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令和7年度_学力検査問題過去問【岡山】- 理科


■目次 


大問1
大問2
大問3
大問4
大問5






■大問1



次の(1)~(8)に答えなさい。



1-1:図1のように北の方角をさす磁針を、図2の棒磁石のまわりに置きます。磁針が図3のようになる位置は、図2のア~オのうちではどれですか。一つ答えなさい。



解答 : ウ


解説 : ア: 磁力線が外に突き出すため、磁針のN極は左を向きます。
イ: 磁力線が左上から右へカーブし始めるため、磁針のN極は右斜め上を向きます。
ウ: 磁力線がN極からS極へ平行に移動するため、磁針のN極は右を向きます。
エ: 磁力線が右下に向かって収束するため、磁針のN極は右斜め下を向きます。
オ: 磁力線がS極に吸い込まれるため、磁針のN極は左を向きます。

図3の磁針は、N極が右を向いています。 上記の分析から、磁力線が左(N側)から右(S側)へまっすぐ流れている場所が正解となります。




1-2: 図4のように、半円形のガラスに向かって空気中を進む光があります。この光が半円形のガラスに入射した後の、光の進み方を表すものとして最も適当なのは、図4のア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。



解答 : イ


解説 : ア: 反射のようになっていますが、光はガラスの中へ進むはずなので不適切です。
イ: 入射光の向きに対して「垂直な線」の方へ曲がっています。入射角 > 屈折角 の関係を満たしています。
ウ: 入射光がそのまま直進しています。これでは屈折していないことになります。
エ: 入射光の向きに対して「垂直な線」から遠ざかるように曲がっています。これはガラスから空気へ出る時の曲がり方です。

空気からガラスに入るときは、垂直な線に近い方へ曲がるため、正解はイです。




1-3:ポリエチレン袋に液体のエタノールを入れて、できるだけ空気が入らないようにして袋の口を閉じ、袋に90℃の湯をかけると、ポリエチレン袋が大きく膨らみました。ポリエチレン袋が膨らんだ理由として最も適当なのは、ア~ウのうちではどれですか。一つ答えなさい。

ア エタノール粒子の大きさが大きくなったから。
イ エタノール粒子の運動が激しくなり、粒子どうしの間隔が広がったから。
ウ エタノール粒子の数が増えたから。



解答 : イ


解説 : この現象は、液体のエタノールが熱によって気体に変わったこと(蒸発・沸騰)で起こります。

ア: 物質が液体から気体になっても、エタノールという粒子自体の大きさは変わりません。
イ: 液体が気体になるとき、粒子は熱エネルギーをもらって激しく動き回るようになります。その結果、粒子どうしの間隔が非常に大きく広がるため、全体の体積が増え、袋が膨らみます。
ウ: 袋を密閉しているため、エタノールが外に逃げたり、新しく増えたりすることはありません。つまり、粒子の数も変わりません。




1-4:原子について説明した文として正しいものは、ア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。

ア 身の回りにあるすべての物質は、原子からできている。
イ 同じ元素であれば、原子核に含まれる中性子の数は必ず等しい。
ウ 原子が電子を1個失うと、マイナスの電気を帯びた陰イオンになる。
エ 原子は、化学変化によって他の種類の原子に変化する。



解答 : ア


解説 : ア:世界に存在するあらゆる物質を細かく分解していくと、最終的には原子という小さな粒にたどり着きます。
イ:同じ元素であっても、中性子の数が異なる原子が存在します。これを同位体と呼びます。例えば、水素には中性子が0個のもの、1個のもの、2個のものがあります。
ウ:電子は「マイナスの電気」を持っています。これを失うということは、相対的にプラスの電気が強くなるため、陽イオンになります。
エ:化学変化では、原子の「組み合わせ」が変わるだけで、原子そのものが別の種類の原子に変わったり、新しく生まれたり、消滅したりすることはありません。




1-5:単子葉類と双子葉類の特徴について、図5のAとBは茎の横断面を、CとDは根のようすを示しています。双子葉類の特徴を示す組み合わせとして最も適当なのは、ア~エのうちのどれですか。一つ答えなさい。



解答 : エ


解説 : ・茎の横断面(A・B)
A:維管束がバラバラに散らばっている これはトウモロコシやイネなどの単子葉類の特徴です。
B:維管束が輪の形に並んでいる これはアサガオやヒマワリなどの双子葉類の特徴です。

・根のようす(C・D)
C:ひげ根 根元から細い根がたくさん出ているタイプで、単子葉類の特徴です。
D:主根と側根 太い根(主根)から細い根(側根)が生えているタイプで、双子葉類の特徴です。




1-6:次の文章の X ~ Z に当てはまることばの組み合わせとして最も適当なのは、ア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。 「ソラマメの種子を発根させて根の細胞を観察すると、種子に近い根もと側よりも、根の先端付近の方が、細胞の大きさは X 。これは、根の先端付近で細胞分裂が行われ、 Y 後、 Z からである。」
ア X 大きい Y それぞれの細胞が成長した Z 細胞の数が増える
イ X 大きい Y 細胞の数が増えた Z それぞれの細胞が成長する
ウ X 小さい Y それぞれの細胞が成長した Z 細胞の数が増える
エ X 小さい Y 細胞の数が増えた Z それぞれの細胞が成長する



解答 : エ


解説 : 根が成長して伸びていくプロセスは、以下の2ステップで成り立っています。
1.「数」を増やす
根の先端付近(成長点)で細胞分裂が起こり、新しい細胞がどんどん作られます。分裂したばかりの細胞は、まだ小さい状態です。
2.「サイズ」を大きくする
増えた小さな細胞が、それぞれ縦にぐんと伸びて成長します。この「膨らみ」が根を押し進める力になります。




1-7:地球から日食が観測できるときと、月食が観測できるときの、地球と太陽と月の並び順として最も適当なのは、ア~ウのうちではどれですか。それぞれ一つ答えなさい。

ア 太陽―地球―月
イ 月―太陽―地球
ウ 太陽―月―地球



解答 : 日食:ウ
月食:ア


解説 : 日食は、月が太陽の前を通り過ぎることで、太陽が隠される現象です。 したがって、太陽と地球の間に月が入り込む形になります。

月食は、地球の影の中に月が入ることで、月が隠される現象です。 したがって、太陽と月の間に地球が入り込む形になります。




1-8:表は、気温とその気温における飽和水蒸気量を示しています。気温が25℃で、空気 1 $m³に含まれる水蒸気の質量が12.8gであるとき、湿度は何%ですか。小数第1位を四捨五入して、整数で答えなさい。



解答 : 55.%


解説 : 湿度(%)=その空気1m³に含まれる水蒸気量[g/m³]/その気温における飽和水蒸気量[g/m³]

12.8/23.1×100=55.411≒55%








■大問2



火成岩と火山の特徴および、地層のでき方について、(1)~(4)に答えなさい。



2-1①:図1は、ある火成岩の組織をスケッチしたものです。①、②に答えなさい。

図1のような火成岩のつくりを何といいますか。



解答 : 斑状組織


解説 : 図7のような火成岩の組織は、斑状組織といいます。斑状組織には、以下の2つの特徴があります。
・斑晶: 図の中で大きくはっきりと描かれている結晶の部分です。
・石基: 斑晶のまわりにある、小さな粒やガラス質で埋め尽くされた部分です。
このような組織は、マグマが地表付近や地上で急激に冷えて固まったときにできる「火山岩」によく見られます。




2-1②:図1の火成岩のでき方を説明した次の文章の S ~ U に当てはまることばの組み合わせとして最も適当なのは、ア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。
「地下深くのマグマの中で鉱物が成長し、比較的大きな S ができる。そのマグマが地表の近くに上昇すると、 T 冷やされるため、 S を取り囲むように小さな鉱物やガラスの部分である U ができる。」

ア S:斑晶 T:ゆっくり U:石基
イ S:斑晶 T:急に U:石基
ウ S:石基 T:ゆっくり U:斑晶
エ S:石基 T:急に U:斑晶



解答 : イ


解説 : ・S(斑晶): 地下深くでマグマがゆっくり冷えている間に、じっくりと大きく育った結晶のことです。
・T(急に): マグマが地表付近に上がってくると、まわりの温度が低いため、残りの液体部分が急激に冷やされます。
・U(石基): 急に冷やされたことで大きな結晶になれなかった、非常に小さな粒やガラス質の部分のことです。
この「急に冷えて固まる」ことでできる岩石を火山岩と呼びます。これに対して、地下深くで「ゆっくり」冷えてすべてが大きな粒になった岩石は深成岩と呼ばれます。




2-2:表は、特徴の異なる三つの火山で採集した3種類の火成岩Ⅰ~Ⅲに含まれる無色鉱物と有色鉱物の割合をまとめたものです。図2に示す三つの火山の特徴は、それぞれ表の火成岩Ⅰ~Ⅲを採集した火山の特徴のいずれかに対応しています。表の火成岩Ⅰを採集した火山の特徴は、図2のア~ウのうちのどれですか。一つ答えなさい。また、火成岩Ⅰを採集した火山がそのような特徴をもつ理由を、解答欄の書き出しに続けて説明しなさい。



解答 : 特徴:ウ
火成岩Ⅰに含まれる無色鉱物の割合は、90%と大きいので、岩石のもととなるマグマの粘り気が非常に大きく、溶岩が流れにくいため。


解説 : 表を見ると、火成岩Ⅰは無色鉱物(白っぽい)が90%と非常に多いです。白っぽい岩石ほど、もとのマグマの粘りけが強いです。
つまり、火成岩Ⅰのもととなるマグマは、粘りけが非常に強いです。そのため、噴火しても遠くまで流れていきません。
その結果、火口のまわりで「ドロドロ」と盛り上がって固まるため、ウ(ドーム状)のような急な形の火山になります。




2-3:図3は、ある露頭で観察できる地層のようすを模式的に示したものです。図3の地層ができるまでに起こったア~オのできごとを、起こった年代が古い順に左から並べなさい。ただし、図3の地層では地層の上下の逆転はないものとし、X面は、過去に風化、侵食の影響を受けた不規則な凹凸面です。


ア 火山灰が堆積した。
イ A層が堆積した。
ウ B層が堆積した。
エ 地震により断層ができた。
オ X面が形成された。



解答 : ウアエオイ


解説 : 地層は基本的に「下にあるものほど古い」というルール(地層累重の法則)に従って判断します。
ウ: 一番下にあるB層が最初に積もりました。
ア: B層の上に火山灰の層が積もりました。
エ: 断層を見ると、B層と火山灰の層が一緒にズレていますが、その上のX面やA層はズレていません。つまり、断層はX面ができる前に発生したことがわかります。
オ: 堆積した地層が一度陸に上がって削られ、デコボコしたX面ができました。
イ: 再び沈降して、一番上にA層が積もりました。



2-4:図4は、ボーリング調査が行われた地点A~Cの位置を示した略地図であり、曲線は等高線を、数値は標高を示しています。また、図5は、図4の地点Aと地点Cで行ったボーリング調査の結果を、柱状図にまとめたものです。図4の地点Bで行ったボーリング調査の結果を、柱状図にまとめたものとして最も適当なのは、ア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。ただし、図4の地域の地層は水平であり、地層の上下の逆転やしゅう曲、断層はないものとします。



解答 : ウ


解説 : ☆ポイント
「凝灰岩の深さ」と「地層の重なる順番」の両方をチェックする。

まず、地点Bのどの深さに凝灰岩があるかを計算します。
・地点A:標高280mで、深さ80mに凝灰岩がある(280-80=標高200m)
・地点C:標高240mで、深さ40mに凝灰岩がある(240-40=標高200m)
・地点B:標高260mなので、同じ標高200mに凝灰岩があるなら、深さ60m(260-200)にあるはずです。
この時点で、深さ60mに凝灰岩がある ア か ウ に絞られます。
次に、凝灰岩の「上」と「下」に何があるかを見ます。図5の地点AとCを比べると、地層はどこも同じ順番で積み重なっていることがわかります。
ア:深さ60mに凝灰岩があるが、その上が「泥岩」になっているので違います。
ウ:深さ60mに凝灰岩があり、その上が「れき岩」になっているので正解です。








■大問3



奈津さんと栄一さんは、食事と栄養についてのポスター作成のために話し合いをしています。(1)~(3)に答えなさい。

<話し合い>
奈津:理科の授業で、(a) 食物中に含まれる物質は、消化酵素によって体内に吸収されやすい物質に分解され、(b) 小腸などで吸収されると学んだよ。食物に含まれる物質によって、分解や吸収のされ方が違っていたよね。
栄一:よし、家庭科の調理実習でつくったブタ肉のショウガ焼きを題材にして、食物に含まれる物質がどのようにからだに取り込まれるかをまとめてみよう。
奈津:ブタ肉に含まれるおもな成分は、タンパク質と脂肪だね。調理法や食物の組み合わせによって、栄養素の吸収効率が変わると聞いたよ。
栄一:調理実習のときに先生が、ショウガには消化酵素が含まれていて、ブタ肉を柔らかくするはたらきもあると言っていたよ。ショウガの絞り汁に含まれる消化酵素は、タンパク質や脂肪の分解に影響するのかな。
奈津:(c) ブタのタンパク質からできているゼラチンのゼリーと、ブタの脂肪からできているラードの塊を使って、ショウガの絞り汁に含まれる消化酵素について、実際に調べてみよう。

下線部(a)について、①、②に答えなさい。



3-1①:だ液に含まれる消化酵素と、それによって分解される物質の組み合わせとして最も適当なのは、ア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。



解答 : エ


解説 : 消化酵素の名前:アミラーゼ
だ液に含まれる消化酵素はアミラーゼと呼ばれます。
分解される物質:デンプン
アミラーゼは、ごはんやパンに含まれる「デンプン」を、より小さい糖に分解するはたらきがあります。




3-1②:脂肪は、すい液に含まれるリパーゼによって二つの物質に分解されます。脂肪がリパーゼによって分解されてできるのは、モノグリセリドと何という物質ですか。



解答 : 脂肪酸


解説 : 脂肪がリパーゼによって分解されてできる物質は、脂肪酸とモノグリセリドです。




下線部(b)について、①、②に答えなさい。



3-2①:次の文章の [ P ] と [ Q ] に当てはまる適当な語や内容を、それぞれ答えなさい。
「消化酵素により分解された物質は、小腸内側の壁から吸収される。小腸内側の壁にはひだがあり、その表面には [ P ] という小さな突起がみられる。ひだや [ P ] があることで、小腸内側の壁の [ Q ] なるため、生命活動に必要な物質を効率よく吸収することができる。」



解答 : P 柔毛
Q 表面積が大きく


解説 : 小腸の内側にはたくさんの「ひだ」があり、さらにその表面を覆っている無数の小さな突起が 柔毛です。
もし小腸の壁がツルツルの土管のような形だったら、栄養が触れる面積は限られてしまいます。しかし、ひだや柔毛があることで、壁の 表面積が非常に大きくなります。
面積が広がると、それだけ多くの栄養分が一度に壁に触れることができるため、効率よくスピーディーに吸収できる仕組みになっています。




3-2②:吸収された物質が、どのように運搬されたり、利用されたりするのかを説明した文として誤っているのは、次のア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。

ア 血管を通って細胞に運ばれたブドウ糖などから、細胞呼吸(細胞による呼吸)によってエネルギーが取り出される。
イ ブドウ糖の一部は、肝臓でグリコーゲンという物質に合成されて蓄えられる。
ウ アミノ酸の一部は、タンパク質に合成されて必要な場所に送られる。
エ 脂肪がリパーゼによって分解されてできた二つの物質は、吸収された後、再び脂肪になってリンパ管に入る。



解答 : イ


解説 : ブドウ糖の一部は、肝臓でグリコーゲンに合成されて蓄えられます。しかし、肝臓でけでなく筋肉にもグリコーゲンとして蓄えられます。




下線部(c)について、図12のように試料Aを試料Bの中に入れ、試料Aに変化が起こるかを調べる実験を計画しました。表2のように条件を考え、対照実験として条件Ⅲと条件Ⅳを設定しようとしています。①、②に答えなさい。ただし、ショウガの絞り汁は加熱していないものを使用し、ゼラチンのゼリーやラードの塊に影響を与えない温度で実験を行うものとします。



3-3①:対照実験である条件Ⅲと条件Ⅳの試料Bとして、何を準備すればよいと考えられますか。表2の [  ] に入る適当な内容を答えなさい。



解答 : 水


解説 : 実験で「ショウガの効果」を確かめたいときは、「ショウガがあるとき」と「ショウガがないとき」を比べる必要があります。
もし「水だけ」に入れたゼリーが溶けず、「ショウガ入りの水」に入れたゼリーだけが溶ければ、「ゼリーが溶けたのはショウガの力だ」とはっきり証明できるからです。このように、調べたいもの以外を同じ条件にすることを「対照実験」と言います。




3-3②:結果の a ~ d には、「変化あり」、「変化なし」のどちらかが入ります。ショウガの絞り汁に含まれる消化酵素がタンパク質のみを分解している場合、どのような結果が予想されますか。表2の a ~ d の結果として予想されるものが、「変化あり」の場合は「○」を、「変化なし」の場合は「×」を、それぞれ書きなさい。



解答 : a ○
b ×
c ×
d ×


解説 : ショウガの酵素は「タンパク質のみ」を分解します。
a: ゼラチンはタンパク質なので、ショウガによって分解されます。よって「○(変化あり)」です。
b: ラードは脂肪です。ショウガは脂肪を分解できないので、そのまま残ります。よって「×(変化なし)」です。
c・d: どちらも分解する酵素が入っていないため、ゼリーもラードも変化しません。よってどちらも「×(変化なし)」となります。








■大問4



次は、科学部に所属する太郎さんのレポートの一部です。(1)~(5)に答えなさい。

<太郎さんのレポートの一部>
生活に欠かせない (a)金属の多くは、自然界において単体ではなく酸化物などの化合物として鉱石中に存在している。鉱石から金属の単体を取り出す製錬では、 (b) 酸化物から酸素を取り除く反応が利用されている。そこで、酸化銅(CuO)から酸素を取り除く、次のような【実験】を行った。
【実験】
1 図13のような装置を用意し、表3のように、黒色の酸化銅の粉末 6.00gと黒色の炭素粉末を混合して入れた試験管A~Eをガスバーナーで加熱する。
2 各試験管内の反応が完全に止まった後に、石灰水からガラス管を取り出して加熱をやめ、 (c)ピンチコックでゴム管を閉じて、密閉する。
3 試験管が十分に冷えてから、試験管の中に残った固体の質量を測定する。




【結果と考察】
試験管の中には赤色の銅ができており、発生した気体により石灰水が白くにごったことから、二酸化炭素が発生したことも確認できた。
加熱後の試験管の中に残った固体の質量は、表3のようになった。質量保存の法則が成り立つことを前提に考えると、加熱後の試験管Aの中に残る固体の質量は、反応前後で変わらず 6.15g となるはずであったが、実際に残った固体の質量は 5.60g であった。これは、反応により生じた物質の一つが二酸化炭素だったためだと考えられる。試験管に入れた酸化銅と炭素を合わせた質量から、加熱後の試験管の中に残った固体の質量を差し引くと、発生した二酸化炭素の質量が得られる。



4-1:下線部(a)について、金属の元素は次のア~オのうちではどれですか。一つ答えなさい。

ア H
イ Zn
ウ O
エ C
オ Cl



解答 : イ


解説 : ア:H (水素)… 気体(非金属)
イ:Zn (亜鉛)… 金属
ウ:O (酸素)… 気体(非金属)
エ:C (炭素)… 固体(非金属)
オ:Cl (塩素)… 気体(非金属)




4-2:下線部(b)のような化学変化を何といいますか。



解答 : 還元


解説 : もともと酸素とくっついていた「酸化銅」が、酸素を奪われて「銅」に戻ります。このように、酸化物から酸素が取れる変化を還元と呼びます。
一方で、混ぜた「炭素」は、酸化銅から奪った酸素とくっついて「二酸化炭素」になります。酸素とくっつく変化は酸化といいます。




4-3: 酸化銅(CuO) と炭素が反応して銅と二酸化炭素が生じるときの反応を、化学反応式で表しなさい。



解答 : 2CuO+C→2Cu+CO₂


解説 : 化学反応式では、矢印の左側と右側で、粒の数をそろえる必要があります。
二酸化炭素ができるためには、酸素が2つ必要です。
酸化銅1つには酸素が1つしかないので、全体を2つ用意して、酸素を2つ確保します。左側で酸化銅を2つにしたので、右側の銅も2つにして完成です。




4-4:【実験】において、下線部(c)の操作を行わなかった場合、試験管の中にできた銅の一部が再び黒くなります。その理由を説明した次の文の [  ] に適当な内容を答えなさい。
「試験管の中の銅が、[            ] ため。」



解答 : 空気中の酸素により、再び酸化する。


解説 : 加熱直後の赤い銅は非常に温度が高く、まわりの物質と反応しやすい状態にあります。
このときピンチコックを閉めないと、外から空気中の酸素が試験管の中に入り込んでしまいます。その酸素が熱い銅と再び結びついて酸化が起こり、黒い酸化銅に戻ってしまうため、密閉して防ぐ必要があります。




【結果と考察】をもとに、①~③に答えなさい。ただし、【実験】では酸化銅と炭素の間でのみ反応が起こり、どの試験管でも酸化銅と炭素の少なくとも一方は、完全に反応したものとします。



4-5①:加熱後の試験管Aの中に残った固体として最も適当なのは、次のア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。

ア 銅のみ
イ 炭素のみ
ウ 炭素と銅
エ 銅と酸化銅



解答 : エ


解説 : 試験管A〜Cにかけて炭素の量を増やすほど、反応後の固体の質量が減っているため、Aではまだ炭素が足りず酸化銅が反応しきれずに残っていることがわかります。
反応が最も進んで残りカスが最小(4.80g)になるのは試験管Cであり、それより炭素が少ないAやBでは未反応の黒い酸化銅が混ざっています。
したがって、試験管Aの中には、反応でできた赤色の銅と、反応せずに残った黒色の酸化銅の2種類が存在しています。




4-5②:混合した炭素の質量(横軸)と発生した二酸化炭素の質量(縦軸)の関係を表したグラフを、解答欄の図にかきなさい。



解答 :


解説 : 「反応前の合計質量」から「反応後の固体の質量」を引くと、逃げていった二酸化炭素の質量がわかります。
A:(6.00+0.15)-5.60=0.55g
B:(6.00+0.30)-5.20=1.10g
C:(6.00+0.45)-4.80=1.65g
D:(6.00+0.60)-4.95=1.65g
E:(6.00+0.75)-5.10=1.65g

計算結果をもとに、以下の手順でグラフをかきます。
1.炭素が0.45gまでは、炭素の量が増えるほど二酸化炭素も比例して増えるため、原点(0, 0)から(0.45, 1.65)までを直線で結びます。
2.炭素が0.45gを超えると、酸化銅がすべて反応しきって二酸化炭素の発生が止まるため、そこからは真横に一直線を引きます。
3.つまり、炭素0.45gの地点で折れ曲がる「山形(右上がりのあと水平)」のグラフになります。




4-5③:酸化銅の粉末 8.00g と炭素粉末 0.60g を混合して、同様の【実験】を行ったとき、加熱後の試験管の中に残る固体の質量は何gになりますか。



解答 : 6.4g


解説 : 酸化銅:炭素=6.00:0.45=40:3
40:3=8.00:x40x=24x=0.60g
今回の実験では炭素をちょうど 0.60g 混ぜているので、酸化銅 8.00g と炭素 0.60g は、どちらも余ることなくぴったりすべて反応することがわかります。
「反応前の合計質量」から「逃げていった二酸化炭素の質量」を引けば答えが出ます。試験管Cの結果から、酸化銅6.00gが反応すると銅が 4.80g(炭素 0.45g は二酸化炭素になって消えるため)残ることがわかっています。
酸化銅6.00g からできる銅=4.80g
酸化銅8.00g からできる銅=4.80×8.00/6.00=6.40g








■大問5



花子さんは、物体にはたらく力と物体の運動について調べるために、実験Ⅰと実験Ⅱを行いました。⑴~⑸に答えなさい。ただし、力学台車と球が受ける摩擦や空気の抵抗、および記録テープの重さや摩擦は考えないものとします。
実験Ⅰ
・図1のように、水平な机に力学台車を置き、記録タイマー(1秒間に60回打点するもの)に通した記録テープを力学台車にとりつけた。
・力学台車を手で押し、しばらくしてから手を離した。
・力学台車の運動が記録された記録テープを6打点ごとに区切り、長さを図2のようにまとめた。

実験Ⅱ
・図3のようなレールを用いた装置を作成し、レールの水平部分に木片を置いた。
・レールの斜面上に、球を静かに置いて手を離すと、球はレールに沿って移動し、木片と衝突して木片を動かしたのち、木片とともに静止した。
・レールの斜面上の点A~Dの位置に、同じ球を静かに置いて手を離し、球の衝突によって、木片が動いた距離をそれぞれ測定した。



5-1:物体に力がはたらいていないか、力がはたらいていても、はたらいている力がつり合っているとき、運動している物体は等速直線運動を続け、静止している物体は静止し続けます。この法則を何といいますか。



解答 : 慣性 の法則


解説 : 止まっているものはいつまでも止まろうとし、動いているものはそのままの速さで真っ直ぐ進み続けようとする、物体が持つ「今の状態を保とうとする性質」を慣性といいます。
今回の問題のように、物体に力が加わっていないときに、この性質がそのまま現れることを慣性の法則と呼びます。




5-2:実験Ⅰにおいて、力学台車が等速直線運動をしているときの、力学台車の速さは何cm/sですか。



解答 : 50 (cm/s)


解説 : 図2のグラフを見ると、後半の3つの柱がいずれも「5.0cm」で一定になっており、ここが速さの変わらない等速直線運動の区間であることがわかります。
記録タイマーは1秒間に60回打点するので、6打点ごとの時間は
6÷60=0.1 秒 にあたります。
「速さ = 距離 ÷ 時間」の公式より、
5.0÷0.1=50 cm/s




5-3:図4の矢印は、斜面上の球にはたらく重力の大きさと向きを模式的に表したものです。球にはたらく重力を、斜面に平行な方向と斜面に垂直な方向に分解したときの分力を、解答欄に矢印でそれぞれかきなさい。



解答 :


解説 : ・作図の手順
1.補助線を引く
重力の矢印の先端から、斜面に対して平行な補助線と、垂直な補助線を点線などで引きます。
2.長方形を作る
斜面と補助線によって囲まれた長方形を作ります。
3.分力の矢印をかく
球の中心から、先ほど引いた補助線と斜面の交点に向かって、それぞれ矢印をかき入れます。




5-4:実験Ⅱについて、点A~Dの位置で球を離したときの、木片が動いた距離を表しているものとして最も適当なのは、ア~エのうちではどれですか。一つ答えなさい。



解答 : ウ


解説 : 初めに、高さと距離の関係を確認します。
球が高い位置にあるほど大きなエネルギーを持ち、木片を動かす距離も長くなります。図3を確認すると、高さは A(40cm)> B(30cm)> C(20cm)> D(10cm) の順に低くなっています。
木片が動く距離は、球の高さ(位置エネルギー)に比例するので、グラフの長さも Aが一番長く、Dに向かって短くなっていく形になります。
したがって、AからDに向かって階段状に短くなっているウが、高さの比率(4:3:2:1)と一致します。




自転車専用のコース(トラック)を走る自転車トラックレースを観戦した花子さんが、先生と会話をしています。①、②に答えなさい。
〈会話〉
花子:自転車トラックレースを観戦していて疑問に思ったのですが、走路の傾斜にはどんな意味があるのでしょうか。
先生;自転車トラックレースの走路の傾斜を模式的に表すと、図5のようにトラックの内側は低く、外側になるほど高くなっています。トラックの外側を走る選手は、内側を走る選手よりも高い位置にいることになりますね。
花子:高い位置にいるということは、低い位置へ移動するとき、内側の選手よりも大きな「」から、速さが大きくなるのですね。そういえば、外側から内側へ下って、内側の選手を追いこす場面がありました。
先生:傾斜をそのように利用することができます。



5-5①:〈会話〉の「」に適当な内容を、「変換」と「エネルギー」という語を用いて答えなさい。



解答 : 位置エネルギーをもっており、それが運動エネルギーに変換される


解説 : 高いところにいる選手は大きな位置エネルギーを持っており、斜面を下ることでそれが運動エネルギーへと変換されます。
もともとの位置が高いほど、変換されるエネルギーの総量が多くなるため、低い位置にいる選手よりも最終的な速さを大きくすることができます。
つまり、コースの高低差を利用して「位置エネルギー」を「速さ」に効率よく変えることで、追い越しなどに役立てているのです。




〈会話のつづき〉
先生:他にも、自転車トラックレースでは、スピードを維持したままコーナーを曲がる必要があります。図6の模式図のように、トラックを進む物体(○)を上から見てみましょう。傾斜がない場合、コーナーに入ると、物体はAの方向に進み続けようとするため、トラックの外側の方へと進み、コースから外れそうになります。
花子:もしかして、傾斜があるとコースから外れにくくなるのですか。図6において、Bの向き、つまりトラックの内側に向けて力がはたらいていれば、スピードを維持したままコーナーを曲がることができそうです。
先生:良いところに着目しましたね。図7の模式図のように、走路を進む物体(○)を進行方向の真後ろから見てみましょう。物体が同じ高さのまま前方に進んでいるとき、傾斜がない場合とある場合における、物体にはたらく垂直抗力の向きに注目して、考えてみてください。





5-5②:花子さんは、走路上を進む物体にはたらく力について、図7を使って次のように考えました。X~Zに入る最も適当な力の向きは、図7の矢印a~eのうちのどれですか。それぞれ答えなさい。
・走路に傾斜がない場合
垂直抗力はXの向きにはたらき、fの向きの力とつり合っている。
・走路に傾斜がある場合
垂直抗力はYの向きにはたらき、Xの向きとZの向きに分解することができる。物体が同じ高さのまま前方に進むとき、Xの向きの力とfの向きの力はつり合っている。結果として、垂直抗力を分解したZの向きの力が、トラックの内側にはたらく力として残るので、コーナーを曲がりやすくなる。



解答 : X b Y c Z d


解説 : 傾斜がない場合(X): 面に対して垂直な力なので、真上の b が垂直抗力となります。

傾斜がある場合(Y): 物体が接している斜面に対して直角にはたらく力が垂直抗力なので、図7右側の向きでは c が正解です。

力の分解(Z): 斜めにはたらく垂直抗力 c を分解すると、上向きの力(重力とつり合う力)と、トラックの内側を指す水平な力 d に分けることができます。




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