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■問題PDF 



令和7年度_学力検査問題過去問【北海道】- 数学


■目次 


大問1
大問2
大問3
大問4
大問5






■大問1



問1 (1):次の問いに答えなさい。

(1)~(3)の計算をしなさい。
9 × (-6)



解答 : -54


解説 : ・プラスの数字とマイナスの数字のかけ算の答えは、マイナスになる。
9 × (-6) = – (9 × 6) = -54 よって、答えは -54。




問1 (2):-8 + 5 ÷ 1/3



解答 : 7


解説 : ・かけ算、割り算の部分から、足し算、引き算より先に優先して計算する。
-8 + 5 ÷ 1/3 = -8 + 5 × 3 = -8 + 15 = 15 – 8 = 7 よって、答えは 7。




問1 (3):(-√6)² + 4



解答 : 10


解説 : (-√6)² + 4 = (-√6) × (-√6) + 4 = √6² + 4 = 6 + 4 = 10 よって、答えは 10。




1-2:二次方程式(x – 2)(x – 5) = 0 を解きなさい。



解答 : x = 2, x = 5


解説 : ・因数分解できた二次方程式は、括弧にまとめた数字のかけ算である。そして、このかけ算が0になるのは、少なくとも1つの数が0になるときである。

(x – 2)(x – 5) = 0 → x – 2 = 0 ,x – 5 = 0 → x = 2, x = 5 よって、答えは x = 2, x = 5。




1-3: 右の図のような3点A,B,Cがあります。点Dを,AB=CD,AC=BDである平行四辺形となるようにとるとき,点Dの座標を求めなさい。
 ただし,点Oは原点とします。




解答 : D (1, -2)


解説 : 図から、点AからCの座標は、点A(0, 2)、点B(-2, -2)、点C(3, 2)と見て取れる。
図2:解説の図

点A、B、C、Dを結んで平行四辺形になり、問題文よりAB=CD、AC=BDとわかっている。AC=BDなので、点Aと点Cはy座標は変わらず、xの値が目盛り3つ分異なるため、点Bから右に3つの位置に点Dを取れると考えられる。よって、点Dは(-2, 1) とわかる。




1-4:等式 7x – y = 4 を,yについて解きなさい。


解答 : y = 7x – 4


解説 : yについて解くということは、「y = …」という形に変形するということである。
7x – y = 4 → -y = -7x + 4 → y = 7x – 4 よって、答えは y = 7x – 4 とわかる。




1-5:下の表は,ある中学校の生徒76人に対し, 夏休みに読んだ本の冊数を調べ,まとめたものです。表から,読んだ本の冊数の中央値を求めなさい。


図3:問題の図

解答 : 3.5冊


解説 : 中央値は、データを小さい順に並べたとき、そのちょうど中央にあるデータのことである。また、累積度数は、最小の階級からその階級まで、すべてを足し上げた度数の合計である。

今回は全部で76人のデータなので、小さい方から38番目と39番目の数値を平均した値が、中央値となる。累積度数が38番目なのは読んだ本が3冊の階級、39番目の人は4冊なので、(3 + 4) ÷ 2 = 7 ÷ 2 = 3.5 よって、答えは3.5冊 と求められる。


図4:解説の図


1-6:右の図は,ある立体の投影図で,立面図と平面図は合同な長方形です。この投影図が表す立体として考えられるものを,ア~エからすべて選びなさい。
図5:問題の図(投影図)

ア 四角柱 イ 四角錐 ウ 円柱 エ 円錐



解答 : ア, ウ


解説 : 立体図は立体を真正面から見た図であり、平面図は立体を真上から見た図のことである。
この問題の図は、上から見ても、横から見ても長方形だと見て取れる。よって、選択肢イの四角錐と、選択肢エの円錐はあてはまらない。選択肢ウの円錐も、側面を横から見た場合は長方形に見えるので、図から円の部分が見えなくても当てはまる。よって、選択肢アとウが適当である。










■大問2



2-1:箱の中に同じ大きさの赤玉と白玉がたくさん入っています。カイさんたちのクラスでは,この箱の中の玉を使って,確率や標本調査についての学習を行っています。
次の問いに答えなさい。(配点16)

 カイさんとナオさんは,図1のように,箱の中の赤玉3個と白玉2個を袋に入れました。次に,「袋の中から玉を1個取り出し,色を確認してもとにもどす」という操作を多数回くり返し,赤玉が出る相対度数を調べました。
 二人は,このときの相対度数の変化のようすについて,次のように説明しました。
図6:問題の図(図1)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(説明)
 操作を多数回くり返したとき,操作の回数が[  ]。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 [  ]に当てはまる文として最も適当なものを,ア~オから選びなさい。
 ただし,この袋の中から玉を1個取り出すとき,どの玉が出ることも同様に確からしいとします。

ア 多くなっても,赤玉が出る相対度数のばらつきはなく,その値は1で一定である
イ 多くなっても,赤玉が出る相対度数のばらつきはなく,その値は0.6で一定である
ウ 多くなるにつれて,赤玉が出る相対度数のばらつきは小さくなり,その値は1に近づく
エ 多くなるにつれて,赤玉が出る相対度数のばらつきは小さくなり,その値は0.6に近づく
オ 多くなっても,赤玉が出る相対度数の値は大きくなったり小さくなったりして,一定の値には近づかない



解答 : エ


解説 : 相対度数とは、相対度数は各階級の度数を合計の度数で割ったものである。

今回の場合、袋の中には赤玉3個と白玉2個が入っているので、「袋の中から玉を1個取り出し,色を確認してもとにもどす」という操作を1回行った場合、赤玉が出る確率は6/10である。

相対度数について、操作の回数が少ないうちはばらつきが大きいが、回数が多くなるとばらつきが小さくなる。よって、選択肢エが適当である。




2-2(1):トムさんたちのグループは,箱の中にある赤玉の個数を推定するため,先生から,箱の中に赤玉と白玉が合わせて500個入っていることを聞き,次の手順で実験を行いました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(手順)
[1] 箱の中の玉全体をよくかき混ぜてから30個の玉を取り出し,取り出した玉にふくまれる赤玉の個数を数える。
[2] 取り出した玉にふくまれる赤玉の個数の割合を計算する。
[3] 箱の中に取り出した玉をもどす。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

次の(1),(2)に答えなさい。

手順の[1]で取り出した玉にふくまれる赤玉の個数が12個であるとき,この箱の中には,赤玉がおよそ何個入っていたと推定されますか,求めなさい。また,その求め方を説明しなさい。



解答 : 箱の中の赤玉の個数
 およそ200個

求め方
 箱の中から取り出す玉の個数は30個であり、
 そのうち、赤玉は12個取り出されたことから、
 1回の実験で取り出した玉にふくまれる赤玉の個数の割合は、12/30 = 2/5
 よって、箱の中にふくまれる赤玉の個数の割合は、2/5であると推定される。
 したがって、箱の中にある赤玉のおよその個数は、500 × 2/5 で求めることができ、
 計算するとおよそ200個であると考えられる。


解説 : 問題文より、箱の中から取り出す玉は30個であり、そのうち赤玉は12個含まれていたことがわかる。ここから、取り出した玉にふくまれる赤玉の個数の割合は、12/30 = 2/5 と求められる。
よって、箱の中にふくまれる赤玉の個数の割合も同様に、2/5であると推定される。
したがって、箱の中にある赤玉のおよその個数は、500個 × 2/5 = 200 と計算できる。したがって、箱の中に入っていた赤玉の数は、およそ200個であると考えられる。




2-2(2):トムさんたちは,実験を10回行いました。さらに,トムさんたちは,手順の[1]で取り出す玉の個数を60個,100個に変えた実験を,それぞれ10回ずつ行いました。
 最後に,箱の中にある赤玉の実際の個数を数え,箱の中にある赤玉の個数の割合を計算したところ,0.3であることがわかりました。
 図2は,この計算結果と,取り出した玉にふくまれる赤玉の個数の割合を箱ひげ図にしたものを,まとめたものです。
図7:問題の図(図2)

トムさんたちは,図2の特徴を読みとることで,箱の中にある赤玉の個数の割合と,取り出した玉にふくまれる赤玉の個数の割合の関係について,次のように説明しました。①の{  }に当てはまるものを,ア,イから選び,また,[ ② ]に当てはまる言葉を書き入れ,説明を完成させなさい。
 ただし,箱の中にある赤玉の個数の割合を「Aの割合」,取り出した玉にふくまれる赤玉の個数の割合を「Bの割合」とし,[ ② ]には,「Aの割合」,「Bの割合」という言葉を用いて書くこと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
図2では,手順の[1]で取り出す玉の個数を多くすれば多くするほど,四分位範囲は①{ ア 大きく イ 小さく }なり,[ ② ]という傾向がある。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



解答 : ① イ ② Bの割合が、Aの割合に近づく。


解説 : ①について。
図8:解説の図
四分位範囲は、データを小さい順に並べたときに、下から25%にあたる第1四分位数と、上から25%にあたる第3四分位数の差のことである。データの中央50%のばらつき具合を示すものである。
図2より、取り出す玉の個数を増やすほど、四分位範囲は小さくなっていることがわかる。よって、選択肢イが適当である。

[ ② ]について。
箱の中にある赤玉の個数の割合は、問題文より0.3だとわかっており、図2の箱ひげ図の0.3の縦線の部分である。
取り出した玉にふくまれる赤玉の割合に関しては、取り出した玉の個数のによってばらつきがあると考えられる。しかし図2より、箱から取り出す玉の個数が多いほど四分位範囲が小さくなっていることがわかり、これはデータのばらつきが小さく、データが中心付近に集中していると考えられる。
よって、取り出す玉の個数を多くするほど、取り出した玉にふくまれる赤玉の割合が箱の中にある赤玉の個数の割合に近づいていくことがわかる。したがって、「Bの割合が、Aの割合に近づく。」といった内容が書けていればよい。










■大問3



3-1(1):泉さんたちは,電車がZ駅を出発してからの時間とZ駅からの道のりの関係を調べ,右の表にまとめました。
 次に,泉さんたちは,電車がZ駅を出発してからの時間をx秒,Z駅からの道のりをymとし,表をもとに,コンピュータを使って,画面1のような5点O,A,B,C,Dとしてグラフに表しました。
 次の問いに答えなさい。(配点 16)
図9:問題の図(表)
図10:問題の図(画面1)

 泉さんたちは,表や画面1からyはxの2乗に比例すると考え,コンピュータを使って,x≧0のときの関数y = ax² (aは正の定数)のグラフが,5点O,A,B,C,Dの最も近くを通るときのaの値について調べました。その結果,画面2のように, a = 0.5のときが,5点O,A,B,C,Dの最も近くを通るグラフになると考えました。
図11:問題の図(画面2)

 xとyの関係を, y = 1/2x² として,次の(1),(2)に答えなさい。
 ただし,0≦ x ≦20とします。

 電車がZ駅を出発してからの道のりが32mになるのは,電車がZ駅を出発してから何秒後ですか,求めなさい。



解答 : 8秒後


解説 : 問題文より、電車がZ駅を出発してからの時間をx秒,Z駅からの道のりをymとするので、電車がZ駅を出発してからの道のりが32mとは、y = 32ということがわかる。
また、xとyの関係は y = -x² なので、ここにy = 32を代入して、32 = -x² という式が立てられる。
32 = 1/2x² → 1/2x² = 32 → 1/2x² × 2 = 32 × 2 → x² = 64 → x = ±√8² → x = ±8 と計算できる。問題文より、0≦ x ≦20なので、x = -8 は答えに適さない。よって、x = 8 と求められる。
したがって、電車がZ駅を出発してからの道のりが32mになるのは,電車がZ駅を出発してから8秒後とわかる。




3-1(2):電車がZ駅を出発して,4秒後から8秒後までの間の平均の速さは秒速何mですか,求めなさい。



解答 : x = 4のときy = 8、x = 8のときy = 32より、
電車がZ駅を出発して、4秒後から8秒後までの間の平均の速さは、(32-8)/(8-4) と表すことができ、計算すると6になる。
よって、答えは 秒速6m。


解説 : 電車がZ駅を出発して,4秒後から8秒後までの間の平均の速さを求めるには、まず4秒後と8秒後、それぞれの速さをy = 1/2x² の式に代入して求める。
・4秒後 y = 1/2 × 4² → y = 1/2 × 16 → y = 8
・8秒後 y = 1/2 × 8² → y = 1/2 × 64 → y = 32
よって、4秒後の電車の速さは秒速8m、8秒後は秒速32mだとわかる。

ここから、(32 – 8) / (8 – 4) = 24/4 = 6 よって、平均の速さは秒速6mとわかる。




3-2: 泉さんたちは,図1のように,Z駅の地点Pを出発する電車と,一直線にのびた路線に平行な道路を電車と同じ方向に走ってきて地点Qを通過する自転車との位置関係について考えることにしました。
 そこで,次のように条件を決めました。
図12:問題の図(図1)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(条件)
・電車が地点Pを出発すると同時に,走行中の自転車が地点Qを通過する。
・電車が地点Pを出発してからの時間をx秒,地点Pからの電車の道のりをymとし,電車のxとyの関係をy = -1/2x² ……① とする。
・自転車が地点Qを通過してからの時間をx秒,地点Qからの自転車の道のりをymとし,自転車のxとyの関係をy = 10x……② とする。
・電車の全長は,48mとする。
・地点P,Qを通る直線は,線路と道路に垂直に交わるものとする。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 泉さんたちは,コンピュータを使って,画面3のように,①と②のグラフを表しました。図2は,自転車が電車に追い越されたときの位置関係を示したものです。泉さんたちは,画面3と図2を見ながら,電車と自転車の位置関係について,話し合っています。
図13:問題の図(画面3・図2)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
泉さん「20秒後に自転車は追いつかれちゃうんだね。」
岬さん「図2のように,自転車が電車に追い越されるのは何秒後なんだろう。」
泉さん「電車の全長がわかっているから,求めることができそうだね。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 図2のように,自転車が電車に追い越されるのは,自転車が地点Qを通過してから何秒後ですか,求めなさい。
 ただし,電車の最後尾Rと自転車の先端Sを通る直線は,線路と道路に垂直に交わるものとします。



解答 : 電車の全長が48mであるから、電車の先端が自転車の先端より48m進んだ位置にあるときの時間を求めればよい。

よって,1/2x² – 10x = 48 ・・・・・・①
x² – 20x – 96 = 0
(x + 4)(x – 24)= 0 ・・・・・・②
x≧0より,x = 24

よって、答えは 24秒後。


解説 : ※回答欄が広く取られていて、説明や計算の過程も含めて採点する問題のようです。そのため説明や計算に、解答と解説とで重複する部分があります。

自転車が電車に追い越される様子は図2のように表され、このとき、電車の進んだ距離と自転車の進んだ距離の差は、電車の全長と等しくなる。電車の全長がは48mなので、電車の進んだ距離が自転車の進んだ距離より48m長いときの時間を求めればよい。
図14:解説の図

よって,1/2x² – 10x = 48 → 1/2x² – 10x – 48 = 0 → 2 × (1/2x² – 10x – 48) = 0 → x² – 20x – 96 = 0 → (x + 4)(x – 24)= 0 → x = -4, 24
xは電車が地点Pを出発してからの時間であり、かつ自転車が地点Qを通過してからの時間なので、x≧0より、x = 24

したがって、答えは 24秒後と求められる。










■大問4



4-1(1):図1のような長方形ABCDがあります。辺AD上に点Eを,BC=CEとなるようにとります。ユウコさんたちは,この長方形を折ったときにできる図形について調べています。
図15:問題の図(図1)
 次の問いに答えなさい。(配点16)

 図2のように,図1の長方形ABCDを頂点Bが点Eと重なるように折ったときにできる折り目の線と辺ABとの交点をFとします。
図16:問題の図(図2)

 ∠CFE = 70°のとき,∠FCEの大きさを求めなさい。



解答 : 20度


解説 : 図2において、∠CFEも∠FCEも△CEFの内角なので、△CEFに着目する。
図17:解説の図
△CEFの内角は、∠CFE、∠FCE、∠FECの3つである。このうち、∠FECは長方形を折り曲げてできた角であり、長方形ABCDの内角の∠ABCの部分である。よって、∠FEC = 90° とわかる。また、問題文より∠CFEは70°である。
これらと、三角形の内角の和を利用すると、
∠CFE + ∠FCE + ∠FEC = 180° → 70° + ∠FCE + 90° = 180° → ∠FCE = 180° – 90° – 70° → ∠FCE = 20° よって、∠FCE = 20° とわかる。




4-1(2):ユウコさんたちは,それぞれのノートに長方形ABCDをかき,点E,Fや折り目の線を作図しました。
図15:問題の図(図1)
図18:問題の図

 ユウコさんたちは,作図の方法について,話し合っています。[ ア ],[ イ ]に当てはまる記号を,[ ウ ],[ エ ]に当てはまる言葉を,それぞれ書きなさい。
 ただし,[ ウ ]に当てはまる言葉は,下線部のように,「~の…をひく」という形で書くこと。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ユウコさん 「私はまず,頂点[ ア ]を中心として,辺[ イ ]の長さを半径とする円をかいて点Eを作図したよ。次に,点Fと折り目の線を作図するために,∠BCEの二等分線をひくという方法で作図したよ。」
ジュンさん 「私も点Eの作図までは同じ方法だよ。そのあとに,点Fと折り目の線を作図するために,[ ウ ]という方法で作図したよ。」
ユウコさん 「実際に折ってみると,作図と同じ点E,Fや折り目の線になったね。作図の手順は違うけど,私たちの折り目の線が同じになったのはなぜだろう。」
ジュンさん 「折り目の線が同じになるのは,△BCEが[ エ ]だからだよ。」
ユウコさん 「なるほど! [ エ ]の性質が理由になるんだね。」



解答 : ア C イ BC ウ 線分BEの二等分線をひく エ 二等辺三角形


解説 : [ ア ]・[ イ ]について。
図19:解説の図
話し合いの部分の最初のユウコさんの言葉を読むと、「頂点[ ア ]を中心として、辺[ イ ]の長さを半径とする円をかいて点Eを作図した」とあるので、これを踏まえてユウコさんのノートを見る。すると、点Cを中心にして2つの円が描かれている。このうち点Eに関係するのは大きい方の円であり、且つこの問題において紙を折り曲げる前の辺BCと折ったあとの辺ECは等しいことがわかる。よって、辺BCの長さを半径として、点Eを作図したと考えられる。
よって、[ ア ]にはC、[ イ ]にはBCを入れるのが適当である。

[ ウ ]について。
図20:解説の図
ジュンさんは点Eまではユウコさんと同じ方法で作図し、その後「点Fと折り目の線を作図するために,[ ウ ]という方法で作図した」と言っている。点Eを作図した後にジュンさんが作図したのは、以下の図の部分である。これは垂直二等分線を描く方法なので、[ ウ ]には垂直二等分線が当てはまる。

[ エ ]について。
△BCEについて、紙を折り曲げる前の辺BCと折ったあとの辺ECは等しいのでBC = ECであり、ここから△BCEは二等辺三角形だとわかる。よって、[ エ ]には二等辺三角形が当てはまる。




4-2:ユウコさんたちは,コンピュータを使って,画面のように,線分AE上に点Gをとり,頂点Bと点Gが重なるように折ったときにできる折り目の線と辺ABとの交点をHとし,点Gを通り線分GHに垂直な直線と辺CDとの交点をIとしました。
 次に,点Gを線分AE上で動かし,ユウコさんたちは,「△AGHと△DIGが相似である」と予想しました。
 ユウコさんたちの予想が成り立つことを証明しなさい。
 ただし,点Gは頂点A,頂点Eと重ならないものとします。


図21:問題の図(画面)

解答 : (証明)
△AGHと△DIGにおいて、
 ∠GAH=∠IDG = 90° …①
 ∠AGH = 180° – 90° – ∠DGIであるから、
 ∠AGH = 90°- ∠DGI …(ア)
△DGIにおいて、内角の和は180゜なので、
 ∠DIG = 180° – 90° – ∠DGI
 ∠DIG =90° – ∠DGI …(イ)
(ア)、(イ)より、
 ∠AGH=∠DIG …②
①、②より,対応する2組の角がそれぞれ等しいので、△AGH ∽ △DIG (証明終)


解説 :※証明問題なので、解答例より詳しくなっていますが、重複する部分も多いです。

(証明)
図22:解説の図
△AGHと△DIGにおいて、
 ∠GAH=∠IDG = 90° …①
次に、直線ADの部分に着目すると、
 ∠AGH + ∠HGI + ∠DGI = 180°
 ∠AGH + 90° + ∠DGI = 180°
 ∠AGH = 180° – 90° – ∠DGI
 ∠AGH = 90°- ∠DGI …(ア)
△DGIに焦点を当てると、内角の和は180゜なので、
 ∠DIG + ∠DIG + ∠GDI = 180°
 ∠DIG + ∠DIG + 90° = 180°
 ∠DIG = 180° – 90° – ∠DGI
 ∠DIG =90° – ∠DGI …(イ)
(ア)、(イ)より、
 ∠AGH = 90° – ∠DGI = ∠DIG …②
①、②より、対応する2組の角がそれぞれ等しいので、△AGH ∽ △DIG (証明終)










■大問5



5-1(1):図1のような1辺の長さが6㎝の正方形ABCDがあります。
 次の問いに答えなさい。
図23:問題の図(図1)

 図2のように,図1の正方形ABCDの辺上に点Pがあり,点Pは,頂点Aを出発して頂点B,Cを通って頂点Dまで毎秒2cmの速さで動くものとします。
 次の(1),(2)に答えなさい。
図24:問題の図(図2)

 点Pが頂点Aを出発してからx秒後の△ADPの面積をycm² とするときの関係を表すグラフとして最も適当なものを,ア~カから選びなさい。  ただし,点Oは原点とします。


図25:問題の図(選択肢)

解答 : イ


解説 : 問題文より、点Pは頂点Aを出発して、頂点B、C、Dの順に動くとわかる。ここから、点Pは辺AB、辺BC、点CDの順に動くので、この辺ごとにわけて△ADPの面積の変化を考える。

・点Pが辺AB上にあるとき
図26:解説の図
点Pが辺AB上にあるとき、△ADPの面積は以下の図のようになる。点Pが移動するにつれて△ADPの面積は大きくなる。
・点Pが辺BC上にあるとき
図27:解説の図
点Pが辺BC上にあるとき、以下の図のようになり、点Pが移動しても△ADPの面積は変わらない。
・点Pが辺CD上にあるとき
図28:解説の図
点Pが辺CD上にあるとき、△ADPの面積は点Pが移動するにつれて△ADPの面積は小さくなる。

よって、△ADPの面積の変化を表すグラフは、選択肢イが適当である。
図29:解説の図




5-1(2):点Pが辺BC上にあるとき,四角形APCDが20cm² となるのは,点Pが頂点Aを出発してから何秒後ですか,求めなさい。


図23:問題の図(図1)
図24:問題の図(図2)

解答 : 17/3 秒後


解説 : 四角形APCDは、△APDと△DPCの2つの三角形を足し合わせたものである。
図30:解説の図
まずは、△DPCの面積を求める。
△APDについては、辺ADを底辺とすると、底辺6㎝、高さ6㎝なので、6 × 6 × 1/2 = 6 × 3 = 18 よって、18cm² とわかる。△DPCの面積は、四角形APCDから△DPCの面積を引いたものなので、20 – 18 = 2 よって2cm² である。

次に、点Pが辺BC上で進んだ長さ(辺BPの長さ)を求める。
図31:解説の図
△DPCに着目して、辺PCの長さをxとおくと、6 × x × 1/2 = 2 → 3x = 2 → x = 2/3 
辺BPの長さについて、次のような式が立てられる。
BP = BC – PC より、BP = 6 – 2/3 = (18 – 2)/3 = 16/3 よって、BP = 16/3cm

点Pが頂点Aを出発して何秒後か求める。
点Pの速さは毎秒2cmなので、BPの長さを進むのにかかる時間は、16/3cm ÷ 2cm/秒 = 8/3秒
同様に、点Pが頂点Bまで進むのにかかる時間は、6cm ÷ 2cm/秒 = 3秒
以上より、8/3 + 3 = (8 + 9)/3 = 17/3 
したがって、四角形APCDが20cm² となるのは、点Pが頂点Aを出発してから17/3秒後と求められる。




5-2:図3のように,図1の正方形ABCDの辺AB,BC上に,それぞれ点E,Fを,AE = 3cm,FC = 2cm となるようにとります。五角形AEFCDの辺上に点Qがあります。点Qは,頂点Aを矢印の方向に出発して,五角形AEFCDの辺上を毎秒4cmの速さで,ルールに従って動くものとします。
図32:問題の図(図3)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(ルール)
〔ルール1〕点Qは,大小2つのさいころを同時に投げたときの出た目の数の和をもとに,五角形AEFCDの辺上を動きます。
〔ルール2〕出た目の数の和を点Qが動く秒数とし,点Qは,和の秒数の間だけ五角形AEFCDの辺上を動いて止まります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 例えば,大きいさいころの出た目の数が2,小さいさいころの出た目の数が3のとき,点Qは,5秒間だけ五角形AEFCDの辺上を動いて止まります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

大小2つのさいころを同時に投げるとき,点Qが辺CD上に止まる確率を求めなさい。



解答 : 直角三角形BEFにおいて、三平方の定理より、EF² = 3² + 4² 
EF>0より、EF = 5㎝ …①
出た目の数の和は最小で2、最大で12であるから、
点Qは8㎝から48㎝まで動く。 …(ア)
点Qが辺CD上にあるのは、点Qが頂点Aを出発して、
10㎝から16㎝まで動いたとき、 …(イ)
または、32㎝から38㎝まで動いたときである。 …(ウ)
よって、大小2つのさいころを投げたときに、点Qが
辺CD上に止まるのは、(ア)、(イ)、(ウ)より、
出た目の数の和が3、4、8、9になればよい。 …②
出た目の数の和が3、4、8、9となるのは、
(1,2)、(1,3)、(2,1)、(2,2)、(2,6)、(3,1)、(3,5)
(3,6)、(4,4)、(4,5)、(5,3)、(5,4)、(6,2)、(6,3) の14通りである。 …③

大小2つのさいころの目の出方は全部で36通りである。 …④
したがって、③、④より、求める確率は、14/36 = 7/18。
以上より、答えは 7/18と求められる。


解説 :※回答欄が広く取られていて、説明や計算の過程も含めて採点する問題のようです。そのため説明や計算に、解答と解説とで重複する部分があります。

まずは、図3のそれぞれの辺の長さを整理する。
辺EFの長さは、直角三角形BEFにおいて三平方の定理を利用して求められる。
図33:解説の図
EF² = EB² + BF² → EF² = 3² + 4² → EF² = 9 + 16 → EF² = 25 → EF = ±5
EF>0より、EF = 5㎝ とわかる。
図34:解説の図

次に、点Qの動く長さを考える。
出た目の数の和は最小で2、最大で12である。
出た目の和が2のとき、4㎝/秒 × 2秒 = 8㎝
出た目の和が12のとき、4㎝/秒 × 12秒 = 48㎝
したがって、点Qは8㎝から48㎝まで動く。

点Qが辺CD上にあるときの、点Qの動いた長さを考える。
点Qが辺CD上にある場合は2通り考えられ、
① 10㎝から16㎝まで動いたときと、
② 32㎝から38㎝まで動いたときである。

図35:解説の図
図36:解説の図
よって、大小2つのさいころを投げて点Qが辺CD上に止まるのは、
点Qが動いた距離が、12cm、16cm、32cm、36cmのときである。
点Qの動く速さが毎秒4cmなので、点Qの動く時間がそれぞれ3秒、4秒、8秒、9秒のときとわかる。
つまりこれは、大小2つのさいころの出た目の数の和が3、4、8、9になる場合とわかる。

出た目の数の和が3、4、8、9となるのは、
(1,2)、(1,3)、(2,1)、(2,2)、(2,6)、(3,1)、(3,5)
(3,6)、(4,4)、(4,5)、(5,3)、(5,4)、(6,2)、(6,3) の14通りである。
今回の場合、2つのさいころは大きさに差があるので、(1,2)と(2,1)の組み合わせは異なると捉える。

よって、大小2つのさいころの目の出方は全部で36通りである。
したがって、求める確率は、14/36 = 7/18。
以上より、答えは 7/18と求められる。




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