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令和7年度_学力検査問題過去問【大阪】- 国語C
令和7年度_学力検査問題過去問【大阪】- 国語C 解答


■目次 


大問1
大問2
大問3
大問4
大問5






■大問1



次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

イメージではない「事物」、「一つしかないもの」とは、人間にとってどういう存在なのでしょうか。
やや哲学的になりますが、①情報、観念、イメージといった頭脳の産物は、すべて「裏側を持たない存在」であり、「滲みや揺らぎをできるだけ排除した存在」だと定義することができます。テレビ画面に映った一つの風景のイメージには、どこをどう探しても裏側というものはありません。一つのアスペクト(視点)から眺められた唯一の見かけが、映像というもののすべてです。また情報、あるいはイメージは、それを提示した人の意思にしたがってわれわれの印象を形成します。それをつくった人の意思を裏切ったり、意図からはみ出したりする要素を、可能な限り抑制したものがイメージなのです。
それにたいして、私たちの身辺にある「もの」には必ず裏側があり、陰影と滲みがA含まれています。一つの存在でありながら、それを見る視点を変えることによって、自由に、多彩な、ほとんど無限に近いイメージを取り出すことができます。さらに、現実の事物は、それをBつくった人の意思に反して、あるいはそれをC超えて、いわばイメージの余白とか周縁といったものを差し出してDます。
②、合成樹脂でつくられたテーブルは、限りなく一つのイメージ、一つの印象を限定してわれわれに示されます。表面には木目が見えても、裏側は木屑の塊です。③、自然な木材でつくられたテーブルは、作者の思いがけない傷や汚れを帯びているだけではなくて、風合とか肌理などと呼ばれる、名状しがたい要素を含んでいます。合成樹脂のテーブルは、分析していけばそのすべての要素を数えることができますが、自然の木材の内容は、いくら分析してもまだ残りが出てきます。そこには、つくった人の意識、あるいはそのときどきの見る人の意識を超えた、不思議な雰囲気が備わっているものです。
情報としてつくられたイメージは、それがどんなに精巧につくられ、バーチャル・リアリティ(仮想現実)と呼ばれるようになっても、なおそれを提示した人の意図を忠実に表現しています。いいかえれば、受け取る側は、それを提示した人の意図に従い、その通りに「もの」を見ざるをえないということです。
たとえばここに、ある一定の角度からカメラを構え、一定のフレームの中に「もの」をとらえた写真があるとします。すると、この写真の、その特定の視線の角度は、見る人を強制し、作者が意図した明確な一点に関心を集中させます。 こうした強制は、もちろん文明の重要な機能であって、情報の限定、分析的な正確さということなしに、人間の精神は成立しません。しかし一方で、人間は本来的に、自分が自由に読み取ることのできる事物、あるいは表現者の意図を超えるような陰影、ニュアンスというものを味わいたいという願いを持っています。限定された、あるいは強制された情報だけでは、心が不安になり、どこか満ち足りないものを感じるものです。その意味では、情報化とは、人間の本来の願望に背き、情報の受け手の自由を制約するものだといえるでしょう。事物のイメージ化、すなわち情報化には、そういう側面があることを、われわれは心して見抜いておく必要があるわけです。

(山崎正和二十一世紀の遠景』による)



1-1:本文中のA~Dの下線部を付けた語のうち、一つだけ他と活用形の異なるものがある。その記号を〇で囲みなさい。



解答 : A


解説 : A:「含まれ」は「含まれる」という受身の形の連用形。

B:「つくる」という動詞の連用形「つくり」に「た」が続いた形。

C:「超える」という動詞の連用形。

D:「差し出す」という動詞の連用形「差し出し」に「て」が続いた形。

Aだけが「受身の助動詞(れる)の連用形」を含んでおり、他のB、C、Dが「動詞そのものの連用形」であるため、Aが活用形として異なります。




1-2:①情報、観念、イメージといった頭脳の産物とあるが、次のうち、情報、観念、イメージなどの「頭脳の産物」について、本文中で述べられていることがらと内容の合うものはどれか。最も適しているものを一つ選び、記号をで囲みなさい。

ア 一つのアスペクトから眺められた唯一の見かけであるテレビ画面の映像は、一つの存在でありながら、それを見る視点を変えることで、自由で多彩な、無限に近いイメージを取り出すことができるものである。
イ情報あるいはイメージは、裏側を持たず滲みや揺らぎをできるだけ排除した存在だと定義することができ、提示した人の意思に反したりそれを超えたりする余日や周縁は可能な限り抑制されている。
ウ情報として精巧につくられ、バーチャル・リアリティと呼ばれるようになったイメージには、提示した人の意図が忠実に表現されており、作者や受け手の意識を超えた名状しがたい不思議な雰囲気が備わっている。
エ一定の角度から一定のフレームの中に「もの」をとらえた写真は、見る人を強制して明確な一点に関心を集中させることによって、人間の精神が情報の限定、分析的な正確さなしに成立しないということを示している。



解答 : イ


解説 : 本文では、「頭脳の産物」である情報、観念、イメージについて、以下の特徴が述べられています。

・「すべて『裏側を持たない存在』であり、『滲みや揺らぎをできるだけ排除した存在』だと定義することができます。」
・「テレビ画面に映った一つの風景のイメージには、どこをどう探しても裏側というものはありません。」
・「それを提示した人の意思にしたがってわれわれの印象を形成します。それをつくった人の意思を裏切ったり、意図からはみ出したりする要素を、可能な限り抑制したものがイメージなのです。」
・「情報としてつくられたイメージは、それがどんなに精巧につくられ、バーチャル・リアリティ(仮想現実)と呼ばれるようになっても、なおそれを提示した人の意図を忠実に表現しています。」
・「受け取る側は、それを提示した人の意図に従い、その通りに『もの』を見ざるをえないということです。」

これらの記述から、選択肢イの「情報あるいはイメージは、裏側を持たず滲みや揺らぎをできるだけ排除した存在だと定義することができ、提示した人の意思に反したりそれを超えたりする余白や周縁は可能な限り抑制されている」という説明が、本文の内容と最も一致しています。

他の選択肢は、本文の記述と矛盾する点があります。

ア:テレビ画面の映像は「一つの存在でありながら、それを見る視点を変えることで、自由で多彩な、無限に近いイメージを取り出すことができる」とありますが、本文ではこれは事物の特徴であり、イメージの特徴ではありません。

ウ:バーチャル・リアリティのイメージに「作者や受け手の意識を超えた名状しがたい不思議な雰囲気が備わっている」とありますが、本文ではこれは自然な木材でつくられたテーブル(事物)の特徴であり、イメージの特徴ではありません。イメージは「提示した人の意図を忠実に表現している」と述べられています。

エ:写真が「人間の精神が情報の限定、分析的な正確さなしに成立しないということを示している」という点では合いますが、この選択肢は「頭脳の産物」そのものの性質を述べているというよりは、情報が持つ機能(強制性)に焦点を当てています。本文の問いは「頭脳の産物」それ自体の性質についてであり、イがその性質を最も直接的に記述しています。




1-3:次のうち、本文中の②、③に入れることばの組み合わせとして最も適しているものはどれか。一つ選び、記号を〇で囲みなさい。

ア ②たとえば ③つまり
イ ②したがって ③つまり
ウ ②たとえば ③しかし
エ ②したがって ③しかし



解答 : ウ


解説 : 空欄②の前後を見ると、合成樹脂のテーブルの話が始まっています。これは、前の段落で述べられた「もの」の一般的な特徴(裏側があり、陰影と滲みが含まれるなど)を具体的な例で示す部分です。したがって、「たとえば」が適切です。

空欄③の前後を見ると、合成樹脂のテーブル(②の例)の話から、自然な木材のテーブルの話へと転換しています。合成樹脂のテーブルは「限りなく一つのイメージ」を限定して示されるのに対し、自然な木材のテーブルは「作者の思いがけない傷や汚れを帯びているだけではなくて、風合とか肌理などと呼ばれる、名状しがたい要素を含んでいます」とあり、対比的な内容が続いています。そのため、逆接を示す「しかし」が適切です。




1-4:本文中で筆者は、情報化とはどのようなものだといえると述べているか。本文中のことばを使って七十五字以上、九十字以内で書きなさい。



解答 : 自分が自由に読み取ることのできる事物や表現者の意図を越えるような陰影、ニュアンスというものを味わいたいという人間の本来の願望に背き、情報の受け手の自由を制約するもの。


解説 : 解答の根拠となる本文の該当箇所は、以下の部分です。
「しかし一方で、人間は本来的に、自分が自由に読み取ることのできる事物、あるいは表現者の意図を超えるような陰影、ニュアンスというものを味わいたいという願いを持っています。 限定された、あるいは強制された情報だけでは、心が不安になり、どこか満ち足りないものを感じるものです。その意味では、情報化とは、人間の本来の願望に背き、情報の受け手の自由を制約するものだといえるでしょう。」

筆者は、人間が本来持っている「自由に読み取りたい」「意図を超えるニュアンスを味わいたい」という願望に対し、情報化が「限定された、あるいは強制された情報」を提供することで、その願望に背き、情報の受け手の自由を制約するものだと明確に述べています。








■大問2



次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。

秀逸の発句といへるは、打ちきこゆる所、何とらへておもしろき事も見えず、只詞すなをにたけ高くして、其の意味口をして述ぶる事かたきをこそいひ侍れ。是は常に詞を巧みよせたる句をのみ面白き事に覚えてもてあそぶ人の耳には、恥かかよふべからず。世に周ねく人のゆるしたる作者の秀逸と名にたてる発句を聞きて、その底の聞こえざる輩は、我が心にうたがひをおこして、修し入りて見侍らば、自然とおもしろき意味をもしる事あらん。その分上に至らば、②自句に秀逸をまうけぬべし

「独ごと」
『鬼貫の『独ごと』 講談社 一九八一年八月



2-1:秀逸の発句とあるが、次のうち、秀逸の発句について、本文中で述べられていることがらと内容の合うものはどれか。最も適しているものを一つ選び、記号を〇で囲みなさい。

ア秀逸の発句は、どこといっておもしろさがわからないが、その意味を正確に述べることはできる。
イ秀逸の発句は、どこをとってもおもしろさがすぐに伝わり、詞が素直で格調が高いものである。
ウ秀逸の発句は、詞が素直で格調が高く、その意味を口で述べることが難しいものである。
エ秀逸の発句は、常に詞によって技巧を凝らしているため、その意味を述べることは離しい。



解答 : ウ


解説 : 本文の該当箇所「秀逸の発句といへるは、打ちきこゆる所、何とらへておもしろき事も見えず、只詞すなをにたけ高くして、其の意味口をして述ぶる事かたきをこそいひ侍れ。」

ア:「どこといっておもしろさがわからないが」は合致しますが、「その意味を正確に述べることはできる」という点が、「その意味を口で述べることが難しい」という本文の内容と矛盾します。
イ:「どこをとってもおもしろさがすぐに伝わり」という点が、「どこといっておもしろさがわからない」という本文の内容と矛盾します。
ウ:「詞が素直で格調が高く」(詞すなをにたけ高くして)、「その意味を口で述べることが難しいものである」(其の意味口をして述ぶる事かたきをこそいひ侍れ)という点が、本文の内容と完全に一致します。
エ:「常に詞によって技巧を凝らしている」という点が、「詞すなをにたけ高くして」(詞が素直で格調が高い)という本文の内容と矛盾します。




2-2:本文において「興じ楽しむ」という意味を表すことばとして最も適していることばを、本文中から五字で抜き出しなさい。



解答 : もてあそぶ


解説 : 本文において「興じ楽しむ」という意味を表すことばとして最も適しているのは、もてあそぶです。

本文の該当箇所「是は常に詞を巧みよせたる句をのみ面白き事に覚えてもてあそぶ人の耳には、恥かかよふべからず。」




2-3:②自句に秀逸をまうけぬべしとあるが、秀逸の句を自作することについて、本文中で筆者が述べている内容を次のようにまとめた。aに入れるのに最も適していることばをあとから一つ選び、記号を〇で囲みなさい。また、bに入る内容を本文中から読み取って、現代のことばで二十字以上、三十五字以内で書きなさい。

[世の中で a の、秀逸であると言われている発句を聞いて、その奥深いところにあるものを理解できない者は、自分の bようになれば、秀逸の句を自作することができる。]

ア 一部の人から信頼されている作者
イ 知り合いの人から許可を得た作者
ウ 周囲の人々とうちとけている作者
エ 広く人々から認められている作者



解答 : a エ b 心を疑い、修行した後に見て、自然とおもしろい意味を知る


解説 : a 本文の該当箇所は「世に周ねく人のゆるしたる作者の秀逸と名にたてる発句を聞きて」です。「周ねく人のゆるしたる」とは、「広く世間の人々から認められている」という意味です。

ア:本文の「周ねく」と合致しません。
イ:本文の「周ねく」と合致しません。
ウ:本文の「ゆるしたる」の意味と異なります。
エ:本文の「周ねく人のゆるしたる」と最も合致します。
したがって、aにはエが最も適しています。

b 本文の該当箇所は「その底の聞こえざる輩は、我が心にうたがひをおこして、修し入りて見侍らば、自然とおもしろき意味をもしる事あらん。その分上に至らば、②自句に秀逸をまうけぬべし。」です。

これは、「(秀逸な発句の)奥底が理解できない者は、自分の心に疑いを起こし、熱心に修行して見極めるならば、自然と面白い意味を理解できるようになるだろう」という意味です。








■大問3



次の問いに答えなさい。



3-1:次の⑴~⑷の文中の傍線を付けた漢字の読み方を書きなさい。また、⑷~⑹の文中の傍線を付けたカタカナを漢字になおし、解答欄の枠内に書きなさい。ただし、漢字は楷書で、大きくていねいに書くこと。

⑴車掌がアナウンスをする。
⑵曖昧な返事をする。
⑶物流が滞る。
⑷地元の企業にシュウショクする。
⑸換気のためにマドを開ける。
⑹地図のシュクシャクを確認する。



解答 : ⑴しゃしょう
⑵あいまい
⑶とどこお
⑷就職
⑸窓
⑹縮尺




3-2:「人に教ふるに善を以てする、之を忠と謂ふ。」の読み方になるように、次の文に返り点を付けなさい。



解答 :


解説 : 「人に教ふるに善を以てする」の部分 「善を以てする」:漢文では「以善」と書かれますが、日本語では「善を以て」と読みます。これは「善」を先に読み、「以」を後に読むことを意味します。したがって、「以」にレ点を付けます。

「之を忠と謂ふ」の部分
「之を忠と謂ふ」:漢文では「之謂忠」と書かれますが、日本語では「之を忠と謂ふ」と読みます。この中で、「忠」を先に読み、「謂」を後に読む必要があります。したがって、「謂」にレ点を付けます。








■大問4



次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
※本文は著作権者への配慮から現時点での掲載を控えております。



4-1:①「」とあるが、次のうち、美しいものとはどのようなものかということについて、本文中で述べられていることがらと内容の合うものはどれか。最も適しているものを一つ選び、記号を〇で囲みなさい。

ア 庭先の樹木や道端の水たまりや雲など、日々見慣れている平凡なもの。
イ しばしばはかないけれども、それ故に永遠に残らなければならないもの。
ウ 一瞬毎に消滅していいと思えるほど、鮮やかで刻々に変化していくもの。
エ それを定義することにより、永遠的なものに参画することができるもの。



解答 : イ




4-2:②「」のさしている内容を次のようにまとめた。 a、bに入れるのに最も適しているひとつづきのことばを、それぞれ本文中から抜き出しなさい。ただし、aは五字、bは十三字で抜き出すこと。

aを自分の手でbによって築かれた作品。



解答 : 解答無し




4-3:③「」とあるが、本文中で筆者は、芸術家がどのようにすることで、感覚的なものと永遠的なものとが一致すると説明しているか。その内容についてまとめた次の文の「」に入る内容を、本文中のことばを使って四十五字以上、五十五字以内で書きなさい。

芸術家が素材との「」ことで、感覚的なものと永遠的なものとが一致する。



解答 : 長い格闘、忍耐強い技術の錬磨の中で、永遠的なものを眼で見、耳で聞き、手で触れ得る「もの」の中に実現する




4-4:次のうち、本文中で述べられていることがらと内容の合うものはどれか。最も適しているものを一つ選び、記号を〇で囲みなさい。

ア われわれが本当に生きていると思うことができるのは、何等かの意味で永遠的なものに支えられ結びついている時であり、永遠的なものは必ず芸術によってあらわれる。
イ 流行製造業者が得意とするような根底から新しいものを作り出す行為とは違い、作られたものが滅び流行が古くなる中で、永遠的なものを発見することを創造という。
ウ哲学者が頭の中で考えてから文章を書くことと同じように、芸術家は眼に見えるものの背後に眼に見えないものを見出してからそれを眼に見える形にもたらしている。
エ 芸術は何よりも先ず、色であり、形であり、音であることによって永遠自体であり、芸術そのものによって永遠的なものをあらわしているといったものではない。



解答 : エ








■大問5



次の【資料】は、「あなたが、日本語の特徴で魅力を感じるところとは何か」という質問に対する回答結果を示したものです。【資料】からわかることにもふれながら、「日本語の特徴」についてのあなたの考えを、別の原稿用紙に三百字以内で書きなさい。



解答 : 問題文の条件にそって記述してください。※解答省略




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