20℃まで冷やすと溶け残りが出ています。
図1の溶解度曲線より、硝酸カリウムは50℃では約85g溶け、20℃では約30gしか溶けません。50gは50℃では溶けますが、20℃では溶け残ります。よって、これは実験結果と一致します。
②200gでは、50gすべて溶けるようになります。一方、水の量を500gまで増やしてしまうと、低温でも塩化ナトリウムは溶けてしまい、ホウ酸との差が出にくくなります、よって、200gは溶け方の違いを出すのにちょうど良い量です。
③水の量を200gで50gを溶かすには、溶解度が100gの水に対して25g以上必要です。図1より、
塩化ナトリウム:どの温度でも溶解度は約36g以上では常に溶けます。→B
硝酸カリウム:30℃では25gより大きく溶けますが、10℃では、25gより小さいので溶け残ります。→A
これを考慮して温度を設定すると、60℃、30℃、10℃が最も適します。
花奈さんと良太さんは、最初の実験で用いた、物質Bの入ったビーカーを数日後に見たところ、液の量が減って溶け残った物質Bの量が増えていることに気づいた。そこで、二人は、物質Bの入ったビーカー内の液をろ過し、溶け残っている物質Bの質量を測定したところ、23.15gであった。なお、ろ過したときの物質Bの入ったビーカー内の液の温度は20℃であった。
2-4①:図2は、ろ過のようすを表しているが、ある実験器具を用いずに操作しているため、適切でない点がある。その点をどのように改善すればよいか。正しい操作を、その実験器具の名称を明らかにして、 簡潔に書け。

解答 : (例)ろ過する液を、ガラス棒を伝わらせて入れる。
解説 : 液を直接ろ紙に注ぐと、液が飛び散ったり、ろ紙が液の勢いで敗れてしまったりする可能性があります。よって、ガラス棒を使い、ビーカーの口を伝って流れる液が、ガラス棒に沿って静かにろ紙の内側の壁に注がれるようにします。
2-4②:最初の実験からろ過したときまでに、物質Bの入ったピーカーから蒸発した水の質量は何gであったと考えられるか。その値を書け。 ただし、塩化ナトリウムは、20℃の水100gに35.80gまで溶けるものとする。
解答 : 25 g
解説 : もともとNaClは50.0gであり、溶け残った23.15gをそこから引くと、
50.0-23.15=26.85g(溶けているNaCl)
ろ液時の液の温度は20℃であり、液は飽和状態です。NaClの20℃の溶解度は、水100gに35.80g溶けるので、溶液26.85gのときの水の質量(x)は
100/35.80g=x/26.85
x≒75.0g(ろ液時点に残っていた水の質量)
したがって、蒸発した水の質量は
100.0-75.0=25.0g
■大問3
野菜や果物には、ヒトの消化酵素と同じはたらきをする消化酵素が含まれているものがある。ダイコンに含まれる消化酵素のはたらきについて調べるために、次の実験を行った。各問いに答えよ。ただし、この実験で用いたダイコンのしぼり汁には、麦芽糖などの糖は含まれていないものとする。
実験
試験管A~Hに1%のデンプン溶 液を5cmずつ入れ、試験管A, B, E, Fには水でうすめたダイコンのしぼり汁1cmを、試験管 C, D, G, Hには水1cm³をそれぞれ加え、 図1のように、試験管A~Dは40℃の水に、 試験管E~Hは10℃の水に、それぞれ同じ時間つけた。その後、試験管A, C, E, Gにヨウ素溶液を加えたときの反応と、試験管B, D, F, Hにペネジクト溶液を加えた後、沸とう石を入れて加熱したときの反応を、それぞれ調べた。表は、その結果をまとめたものである。

3-1:図2は、ダイコンの花を模式的に表したものであり、Xはめしべの根元のふくらんだ部分を示している。Xの名称を書け。
解答 : 子房
解説 : Xは子房と呼ばれ、中に胚珠が入っています。受粉後、子房は成長して果実になり、胚珠は種子になります。
3-2:実験で用いた試験管A~Dについて、試験管C、Dに水を加えた理由として最も適切なものを、次のア~エから1つ選び、その記号を書け。
ア 反応しやすくするため。
イ 調べたいことがら以外の条件をそろえるため。
ウ 溶液の色の変化を見やすくするため。
エ 試験管内の温度を一定に保つため。
解答 : イ
解説 : 試験管AとBには、ダイコンのしぼり汁と水が入っています。試験管CとDには、酵素が入っていない水だけを入れます。この目的は、「酵素のはたらき」だけを調べるためです。もしAやBで変化が起こったとき、それが「酵素によるもの」なのか、それとも「単に水が増えたことによるもの」なのかを確かめる必要があります。
CとDを作ることで、溶液の量やデンプンの濃度といったその他の条件をすべて同じにして、酵素の有無だけを変えることができます。
この方法を対照実験といい、調べたいことがら以外の条件をそろえることが目的です。
3-3:次の「」内は、試験管A~Dの実験の結果からわかることについてまとめたものである。 ( ① ) ,( ② )に適する言葉を、それぞれ後のア~エから1つずつ選び、その記号を書け。
「 ( ① )の実験の結果を比べると、ダイコンのしぼり汁のはたらきによってデンプンがなくなったことがわかる。また、( ② ) の実験の結果を比べると、ダイコンのしぼり汁のはたらきによって麦芽糖などが生じたことがわかる。 」
ア 試験管Aと試験管B
イ 試験管Aと試験管C
ウ 試験管Bと試験管D
エ 試験管Cと試験管D
解答 : ①イ ②ウ
解説 : ( ① ) デンプンがなくなったことの証明
ダイコンのしぼり汁によってデンプンが分解されたことを証明するには、酵素を入れた場合と入れていない場合を比較する必要があります。デンプンの有無は、ヨウ素溶液を使った試験管AとCの結果で判断します。
( ② ) 麦芽糖などが生じたことの証明
ダイコンのしぼり汁によって麦芽糖などの糖が生じたことを証明するには、酵素を入れた場合と入れていない場合を比較する必要があります。糖の生成は、ベネジクト溶液を使った試験管BとDの結果で判断します。
3-4:実験の結果からわかる、ダイコンに含まれる消化酵素のはたらきは、ヒトの体内のどの消化酵素のはたらきと同じであるといえるか。最も適切なものを、次のア~エから1つ選び、その記号を書け。
ア アミラーゼ
イ ペプシン
ウ リパーゼ
エ トリプシン
解答 : ア
解説 : 実験でダイコンの酵素はデンプンを分解して糖を生成したため、その働きはアミラーゼと同じです。
ア アミラーゼ:
基質: デンプン
働き: デンプンを2糖に分解する。
存在する場所: だ液、すい液。
イ ペプシン:
基質: タンパク質
働き: タンパク質を消化する。
存在する場所: 胃液。
ウ リパーゼ:
基質: 脂肪
働き: 脂肪を脂肪酸とモノグリセリドに分解する。
存在する場所: すい液。
エ トリプシン:
基質: タンパク質
働き: タンパク質を消化する。
存在する場所: すい液。
3-5:実験の結果から、ダイコンに含まれる消化酵素は、40℃のときでも10℃のときでもはたらいていることがわかる。しかし、10℃のときは40℃のときほど消化酵素がはたらいていないといえる。そのようにいえる理由を、40℃のときの実験の結果からわかることと、10℃のときの実験の結果からわかることをそれぞれ示しながら、「デンプン」の語を用いて簡潔に書け。
解答 : (例)40℃のときはデンプンがすべて分解されているが、10℃のときはデンプンの一部が分解されずに残っているから。
解説 : 40℃のとき(試験管A):デンプンが完全に分解されたため、ヨウ素溶液を加えても変化しなかった。これは、酵素の働きが活発であったことを示します。
10℃のとき(試験管E):ヨウ素溶液を加えると青紫色になった。これは、デンプンがまだ試験管内に残っていたことを意味し、酵素の働きが 40℃のときよりも不活発であったことを示します。
したがって、同じ時間放置しても、10℃のときの方が 40℃のときよりもデンプンが多く残っていることから、40℃の方が酵素の働きが活発であったといえます。
■大問4
回路に加わる電圧と流れる電流との関係について調べるために、次の実験を行った。各問いに答えよ。
実験
図1のような回路をつくり、 電源装置で電圧を変化させ、抵抗器Aに加わる電圧と流れる電流を測定した。また、抵抗器A を抵抗器Bにかえて、同様の操作を行った。図2は、実験の結果をグラフに表したものである。
4-1:電流計の使い方について述べた文として正しいものを、次のア~エからすべて選び、その記号を書け。
ア 電源装置の+極側の導線を+端子に、-極側の導線を-端子につなぐ。
イ 電流の大きさが予想できないときは、いちばん小さい電流がはかれる-端子から導線をつなぐ。
ウ 指針の示す値を読みとるときは、最小目盛りの10分の1まで読みとる。
エ 指針の振れが小さすぎるときは、+端子につないだ導線と-端子につないだ導線を入れかえる。
解答 : ア、ウ
解説 : ア:正しいです。電流計は、電流が+端子から入って-端子から出るように、回路に直列につなぐ必要があります。
イ:誤りです。電流の大きさが予想できないときは、指針の振り切れを防ぐため、いちばん大きい電流がはかれる -端子からつなぎます。
ウ:正しいです。電気測定器では、最小目盛りの10分の1の位まで目分量で読み取るのが慣例です。
エ:誤りです。指針の振れが小さすぎる場合は、より感度の高い-端子に切り替えます。導線を入れ替えると、指針が逆に振れてしまいます。
4-2:次の「」内は、図2のグラフから読みとれることについて述べたものである。( ① ) については適切な値を書き、②についてはア、イのいずれか適する語を選び、その記号を書け。
「いずれの抵抗器においても、抵抗器に流れた電流は、抵抗器に加えた電圧に比例する。よって、抵抗器Bに5.0Vの電圧を加えたとき、抵抗器Bに ( ① ) Aの電流が流れると考えられる。 また、グラフの傾きが抵抗器Bより抵抗器Aの方が大きいことから、抵抗の大きさは、抵抗器Bより抵抗器Aの方が② (ア 大きい イ 小さい)ことがわかる。」
解答 : ①0.25 A ②イ
解説 : ①図2のグラフから、抵抗器Bの電流と電圧の関係は比例しています。抵抗器Bのグラフ上の既知の点を見て、抵抗値を求めます。Bの抵抗は、4.0V/2.0A=20Ω
この抵抗値20Ωを使って、5.0Vの電圧を加えたときの電流Iを計算します。
I =5.0V/20Ω=0.25A
②オームの法則 R = V / Iより、抵抗は電圧を電流で割った値です。
図2のグラフにおいて、傾きはI/Vを示しており、これは抵抗Rの逆数に相当します。したがって、抵抗器Aの方が抵抗の大きさは小さいです。
4-3:電源装置の電圧を変えずに、図1のPQ間の抵抗器Aを次のア~エにつなぎかえて、それぞれの回路に電流を流したとき、電流計の値が最も大きくなるものを、ア~エから1つ選び、その記号を書け。 ただし、抵抗器Aを-A-、 抵抗器Bを-B-として表すものとする。
選択肢(※図15)
解答 : ウ
解説 : ☆ポイント
オームの法則により、電圧が一定のとき、抵抗が小さいほど、電流は大きくなります。
抵抗器Aの抵抗値:4V/0.4A=10Ω
抵抗器Bの抵抗値:4V/0.2A=20Ω
直列接続の時は、抵抗は足し算になり抵抗は大きくなります。
並列接続の時は、抵抗は直列よりも小さくなります。
よって、最も抵抗値が小さくなるのは、抵抗の小さいAを並列に接続したウです。その時に最も大きな電流が流れます。
4-4:次の「」内は、電圧計について述べたものである。①についてはア、イのいずれか、②について はア~ウから、それぞれ適する言葉を1つずつ選び、その記号を書け。
「電圧計は、回路の測定したい区間に並列につなぐので、回路に与える影響が小さくなるように、電圧計自体の抵抗は非常に① (ア 大きく イ 小さく) つくられている。そのため、図3 のような回路をつくり、豆電球を点灯させた後, 図4のように電圧計をつなぎかえて、電源装置 の電圧を図3と同じ大きさにして電流を流すと、図4の豆電球は、②(ア 図3より明るくなる イ 図3とほぼ同じ明るさになる ウ つかない) と考えられる。」

解答 : ①ア ②ウ
解説 : ①電圧計は、測定したい区間に並列につなぎます。このとき、電圧計自身に電流が流れてしまうと、元の回路の電流が変わってしまい、正確な電圧が測れなくなります。オームの法則より、並列につなぐ電圧計に流れる電流を極めて小さくするためには、電圧計の抵抗を非常に大きくする必要があります。
②電圧計は内部抵抗が非常に大きいため、通常並列につないでも回路全体の合成抵抗にほとんど影響を与えません。
しかし、図4では電圧計を図3の豆電球に直列につないでいます。
回路全体の抵抗は、図3に比べて図4の方が非常に大きくなります。電源の電圧が同じなので、オームの法則より、図4の回路に流れる電流は図3に比べて極めて小さくなります。豆電球の明るさは流れる電流の大きさに比例するため、電流が極めて小さくなった図4では、豆電球はつかなくなると考えられます。
■大問5
春香さんは、地球温暖化について調べたところ、二酸化炭素には温室効果があり、地球温暖化と深く関係していることがわかった。また、海洋は人間の活動などによって排出された二酸化炭素の一部を溶かし、大気中の二酸化炭素の量に影響を与えていることや、近年、地球温暖化などの影響によって海水温が上昇していることがわかった。そこで、海水温と海水に溶ける二酸化炭素の量との関係について調べるために、次の実験を行った。各問いに答えよ。
実験
500cm³の空のペットボトルを3本用意し、それぞれの中を二酸化炭素で満たした。その後、 図1のように、5℃, 25℃, 45℃の海水をそれぞれ100gずつ入れ、ふたをしてペットボトル をよく振ったところ、図2のようになった。ただし、温度による気体の体積変化は考えないものとする。

5-1:次のア~オのうち、反応後に発生する気体が二酸化炭素であるものをすべて選び、その記号を書け。
ア 炭酸水素ナトリウムにうすい塩酸を加える。
イ 酸化銀を加熱する。
ウ 亜鉛にうすい塩酸を加える。
エ 石灰石にうすい塩酸を加える。
オ 塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを混ぜ合わせて加熱する。
解答 : ア、エ
解説 : 二酸化炭素 (CO₂) は、炭酸塩や炭酸水素塩が酸と反応したときに発生します。
ア:炭酸水素ナトリウムにうすい塩酸を加える。
NaHCO₃ + HCl→NaCl+H₂O+CO₂(二酸化炭素が発生する)
イ:酸化銀を加熱する。
2Ag₂→4Ag+O₂(酸素が発生する)
ウ:亜鉛にうすい塩酸を加える。
Zn+2HCl→ZnCl₂+H₂(水素が発生する)
エ:石灰石にうすい塩酸を加える。
CaCO₃+2HCl→CaCl₂+H₂O+CO₂(二酸化炭素が発生する)
オ:塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを混ぜ合わせて加熱する。
2NH₄Cl+Ca(OH)₂→CaCl₂+2H₂O+2NH₃(アンモニアが発生する)
5-2:実験において、ペットボトルがへこんだのはなぜか。その理由を、「海水」、「大気圧」の語を用 いて簡潔に書け。
解答 : (例)二酸化炭素が海水に溶けたことで、ペットボトル内の圧力が大気圧より小さくなったから。
解説 : ペットボトルがへこんだ理由は、ペットボトル内の二酸化炭素の一部が海水に溶けたことで、ペットボトル内の気体の量が減少し、内部の圧力が下がったため、外部からの大気圧によって押しつぶされたからです。
5-3:実験の結果から、春香さんは、海水温が上昇すると大気中の二酸化炭素の量が減りにくくなると考え、地球温暖化がさらに進むと予想した。海水温が上昇すると大気中の二酸化炭素の量が減りにくくなると考えられる理由を、実験の結果をもとにして、簡潔に書け。
解答 : (例)海水温が高くなるほど、二酸化炭素が海水に溶けにくくなるから。
解説 : 図2から、海水温が低いほどペットボトルのへこみが大きく、海水温が高いほどへこみが小さいことがわかります。これは、海水温が上昇すると、海水に溶解する二酸化炭素の量が減少することを示しています。
海洋は通常、大気中の二酸化炭素を吸収する役割を担っています。しかし、地球温暖化によって海水温が上昇すると、海水が吸収できる二酸化炭素の量が減ります。よって、海水が二酸化炭素を吸収しにくくなるため、大気中に残る二酸化炭素の量が多くなり、大気中の二酸化炭素の量が減りにくくなります。これにより、温室効果がさらに高まり、地球温暖化が一層進むと予想されます。
■大問6
季節ごとの太陽の1日の動きについて調べるために、北緯35度のある地点で、夏至の日と冬至の日に 次の観測を行った。各問いに答えよ。
観測
図1のように、厚紙に透明半球のふちと同じ大きさの円をかき、その中心を点○とした。かいた円に透明半球のふちを合わせて固定し、方位を合わせて水平な場所に置いた。その後、9時から15時まで1時間ごとに、ペンの先の影が点○と重なるようにして透明半球上に●印をつけた。図2のa、bは、それぞれの日に記録した●印 をなめらかな曲線で結んで太陽の道すじを示したものであり、A- Dの●印は、それぞれa, bと厚紙との交点である。図3は、a, bにそってそれぞれ別の紙テープを重ねて、透明半球上の●印を紙 テープに写しとり、●印の間隔をはかった値を記したものである。


6-1:地上から見る太陽の1日の動きは、地球の自転による見かけの動きである。このような、地球の自 転による天体の見かけの動きを何というか。その用語を書け。
解答 : 日周運動
解説 : 地球の自転による天体の見かけの動きを日周運動といいます。
※地球は1日で西から東へ1回転する自転を行っています。その結果、私たち地上からは、太陽や星などの天体が東から昇り、南を通って、西に沈むように見えるのです。
観測に用いた透明半球は、この日周運動を記録するのに使われます。
6-2:図4は、図2の透明半球を、東側の真横から見たときのようすを模式的に表したものである。この図に、夏至の日における太陽の南中高度Xをかき加えた図として最も適切なものを、次のア~エから1つ選び、その記号を書け。

解答 : ウ
解説 : 北緯 35°の夏至の日の南中高度
夏至の南中高度は
90°−緯度+地軸の傾き(23.4°)=90°−35°+23.4°=78.4°
つまり とても高い位置で南中します。
図4に南中高度 X を描き加えると,
透明半球の上の方もしくは、かなり高い角度になり、O から南側へ大きな角度をとります。
これに最も合うのは ウです。
6-3:次の「」内は、地上から見る太陽の見かけの動きについてまとめたものである。( ① )に適する言葉を簡潔に書け。また、( ② ) に適する言葉を、「公転」の語を用いて簡潔に合け。
「 図3において、1時間ごとに記録した 印の間隔がいずれも等しいことから、太陽は天球上を ( ① ) で動いていることがわかる。また、観測の結果から季節によって太陽の道すじ が異なることがわかる。季節によって太陽の道すじが異なるのは、地球が、公転面に垂直な方 向に対して( ② )ためである。」
解答 : ①(例)一定の速さ ②(例)地軸を傾けたまま公転している
解説 : ①図3では、太陽の位置を1時間おきに記録した印が同じ間隔で並んでいます。
つまり、太陽は一定の速さで動いているように見えます。
②夏と冬で太陽の通り道が大きく違います。これは、地球が地軸を23.4°傾けたままで、太陽の周りを公転しているためです。
つまり、地軸が傾いたまま公転するから、季節によって太陽の高さが変わります。
6-4:観測の結果から、観測した夏至の日と冬至の日における日の出の時刻の差は、何時間何分であると考えられるか。その時間を書け。
解答 : 2時間15分
解説 : 図3より、太陽が1時間で移動してできる記録点の間隔は、どちらの観測日も2.4cmです。したがって、
1時間=2.4cm
・夏至の日
A(日の出)から9:00の記録点までの距離は、4.8cmです。よって、所要時間は4.8/2.4=2時間 です。
・冬至の日
C(日の出)から9:00の記録点までの距離は10.2cmです。よって、所要時間は10.2/2.4=4.25時間=4時間15分 です。
したがって、時刻の差は
(4時間15分)-(2時間)=2時間15分
6-5:図2のbで示される太陽の道すじを観測した日に、南緯35度のある地点で同様の観測を行った場合、 太陽の道すじはどのように示されると考えられるか。最も適切なものを、次のア~エから1つ選び、 その記号を書け。
解答 : イ
解説 : 問題文にある図2の曲線bは、北緯35°の地点で観測された、太陽の道すじの低い方を示しています。
したがって、曲線bは冬至の日の太陽の道すじです。
北半球が冬至の日であるとき、南半球(南緯35°)では夏至の日にあたります。
南緯35°(夏至の日)の特徴は以下の通りです。
南半球では、太陽は1日を通して北の空を通ります。これは、北半球で太陽が南の空を通るのと逆になります。また、太陽は真北で最も高くなります。そして、太陽の南中(北中)高度が最も高くなり、日の出から日の入りまでの弧の長さ(昼の時間)も最も長くなります。
ア: 太陽の通り道が南側にあり、北半球での冬至の日の様子に近い。
イ: 太陽の通り道が北側にあり、弧の長さが長く(高度も高く)、南半球の夏至の日の様子に合致します。
ウ: 太陽の通り道が北側にあるが、南半球の冬至の日(北半球の夏至の日)に近い高度と長さになっている。
エ: 太陽の通り道が北側にあるものの、日の出・日の入りが真東・真西から大きく離れており、弧が短すぎる。
6-6:太陽光発電のパネルには、太陽の動きに合わせて自動的に向きを変えることができる追尾型のものがある。図5は、追尾型の太陽光発電のパネルを模式的に表したものであり、角Yは、太陽光発電のパネルを延長した線と水平面がつくる角を示している。太陽光発電のパネルが、最も発電効率が高くなるように向きを変えるとき、次のア~エの地点と日のうち、南中時刻に角Yの大きさが最も大きくなると考えられるものを1つ選び、その記号を書け。ただし、太陽光発電のパネルは、太陽の光が当たる角度が垂直に近いほど発電効率が高くなるものとする。
ア 北緯31度の地点の夏至の日
イ 北緯31度の地点の冬至の日
ウ 北緯44度の地点の夏至の日
エ 北緯44度の地点の冬至の日
解答 : エ
解説 : 角Yは、パネルが水平からどれくらい立っているかを表す角度です。
太陽の高さ(太陽高度)が低いほど、パネルを太陽に向けるために より立てる必要がある ので、角Yは大きくなります。
つまり、
・太陽高度が低い → パネルをたくさん立てる → 角Yが大きくなる
・太陽高度が高い → パネルをあまり立てない → 角Yは小さくなる
太陽高度は、冬至のほうが低く、緯度が高いほど低いので、緯度44°の冬至(エ)が最も太陽高度が低く、角Yが最大になります。
