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■問題PDF 



令和7年度_学力検査問題過去問【青森】- 理科


■目次 


大問1
大問2
大問3
大問4
大問5
大問6






■大問1



1-1ア:1 次の(1)~(4)に答えなさい。

(1) シダ植物について、次のア、イに答えなさい。
ア右の図は、イヌワラビの葉の裏側に見られるつくりを表したものである。図のPの名称を書きなさい。



解答 : 胞子のう


解説 : 図はイヌワラビなどのシダ植物の葉の裏側に見られる、胞子を形成・放出するためのつくりを表しています。
図のPが指し示しているのは、葉の裏に集まって見える小さな袋状の構造、すなわち胞子が入っている袋(胞子のう)です。




1-1イ:イシダ植物と種子植物の共通の特徴について述べたものとして最も 適切なものを、次の1~4の中から一つ選び、その番号を書きなさい。
1 根、茎、葉の区別がある。
2 花をさかせる。
3 胚珠がむき出しになっている。
4 雄株,雌株がある。



解答 : 1


解説 : 1.シダ植物と種子植物は、増え方は違いますが、体のつくりには共通点があります。最も適切な共通の特徴は根、茎、葉の区別があることです。
2.これは種子植物だけの特徴です。シダ植物は花を咲かせません。
3.これは裸子植物の特徴です。シダ植物は胚珠を持ちません。
4.これを持つ植物もいますが、両方の器官を一つの株に持つ植物も多いので、すべてのシダ植物と種子植物に共通する特徴ではありません。




1-2ア:(2) 被子植物の生殖について、次のア、イに答えなさい。
ア 生殖細胞がつくられるとき、染色体の数が親の細胞の染色体の数の半分になる細胞分裂が行われる。この細胞分裂を何というか、書きなさい。



解答 : 減数分裂


解説 : 生殖細胞がつくられるとき、染色体の数が親の細胞の染色体の数の半分になる細胞分裂を減数分裂といいます。
これは、受精によって精細胞と卵細胞が合体したときに、子の染色体の数が親と同じになるように、あらかじめ染色体数を半分にするための細胞分裂です。




1-2イ:(2) 被子植物の生殖について、次のア、イに答えなさい。
ア 生殖細胞がつくられるとき、染色体の数が親の細胞の染色体の数の半分になる細胞分裂が行われる。この細胞分裂を何というか、書きなさい。



解答 : 減数分裂


解説 : 生殖細胞がつくられるとき、染色体の数が親の細胞の染色体の数の半分になる細胞分裂を減数分裂といいます。
これは、受精によって精細胞と卵細胞が合体したときに、子の染色体の数が親と同じになるように、あらかじめ染色体数を半分にするための細胞分裂です。




1-3ア:(3) 右の図は、日本付近における天気図の一部である。温帯低気圧にともなう二つの前線X、Yについて、次のア、イに答えなさい。

※図3問題の図 ア図のA-B間における断面を模式的に表したものとして最も適切なものを、次の1~4の中から一つ選び、その番号を書きなさい。
選択肢
※図4問題の図



解答 : 3


解説 : 図は温帯低気圧の天気図で、低気圧の中心の左側(西側)に寒冷前線(X)、右側(東側)に温暖前線(Y)があります。
A-Bの線が低気圧の中心を横切っていないため、A-Bの断面図は、温帯低気圧全体の構造(寒冷前線 → 暖気 → 温暖前線)を模式的に表したものになります




1-3イ:イ下の文は、前線X Yが通過するときの雨の降り方について述べたものである。文中の( )に入る適切な内容を、雨の降る強さと雨の降る時間に着目して書きなさい。

前線Xが通過するときの方が、前線が通過するときよりも( )。



解答 : (例)強い雨が短時間に降る


解説 :
・寒冷前線 (X):寒気が暖気を急激に押し上げるため、積乱雲ができます。寒冷前線では、強い雨が、短い時間に降ります。
・温暖前線 (Y):暖気が寒気の上を緩やかに這い上がるため、乱層雲ができます。温暖前線では、弱い雨が、長い時間に降ります。




1-4ア:(4) 右の図は、10月上旬から中旬の18時に同じ場所で、 月を観測し、スケッチしたものであり、下の文章は、月の見え方について述べたものである。次のア、イに答えなさい。

※図5問題の図

月が満ち欠けするのは、太陽と地球と月の位置関係が、月の①とともに変わるからである。また、同じ時刻に見える月が西から東へ位置を変えていくのは、地球の北極側の宇宙空間から見たとき、月が地球のまわりを、②回りに ①しているからである。

ア文章中の①、②に入る語の組み合わせとして適切なものを、次の1~4の中から一つ選び、その番号を書きなさい。

1.①自転 ②時計
2.①公転 ②時計
3.①自転 ②反時計
4.①公転 ②反時計



解答 : 4


解説 :
①公転:月が満ち欠けするのは、太陽と地球と月の位置関係が、月の公転とともに変わるからです。
②反時計:月は地球の周りを反時計回りに公転しています。そのため、同じ時刻に観察すると、月の位置は毎日少しずつ西から東へずれていきます。




1-4イ:イ 月が南中する時刻は1日に何分変化すると考えられるか、求めなさい。ただし、同じ時刻に見える月は、1日につき12°ずつ位置が変わるものとする。



解答 : 48[分]


解説 : 地球は1日に360°回転しており、これが24時間に対応します。
1°回転するのにかかる時間は
24時間/360°=60分/15°=4分/1°
つまり、地球は1°を4分かけて自転します。
月が毎日12°ずつ東へずれるということは、月が南中するためには、地球が12°分余計に自転する必要があるということです。
この12°を自転するのにかかる時間が、南中時刻の遅れとなります。
南中時刻の変化=12°×4分=48分










■大問2



2-1:2 次の(1)~(4) に答えなさい。
(1)水50.0cm³が入ったメスシリンダーに鉄球を沈めると、液面が右の図ようになっ た。この鉄球の質量は何gか、小数第二位を四捨五入して求めなさい。ただし、鉄の密度は7.87g/cm³であるものとする。

※図6問題の図



解答 : 94.4[g]


解説 : もと水の体積は50.0cm³であり、図より鉄球を沈めた後の目盛りは62.0なので、
鉄球の体積=62.0-50.0=12.0cm³ となります。
鉄の密度は7.87 g/cm³です。
質量は、「質量 = 密度 × 体積」の公式で求められるので、
鉄の質量=7.87×12.0=94.44≒94.4




2-2ア:(2) 原子とイオンについて、次のア、イに答えなさい。
ア下の文章は、原子のなり立ちについて述べたものである。文章中の①、②に入る適切な語を書きなさい。

原子は、+の電気をもつ原子核と、−の電気をもつ①からできている。また、原子核は、+の電気をもつ②と電気をもたない中性子が集まってできている。



解答 : ①電子 ②陽子


解説 : 原子の中心には、原子核があります。これは、全体として+の電気を持っています。
原子核はさらに、+の電気を持つ②陽子と、電気を持たない中性子が集まってできています。
また、原子核の周りには、ーの電気を持つ①電子が回っています




2-2イ:イ塩化銅が水に溶けて電離しているときのようすを、粒子のモデルで模式的に表した図として適切なものを、次の1~4の中から一つ選び、その番号を書きなさい。ただし、○はCu²⁺1個を、●は Cl⁻1個を表すものとする。
選択肢
※図7問題の図



解答 : 2


解説 : 塩化銅(CuCl²)が水に溶けて電離するとき、銅イオンと塩化物イオンは 1:2 の比率で存在します。




2-3ア:(3)2種類のばねX、Yについて、それぞれのばねに、質量20gのおもりRをつるし、おもりRの個数を変えながら、ばねの伸びを測定した。下の表は、その結果をまとめたものである。次のア、イに答えなさい。ただし、ばねの質量は考えないものとする。

※図8 問題の図

ア下の文章は、ばねの伸びとばねを引く力の大きさとの関係について述べたものである。文章中の①に入る適切な語を書きなさい。また、②に入る適切な数値を求めなさい。

ばねの伸びは、ばねを引く力の大きさに比例している。この関係を①の法則という。 表より、ばねXとばねYの伸びが同じとき、ばねXを引く力の大きさは、ばねYを引く力の大きさの②倍であることがわかる。



解答 : ①フック ②0.80


解説 : ①ばねの伸びは、ばねを引く力の大きさに比例している。この関係をフックの法則という。フックの法則は、弾性限界を超えない範囲で、ばねの伸びは、加えた力の大きさに比例するという物理の法則です。
②伸びが同じになるためには、伸びやすいばねYの方が、硬いばねXよりも大きな力が必要です。力の大きさの比率は、それぞれのばねの「おもり1個あたりの伸び」の逆の比になります。
力の比= ばねYの伸び/ばねXの伸び
ばねXの力=ばねYの力× 1.6 cm/2.0 cm=4/5=0.8
したがって、ばねXを引く力の大きさは、ばねYを引く力の大きさの0.8倍です。




2-3イ:イ おもりRとは異なる質量のおもりSを準備し、おもりR3個とおもりS2個を、ばねYにつるしたところ、ばねの伸びは$10.4cmであった。おもりS1個の質量は何gか、求めなさい。



解答 : 35[g]


解説 : おもりRが3個とおもりSが2個をばねYにつるすとばねの伸びが10.4cmになっています。
おもりR3個のとき、表よりばねYの伸びは4.8cmになるので、おもりS2個のときのばねYの伸びは10.4-4.8=5.6cm となります。
したがって、おもりS1個のときのばねYの伸びは、5.6÷2=2.8cm です。
ここで、おもりRとSのそれぞれのばねYの伸びとの比で求めると、
おもりR1個の質量:おもりR1個を吊るした時のばねYの伸び=おもりS1個の質量:おもりS1個を吊るした時のばねYの伸び
20:1.6=□:2.8
□=35

※図9解説の図




2-4ア:(4) 右の図の装置を用いて、コイルに矢印の向きに電流を流した。このとき、磁針A~EのN極はすべて北以外の方向を指していた。次のア、イに答えなさい。

※図10問題の図 ア A. BのN極は、それぞれ東、西、南の中のどの方向を指しているか、書きなさい。



解答 : A:東 B:西


解説 : ※この問題は、コイルに電流を流したときに発生する磁界の向きを特定する問題です。磁界の向きは、右ねじの法則を使って解きます。また、磁力線は、N極(北)から出て、S極(南)へ入るように流れます。

A:A地点は、N極(北)から出てS極(南)へ戻ろうとする磁力線の通り道にあります。磁力線は北から出て、コイルの外側を大きく回ってS極(南)へ戻ります。
したがって、A地点では、磁力線はコイルの中心(東)に向かって進んでいる途中です。

B地点:B地点も、N極(北)からS極(南)へ向かう磁力線が通っています。磁力線はコイルの上側を通るとき、北から南へ戻る途中で西側にカーブしているため、N極は西を指します。




2-4イ:イアの状態から、いくつかの操作を変えたときの磁針のようすとして適切なものを、次の1~4の中からすべて選び、その番号を書きなさい。
1 電流の大きさを0にしたとき、A~EのN極はすべて北の方向を指した。
2 電流の向きを変えずに、電流の大きさを大きくしたとき、CのN極は南の方向を指した。
3 電流の大きさと向きを変えずに、Dを南の方向に遠ざけると、DのN極は東の方向を指した。
4 電流の大きさを変えずに、電流の向きを逆にしたとき、EのN極は西の方向を指した。



解答 : 1,4


解説 :
1:電流を0にしたときは、電磁石の磁力は消え、磁針は地球の磁界の影響だけを受けます。地磁気により、磁針のN極はすべて北を指します。よって1は適切です。
2:電流の向きを変えずに、電流の大きさを大きくすると、磁界の向きは変わらず、強さだけが強くなります。CのN極の向きは変わりません。つまり南を指すことはありません。よって2は不適切です。
3:電流は変えずにDを南の方向に遠ざけるとDはコイルの内部にある限り、磁界の向きは基本的に北のままです。遠ざけても東を指すことはありません。よって不適切です。
4. 電流の向きを逆にすると電磁石のN極とS極が反転します。コイル内部(Eの位置)の磁界の向きは、新しいN極の向きである西を指すのが自然です。よって適切です。










■大問3



3-1ア:3 からだが動くしくみについて、次の(1) (2) に答えなさい。
(1) からだが刺激を受け取ってから、反応が起こるまでにかかる時間を調べるために、下の実験を行った。次のア、イに答えなさい。

実験
手順1 10人で、図1のように手をつないだ。
手順2 Aさんは右手でストップウォッチをおすと同時に、左手でBさんの右手をにぎった。その後、Cさんヘストップウォッチを渡した。
手順3 最初に右手をにぎられたBさんは、すぐに左手でとなりの人の右手をにぎるというように、次々に続けていった。
手順4 最後のCさんは右手をにぎられたら、すぐに左手でストップウォッチを止め、時間を記録した。
図1
※図11問題の図

※図12問題の図
ア 手をにぎられるという刺激を受け取った感覚器官の名称を書きなさい。



解答 : 皮膚


解説 : 手をにぎられるという刺激(圧覚や触覚)を受け取る感覚器官は皮膚です。




3-1イ:イ下の文は、実験の結果について述べたものである。文中の①、②に入る適切な数値を、書きなさい。

5回の平均時間は①秒であるので、手をにぎられた人数で割ると、刺激を受け取ってから反応が起こるまで、1人当たり②秒かかることがわかる。



解答 : ①2.43 ②0.270


解説 : ① 実験の記録時間(※図12)の合計を求め、試行回数で割ります。
5回の合計時間=2.53+2.51+2.41+2.34+2.36=12.15 秒
 平均時間=12.15 秒/5回=2.43 秒
② 実験に参加した人数は10人ですが、手をにぎられるという刺激を受け取って、次の人ににぎり返すという反応を行った人数は、9人です。
1人当たりの反応時間は、平均時間を反応した人数で割って求めます。
1人当たりの反応時間= 平均時間/反応した人数=2.43/9=0.270秒




3-2ア:(2) 図2は、熱いものに手が触れて、とっさに腕が曲がり、熱いものから手がはなれたときの腕の骨と筋肉を模式的に表したものである。次のア〜ウに答えなさい。
図2
※図13問題の図
ア 下線部のように、刺激に対して、意識とは無関係に決まった反応が起こることを何というか、書きなさい。



解答 : 反射


解説 : 熱いものに手が触れたときのように、刺激に対して意識とは無関係に起こる決まった反応を反射といいます。




3-2イ:イ下の文は、図2について述べたものである。文中の①~③に入る語の組み合わせとして適切なものを、次の1~4の中から一つ選び、その番号を書きなさい。

やかんから手がはなれたのは、筋肉Pが①、筋肉Qが②ことで、骨と骨のつなぎ目である③が動いたからである。
1:①ゆるみ ②縮む ③けん
2:①縮み ②ゆるむ ③けん
3:①ゆるみ ②縮む ③関節
4:①縮み ②ゆるむ ③関節



解答 : 4


解説 : 腕を曲げる(手が熱いものから離れる)とき、腕の外側にある筋肉P(上腕二頭筋など)と腕の内側にある筋肉Q(上腕三頭筋など)が互いに逆の働きをします。
やかんから手が離れた時は腕が曲がっています。
腕の外側にある筋肉Pは、縮むことで腕を曲げる働きをします。したがって、筋肉Pは①縮みます。
腕の内側にある筋肉Qは、腕が曲がるのに合わせて②ゆるみます。
また、骨と骨のつなぎ目で、動作に合わせて動く部分は③関節です。
ちなみに、けんは筋肉と骨をつなぐすじです。




3-2ウ:ウ下線部について、熱いものに手が触れてから熱いと感じる前に手がはなれる理由を、せきずいという語を用いて書きなさい。



解答 : (例)熱の刺激がせきずいから脳に伝わる前に、せきずいからの命令が筋肉に伝わるから。


解説 : ★反射のしくみ
1.熱いという刺激が皮膚で受け取られ、感覚神経を通って脊髄に伝わります。
2.通常、刺激は脳に伝わって「熱い」と認識されますが、反射の場合、脊髄がすぐにその刺激を受け取り、脳の指令を待たずに運動神経に指令を出します。
3.運動神経からの指令を受けた筋肉が動き、手を引っ込めます。

このように、刺激が脊髄で伝達され、脳に伝わる前に反応の指令が出されるため、熱いと感じるよりも早く手が離れるのです。










■大問4



4-1ア:4 炭酸水素ナトリウムの分解について、下の実験1,2を行った。次の(1)~(3)に答えなさい。
実験1 図1の装置を用いて、炭酸水素ナトリウムを二酸化炭酸水素ナトリウム炭素の発生が止まるまで加熱し続けたところ、試験管には白い物質が残り、この試験管の口もとには液体がついた。この液体に青色の[ ]をつけると、うすい赤色(桃色)に変化したことから、水であることがわかった。また、別の2本の試験管に炭酸水素ナトリウムと白い物質をそれぞれ同量ずつとり、水に溶かしたあと、フェノールフタレイン溶液を数滴加えると、炭酸水素ナトリウム水溶液はうすい赤色、白い物質の水溶液は赤色に変化した。
実験2 図2のように、ステンレス皿に炭酸水素ナトリウム1.60gを入れて加熱した。これをよく冷やしてからステンレス皿に残った白い物質の質量をはかり、再び加熱して質量をはかる操作をくり返したところ、質量は一定になった。炭酸水素ナトリウムの質量を2.40g、3.20g、4.00gと変えて同様の操作を行い、その結果を下の表にまとめた。ただし、炭酸水素ナトリウムの加熱によって生じた水は、すべて蒸発するものとする。
図1、※図2
※図14問題の図

※図15問題の図

(1) 実験1について、次のア〜ウに答えなさい。
ア [ ]に入る適切な試験紙の名称を書きなさい。



解答 : 塩化コバルト紙


解説 : 水に触れると青色から赤色に変化する試薬は、塩化コバルト紙です。




4-1イ:イ下線部からわかることとして最も適切なものを、次の1 4の中から一つ選び、その番号を書きなさい。
​1どちらも酸性であるが、炭酸水素ナトリウム水溶液の方が酸性が強い。
2どちらも酸性であるが、白い物質の水溶液の方が酸性が強い。
3どちらもアルカリ性であるが、炭酸水素ナトリウム水溶液の方がアルカリ性が強い。
4どちらもアルカリ性であるが、白い物質の水溶液の方がアルカリ性が強い。



解答 : 4


解説 : 下線部では、炭酸水素ナトリウム水溶液は「うすい赤色」、白い物質の水溶液は「赤色」とあります。
フェノールフタレイン溶液は、アルカリ性が強いほど濃い赤色になります。
「赤色」の方が「うすい赤色」よりも色が濃いため、白い物質の水溶液の方がアルカリ性が強いと言えます。




4-1ウ:ウ炭酸水素ナトリウムの分解を表した右の化学反応式を完成させなさい。
化学反応式


※図16問題の図

解答 : 2NaHCO₃→Na₂CO₃+H₂O+CO₂


解説 : 炭酸水素ナトリウムは熱を加えると、以下の3つの物質に分かれます。
・炭酸ナトリウム(白い物質、Na₂CO₃)
・水(H₂O)
・二酸化炭素(CO₂)
これを化学反応式の作成のしたがってつくります。
※ポイント
化学反応式は、反応の前後の原子の数が等しくなるように係数をつけます。




4-2ア:(2) 実験2について、次のア、イに答えなさい。

ア 炭酸水素ナトリウムの質量と加熱後に残った白い物質の質量の関係を表すグラフをかきなさい。
グラフ


※図17問題の図

解答 :
※図1解答の図


解説 : ※問われているグラフの関係は比例しているため、原点 (0,0) を通り、プロットした点を通る直線を引きます。
グラフの作成の手順
1.原点 (0,0) をプロットします。
2.各データをグラフ用紙にプロットします。
3.原点とプロットした点すべてを通る直線を引きます。




4-2イ:イ炭酸水素ナトリウム5.20gで同様の操作を行い、質量が一定になったとき、加熱後に残った白い物質の質量は何gか、求めなさい。



解答 : 3.25[g]


解説 : 表のデータを使って、炭酸水素ナトリウムの質量と、残った白い物質の質量の比率を求めます。この比率はどの実験回でも一定です。
比率= 白い物質の質量/炭酸水素ナトリウムの質量
比率= 1.00 g/1.60 g=0.625
つまり、炭酸水素ナトリウムの0.625倍の質量が白い物質として残ります。
炭酸水素ナトリウム 5.20 g に、上記の比率 0.625 をかけると、残る白い物質の質量 x g が求まります。
x g=5.20 g×0.625
x=3.25 g




4-3:(3) ある生徒が実験をしていたところ、炭酸水素ナトリウムにある物質が混じってしまった。この混合物の質量をはかると、5.97gであった。これを実験2と同様に、加熱して質量をはかる操作をくり返したところ、質量は3.93gで一定になった。加熱前の混合物にふくまれていた炭酸水素ナトリウムの質量の割合は何%$であったと考えられるか、小数第一位を四捨五入して整数で求めなさい。ただし、ある物質は加熱により変化しないものとする。



解答 : 91[%]


解説 : 問題より「ある物質」は加熱しても質量が変わらないので、質量が減ったのは炭酸水素ナトリウムだけです。
減少した質量=加熱前の混合物−加熱後の一定質量
減少した質量=5.97 g−3.93 g=2.04 g
実験2から、炭酸水素ナトリウムが分解するとき、元の質量に対して0.375(または 3/8)が水と二酸化炭素として失われます。
(1−0.625=0.375)
0.375とは、元の炭酸水素ナトリウムの37.5%がガスとして失われたことを意味します。
この比率を使って、元の炭酸水素ナトリウムの質量 y g を逆算します。
元の炭酸水素ナトリウムの質量×0.375=減少した質量
y×0.375=2.04 g
y= 2.04/0.375
=5.44 g
元の混合物には、炭酸水素ナトリウムが 5.44 g 含まれていたことがわかりました。
よって、混合物全体 (5.97 g) に対する炭酸水素ナトリウム (5.44 g) の割合を計算すると、
割合= 5.44 g/5.97 g×100≈91.12…%
小数第一位を四捨五入して整数にすると、91%です。










■大問5



5-1:5 物体を引き上げるときの仕事について調べるために、下の実験1~3を行った。次の(1)~(4)に答えなさい。ただし、100gの物体にはたらく重力の大きさを1Nとし、糸や動滑車の質量、糸の伸び、空気の抵抗、糸と動滑車の間の摩擦は考えないものとする。
実験1 図1のように、質量400gのおもりXをばねばかりにつるし、ばねばかりを一定の速さで真上に引き上げたところ、おもりXを床面から20cm引き上げるまでに4.0秒かかった。
実験2 図2のように、質量400gのおもりXを動滑車につるし、ばねばかりを一定の速さで真上に引き上げたところ、おもりXを床面から20cm引き上げるまでに8.0秒かかった。
実験3 図3の装置を用いて、質量30gのおもりYを床面から真上に引き上げた。Pの高さからQの高さを通過するまでの60cmの距離では、速さは一定で、かかった時間は2.0秒だった。そのとき、電圧計は1.2V、電流計は100mAを 示していた。
図1
※図18問題の図
図2
※図19問題の図
図3
※図20問題の図
(1) 実験1について、ばねばかりを一定の速さで引き上げているとき、ばねばかりが示す値は何Nか、求めなさい。



解答 : 4.0[N]


解説 : 問題のただし書きより、100gの物体にはたらく重力の大きさを1 Nとします。
おもりXの質量=400 g
おもりXにはたらく重力=400g×1N/100 g=4.0 N
おもりXを一定の速さで引き上げているとき、おもりXにはたらく重力と、ばねばかりが引く上向きの力がつり合っています。
このとき、ばねばかりが示す値は、おもりXにはたらく重力と等しくなるので、
ばねばかりが示す値=おもりXにはたらく重力=4.0 N




5-2:(2) 実験2について、おもりXを引き上げる力がした仕事の仕事率は何Wか、求めなさい。



解答 : 0.10[W]


解説 : 仕事率は、「仕事 ÷ かかった時間」で求められます。
仕事率(W)= 仕事(J)/時間(s)
動滑車を使った場合、ばねばかりを引く力は半分になりますが、引く距離は2倍になります。しかし、おもりXを目的の高さまで引き上げるために必要な仕事の量自体は、道具を使わない場合と同じなので、
力: 400 g=4.0 N
距離: 20 cm=0.20 m
仕事(J)=力(N)×距離(m)なので、
仕事=4.0 N×0.20 m=0.80 J
仕事率を求めるには、仕事の量と、それにかかった時間 8.0秒を使用します。
仕事率(W)= 仕事(0.80 J)/時間(8.0 s)
仕事率= 0.80/8.0
=0.10 W




5-3:(3)実験1,2について、下の文は、動滑車を使ったときの仕事についてまとめたものである。
文中の①~③に入る語の組み合わせとして適切なものを、次の1~4の中から一つ選び、その番号を書きなさい。

実験2で動滑車を使うと、実験1の動滑車を使わないときと比べて、物体を①力で引き上げることはできるが、糸を引き上げる距離は②なり、仕事の大きさは③。
1 ①小さな ②長く ③小さくなる
2 ①大きな ②短く ③小さくなる
3 ①小さな ②長く ③変わらない
4 ①大きな ②短く ③変わらない



解答 : 3


解説 : 動滑車は、物体を引き上げる際の仕事の原理を示す道具です。
① 力: 動滑車を使うと、糸が物体を支える力が2倍になるため、引き上げるのに必要な力は、動滑車を使わないときと比べて約半分(小さな力)になります。
② 距離: 力を半分にすると、その代償として、糸を引く距離は物体が移動する距離の2倍(長く)なります。実験1でおもりを 20 cm 引き上げるのに対し、実験2ではばねばかりを 40 cm 引き上げています。
③ 仕事の大きさ: 「仕事の原理」により、道具を使っても使わなくても、仕事の大きさは変わりません。実験1の仕事も実験2の仕事も 0.80 J です。




5-4ア:(4) 実験3について、次のア、イに答えなさい。

ア右の表のように、Pの高さとQの高さにおける。おもりYのもつ運動エネルギーの大きさをE₁、E₂、力学的エネルギーの大きさをE₃、E₄とする。このとき、それぞれのエネルギーの大きさの関係を表したものの組み合わせとして適切なものを、次の1~6の中から一つ選び、その番号を書きなさい。

※図21問題の図

1 E₁>E₂,E₃=E₄
2 E₁=E₂,E₃=E₄
3 E₁<E₂,E₃=E₄
4 E₁>E₂,E₃<E₄
5 E₁=E₂,E₃<E₄
6 E₁<E₂,E₃<E₄



解答 : 5


解説 : 力学的エネルギーは「運動エネルギー」と「位置エネルギー」の合計です。
おもりYはPからQへ上に引き上げられているので、高さが増しています 。
高さが増すと、位置エネルギーは増加します。

この実験では、モーターがおもりを引く仕事をしています 。外部から仕事を受けているため、全体の力学的エネルギーは増加します。
PからQへ移動する間に運動エネルギーは変わりませんが(E₁=E₂)、位置エネルギーが増加したため、全体の力学的エネルギーは増加します。
したがって、E₃


5-4イ:イ Pの高さからQの高さを通過する間、モーターが消費した電気エネルギーのうち、モーターがおもりYにした仕事に利用されたのは何%か、求めなさい。ただし、消費した電気エネルギーは、電力量と同じものとする。



解答 : 75[%]


解説 :
★電力(W)=電圧(V)×電流(A)
★電力量(J)=電力(W)×時間(s)

消費した電気エネルギーは電力量と同じとあるから、モーターの電力量を求めます。
1.2V×0.1A=0.12W
0.12W×2.0s=0.24J
おもりYにした仕事の大きさ
0.3N×0.6m=0.18J
よって、0.18÷0.24×100=75%










■大問6



6-1:6 下の資料は、火成岩P~Uを観察した結果をまとめたものである。次の(1)~(5)に答えなさい。ただし、P~Uは、玄武岩、花こう岩、斑れい岩、流紋岩,閃緑岩,安山岩のいずれかである。
資料
6種類の火成岩P~Uを、双眼実体顕微鏡を用いて観察した。火成岩をつくる鉱物の形のちがいから、肉眼で見える大きさの鉱物が集まってできていた火成岩をグループI、比較的大きな鉱物のまわりをうめるように、肉眼では形がわからない小さな粒がとり囲んでいた火成岩をグループIIとして、二つのグループに分けた。次に、火成岩の色のちがいに着目し、白っぽい鉱物を多くふくむ火成岩から黒っぽい鉱物を多くふくむ火成岩の順に分けた。下の表は、その結果をまとめたものである。

※図22問題の図

(1) 下線部のような組織を何というか、書きなさい。



解答 : 等粒状組織


解説 : 火成岩を構成する鉱物のうち、斑晶のまわりを、石基が取り囲んでいる組織である、この組織を斑状組織といいます。これは、火山岩に特有の組織です。




6-2:(2) 次の1~4は、双眼実体顕微鏡の使い方を述べたものである。1~4を操作する順に左から並べて書きなさい。

1 右目だけでのぞきながら、微動ねじでピントを合わせる。
2 左目だけでのぞきながら、視度調節リングを回してピントを合わせる。
3 両目の間隔に合うように鏡筒を調節する。
4 粗動ねじをゆるめ、鏡筒を上下させて両目でおよそのピントを合わせる。



解答 : 3→4→1→2


解説 : [双眼実体顕微鏡の正しい操作順序]
3 両目の間隔に合うように鏡筒を調節する。
→最初に、左右のレンズの間隔を、自分の両目の間隔に合わせ、視野が一つに見えるように調節します。これが立体観察の土台となります。
4 粗動ねじをゆるめ、鏡筒を上下させて両目でおよそのピントを合わせる。
→次に、粗動ねじを使い、両目で観察しながら、おおまかなピントを合わせます。
1 右目だけでのぞきながら、微動ねじでピントを合わせる。
→基準となる側の目だけで覗き、微動ねじを使って正確なピントを合わせます。
2 左目だけでのぞきながら、視度調節リングを回してピントを合わせる。
→最後に、左目だけで覗き、視度調節リングを回してピントを合わせます。これで左右の目の視力差が補正され、両目とも疲れることなく観察できるようになります。




6-3:(3)下の文は、火成岩Uと火成岩Sのちがいを述べたものである。文中の①、②に入る語の組み合わせとして適切なものを、次の1~4の中から一つ選び、その番号を書きなさい。

Uの方がSよりも黒っぽい鉱物を多くふくんでいるので、Uをつくるマグマのねばりけは①、火山の噴火のようすは②である。

1 ①小さく ②おだやか
2 ①大きく ②おだやか
3 ①小さく ②爆発的
4 ①大きく ②爆発的



解答 : 1


解説 : 火成岩 U は黒っぽい鉱物を多くふくむため、それをつくったマグマは苦鉄質です。
苦鉄質マグマはねばりけが小さい。
ねばりけが小さいマグマの噴火はおだやかである。




6-4:(4)火成岩P~Uの中で、安山岩、花こう岩として適切なものをそれぞれ一つ選び、その記号を書きなさい。



解答 : 安山岩:T 花こう岩:P


解説 : ・花こう岩→ P
組織: 花こう岩は地下深くでゆっくり冷え固まった深成岩なので、肉眼で見える大きさの鉱物が集まったグループ I の組織(等粒状組織)を持ちます。
色: 花こう岩は二酸化ケイ素を多く含む珪長質の岩石なので、最も白っぽいPに分類されます。

・安山岩→ T
組織: 安山岩は地表近くで急に冷え固まった火山岩なので、比較的大きな鉱物のまわりを小さな粒が囲んだグループ II の組織(斑状組織)を持ちます。
色: 安山岩は深成岩の閃緑岩に対応する中間質の岩石なので、白っぽさも黒っぽさも中間の T に分類されます。




6-5:(5) 右の図は、火山を模式的に表したものである。グループⅡの火成岩ができた場所として適切なものは、X、Yのどちらか、その記号を書きなさい。また、グループⅡの火成岩はどのようにしてできたか、時間に着目して書きなさい。


※図23問題の図

解答 : 記号:X でき方:(例)マグマが短い時間で冷え固まってできた。


解説 : グループ II の火成岩は、斑状組織を持ち、火山岩に分類されます。火山岩は、マグマが地表に噴出し、あるいは地表近くで急激に冷え固まってできた岩石です。
Xは、マグマが噴出して地表に積み重なった溶岩や火山灰の部分であり、Yは、地下深くでマグマが冷え固まりつつあるマグマだまりの部分で、深成岩ができる場所です。
したがって、グループ II の火成岩ができた場所として適切なのは、地表に近いXです。
グループ II の火成岩(火山岩)は、マグマが地表または地表近くに移動した後、短時間で急激に冷やされることによって生成します。
この急激な冷却のため、鉱物の結晶が十分に成長できず、比較的大きな結晶(斑晶)のまわりを、非常に小さな粒(石基)が囲む斑状組織という特徴的な構造になります。




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